“旅番長”高嶋政宏が旅の魅力を語る1

2015/08/08 05:00 配信

バラエティー

旅番長・高嶋政宏が語る旅の極意とは

俳優・高嶋政宏が自ら選んだ旅先に出かける旅番組「高嶋政宏の旅番長」シリーズ。第1弾では世界遺産・アンコールワットまで500kmを走破した“カンボジア縦断トゥクトゥク紀行”、第2弾ではスリランカ南部の420kmを旅した“激層のスリランカ編”を放送し、旅好きの間で話題となっている。シリーズ第3弾ではシンガポールからタイ・バンコクを旅する“熱風! アジア縦断編”を放送することを受け、“旅番長”こと高嶋政宏にインタビューを敢行。豪快に旅をする高嶋に、旅の極意や魅力を直撃した。

――旅好きで知られる高嶋さんですが、旅を好きになったそもそものきっかけを教えてください。

昔、「飛行機が飛ぶ」というのが信じられない家庭で、うちの両親が「飛行機は必ず落ちる」と言って海外旅行が禁止だったんです。最初にニューヨークに行くまで、海外旅行は禁止でした。だから海外への思いが強くて、いつか自分で行けるようになったら行きまくってやろうと思ってたんですよ。それが旅好きへの第一歩ですね。

――初めてニューヨークに行ったときの経緯は?

アメリカ大使館の方が英語の先生だったんですが、その英語の先生がビザを更新に行くっていうので。英語の先生に誘われたので、うちの両親も泣く泣くOKしてくれました。

――海外旅行が禁止で「ここに行きたい! ここにも行きたい!」という思いが募っていったんですね。

そうなんです。最初はあまりにもアメリカへの憧れが強過ぎちゃって。ちょうど小学生のころに洋食が入ってきて、「カレーだ、ナポリタンだ、ハンバーグだ」と。世間がフォークの裏にご飯乗っけて食べたりしているときに、「アメリカ行きたい」って思うようになりました。でも、まさか最初にニューヨークに行くとは思わなかったですね。

――最初に行かれた際はプライベートだったんですか?

英語の先生がブロードウェーミュージカルが好きで、1970年代くらいにその先生に付いて行ったんですよ。

――この「―旅番長」は高嶋さんの旅好きが高じてご自身の持ち込みで企画したとお聞きしたんですが、それに至った経緯や周囲への説得は?

仕事から家に帰ると、バラエティーやスポーツニュースを見ていたんです。でも、どうしても知り合いがいっぱい出てるじゃないですか。そうすると、いろんな事が気になってしまって休まらないんです。そしてある時、ケーブルテレビで「旅チャンネル」を見たら一日中旅番組がやっている訳ですよ。それで心が洗われて。それから大ファンで見るようになったら、今度は「何でここに俺が出てないんだろう」と思い始めて。そこで、知り合いのドキュメンタリーの監督に、「旅チャンネルをやっている知り合いいませんか?」って頼んだら、「仲良いですよ。今度紹介しますよ」ということで、とんとん拍子に話が進んでいきました。

――「―旅番長」の具体的な企画はどのように固まっていったんですか?

「何か企画を考えよう」と、焼き鳥屋さんでスタッフたちと集まって話していたら、“旅番長”というワードがディレクターから出て。そこで「風を感じたいから自転車で」と提案したんですが、「危ないから絶対やめた方が良い」とみんなから反対されて。そうしたら「風を感じたいなら、トゥクトゥクどう?」ということになり、決まっていきました。

――訪問先の国はどのように決定したんですか?

スタッフから「ここ行きたいとか、思い出の場所はないですか?」と聞かれ、3カ所くらい出した中の一つが、カンボジアのアンコールワット遺跡群でした。今から20年くらい前に、「ネイチャリングスペシャル」(テレビ朝日系)という90日間くらい旅をするドキュメンタリー番組があったんです。しかし、そのオファーが来た時、僕はまだデビューして数年しか経っていなくて、全然慣れていなくて。そんな状態で遺跡群に行ったんですが、堪能できずに帰ってしまい、ずっと後悔が残っていたんです。それで、「もう一回行ってかみ締めたい」という話をしたら、「それいい、それにしよう」と。そして晴れて旅チャンネルに出演できるようになりました。

――高嶋さんの希望が番組に反映されているんですね!

はい、そうなんです。第3弾ではシンガポールからタイのハジャイまで旅することが決定しましたが、その時は「ジープもいいね」という話になりまして。「旅番長がそこにいれば成立する」というところまで、番組がたどり着きました。

――ロケに同行するスタッフがとても少ないと聞いたのですが、大変ではないですか?

いやぁ、それが身軽で良いんですよね(笑)。「ここで止まってくれ」と、自分が興味のあるところに行けますし。スタッフが多いと、「バス止めました、セッティングしました、撮りました、撤収します」ですが、この番組では、カメラマンが降りてカメラを回し始める、それだけですから。

――では、少ないからこその苦労はありますか?

ずっと一緒にいるわけじゃないですか。だから、ちょっとした事でお互いにイラッとくると会話がなくなります(笑)。現場の雰囲気が悪くなって、誰も口を利かなくなることがありますよ。人数が多いとその人のところに行かなければいいですけど、スタッフが自分を含めて4人しかいないので。でも、垣根はないですね。ムカついてみたり、ムカつかせたり、それでビール飲んでまた仲直りしたり。人間そのものです(笑)。

――いい仲間という感じですね。

そうですね。

――これまで旅をして印象深いエピソードやハプニングはありますか?

トゥクトゥクで500kmなど無謀なことをするので、撮影日までにドライバーが逃げてしまうことがよくありました。日が迫るにしたがって「ギャラはいいんだけど、奥さんと子供もいるし、自信がなくなった」と急に失踪してしまいましたね。でも、毎回必ず神様のように性格のいいドライバーがなぜか来てくれるんです。

あとは行く先々が暑いので、ジープがオーバーヒートしました。トゥクトゥクに代わる古い軍用のジープを手配したんですが、途中でオーバーヒートしてしまって。

そして、アジアの日差しをナメて日焼け止めを塗らなかったら、全身やけどに…。もう衣擦れだけで激痛が走りましたよ。

でも不思議と食べ物ではトラブルがないですね。スリランカでも、道端の日が当たっているところに置いてあるヨーグルトを食べたんですが大丈夫でした。

【“旅番長”高嶋政宏が旅の魅力を語る2に続く。】

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