瀬戸康史、主演舞台で王子役「僕も長男だから分かる」

2015/08/08 07:00 配信

芸能一般

座長として主演舞台・Dステ17th「夕陽伝」に意気込む瀬戸康史

ことしで俳優デビューから10年を迎えた瀬戸康史の主演舞台・Dステ17th「夕陽伝」が、10~11月に東京、大阪で上演される。古事記を題材に、運命に翻弄(ほんろう)される若者たちの成長や恋を描いたエンターテインメント作品だ。

天真らんまんで自由を愛する兄と、温厚ながら兄に嫉妬にも似た劣等感を抱く弟の対立、そして幼なじみの少女をめぐる三角関係などが展開される。

8月8日(土)から公演チケットの販売がスタート。そこでSmartザテレビジョンでは瀬戸にインタビューを敢行し、物語や役柄について話を聞いた。

――今作は古事記が題材ですが、古事記の予備知識は無くても楽しめますか?

全然大丈夫です! 僕も最初は古事記って名前しか知らなかったんですけど、読んでみたら、すごい面白いんですよ。ヤマタノオロチとかファンタジーの要素が結構ありますし、恋愛が描かれていたりもして。

「夕陽伝」は古事記のそういう一面をベースにした作品で、ストーリーはシンプルですし、殺陣もありますし、エンターテインメント作品になっていると思います。

――主要人物は国政をつかさどる王家の子の兄弟と、幼なじみの少女の3人ということですが。

そうですね、将来王にならなきゃいけない兄弟の話で、正反対の性格をしている二人がやがて対立して争いが起きてしまうという。僕が演じる兄・海里(かいり)は、小さいころから自分に課せられた大きな定めみたいなものを背負って生きていて、それに反抗するように新しい世界が見たいとか、自由な生き方をしているんですよ。

反対に、弟の都月(つづき/宮崎秋人)は、お兄ちゃんに王になるっていう定めをちゃんと受け入れてほしいと考えていて。海里は果たして自分の定めを受け入れるのか、受け入れないのか、が描かれていきます。

――海里という人物をどう捉えていらっしゃいますか?

定めみたいなものは自分でも分かっていると思いますけど、そこから逃れたいときって、若い時は多分みんなありますよね。僕も長男なんですけど、小さいころから妹の面倒を見るとか、自分が親の代わりにやらなきゃいけないこともいっぱいあって。その責任から逃げたいときがあったんですけど、その感覚とちょっと似てるのかも。

――ポスタービジュアルでは長髪姿を披露されています。普段の瀬戸さんとはやはり印象が変わりますね。

あくまでポスタービジュアルなので、実は本番でどうなるかは全く分からないんですけど、海里のイメージだとそんなにきっちりはしてないだろうなと思います。髪は洗ったまま、みたいな(笑)。

――長髪姿に対して、周囲の方々の反応はいかがでした?

全然似合ってないって言われました(笑)。取材してくれる方は「きれいですね」とか言ってくださるんですけど、友達の反応はつれないものでした。

――客演の小芝風花さんが演じる幼なじみ・陽向(ひなた)との恋も気になります。

兄弟が二人とも陽向を好きになるという三角関係なんですよ。全員がお互いを思い過ぎている恋愛で、どちらかというと切ない感じですかね。若い青年とか少女の、ピュアな恋愛が描かれていきます。

――ちなみに瀬戸さんは、友達と同じ女性を好きになったことはありますか?

無いんですよ。でも、もし友達と同じ人を好きだって分かったら、先に行きますけどね。その友達に僕も好きだって明かした上で。選ぶのは女性側ですからね。でもアプローチはします。

――では物語では、海里は弟と陽向にどう接していくんですか?

お兄ちゃんは、本当は陽向が好きなのに、弟のことを思って引いてるんです。自分よりしっかりしてる弟の方が合ってるんじゃないかという思いから、弟と陽向をくっつけようとするんですよね。見ている方からすると、もしかしたら「本当のこと言えばいいじゃん」とかもどかしくなるかもしれないですね(笑)。

――陽向役の小芝さんの印象はいかがですか。

小さくてかわいらしい方で、でも実際会ってみるとものすごく芯の強い女性って印象がありました。僕、小芝さんの目が好きで、真っすぐで力強い目が陽向って役にぴったりだなと。陽向も切ない人物なんですけど、それをしっかり演じてくれそうだなと思いました。でも小芝さんは初舞台ということで、これで舞台を嫌いにならないといいなって(笑)。

――同じように舞台観賞は未経験という読者もたくさんいると思うのですが、そうした方々へメッセージをお願いします。

舞台は映像では感じられないものがたくさんあって、僕らの息遣いとか、汗とか、匂いも伝わったりします。静かなシーンでは心臓の音まで聞こえちゃうんじゃないか、ぐらい近いので、この近さで一つの作品が見られる場所っていうのは舞台だけですよね。

毎公演、毎公演、お客さんの感じも違いますし、僕らも同じ役を演じてるんですけどどこか空気感が違ったりするので、そうしたライブ感が面白いところですね。

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