お笑いコンビ・磁石の永沢たかしが、8月28日「メビウスの環」(ブックウォーカー)で小説家デビュー。ピース・又吉直樹の芥川賞受賞を受け、にわかに活気づく文壇デビューを果たした永沢に、“作家”としての心境や創作の裏側などを語ってもらった。
――電子書籍化されることになったわけですが、現在の心境と小説を書くことになったきっかけをお聞かせください。
単純にうれしいですね。きっかけは出版社に知り合いがいて、その人が単独ライブを見に来たりとかブログを読んだりしてくれて「永沢さん小説絶対書けるから書いてみてよ」って言われて書いたんですよ。
――もともと小説を書くことに興味があったんですか?
本読んだりは好きでしたけど、書いたりはしたことなかったです。でも何となく書いてお渡ししたら「面白い!」って言ってくれて。それは5年くらい前で、「続き書いてよ」って言われたんですけど、その時は何になるわけでもなく。で、そのままほったらかしになって。で、2年前くらいに、その方がパソコンを整理してたら出てきたらしくって、読み直したら「やっぱり面白いから、どっかにお話持って行く?」ってなって、「続き書いてみる?」ってなってから書き始めた感じですね。
――電子書籍化されるに当たって、周りの方の反応はいかがでしたか?
「すごいね」って言われたのと、あと結構前から「小説を書いている」って言ってたんで、「まだ書いてるの?」とか「まだ出ないの?」とか言われたりしましたね。それから両親は多分知らない(笑)。報告してないですね。あんまり親が読むような内容でもないので。
――ネタ作りの“創作”と小説の“創作”はやはり違うものですか?
やっぱり違いますね。ネタ作りは作業、仕事なんで「作らなきゃな」ってやっています。でも小説を書いているのはすごく楽しかったですね。もうその間、仕事以外何もしないでずっと毎日書いていましたね。
――実際作品として仕上がるまでトータルでどのくらいの期間がかかったんでしょうか?
集中して書いた時期もあったり、逆に何もしない時期もあったりして、ちゃんと書き始めてからは1年半くらいですかね。ずっと書いていて気付いたら朝8時とかになっていたとかはありましたね。続きを書きたいから寝たくないって…。幸い仕事もそんなに忙しくないんで(笑)。結構いっぱい集中して書けましたね。
――小説で描かれていた世界観みたいなものはどこから生まれるものですか?
映画とかも見るんで「こういうお話があったら面白いなぁ」とかよく考えてますね。「こういう人いたら怖いな」とか、「こういう世界があったら怖いな」とか思い描くことはあります。
――又吉直樹さんの芥川賞受賞のニュースについてはいかがですか?
すごいなと思いますね本当に。タイトルを「花火」(※又吉の作品は「火花」)とかにした方が売れるんじゃないかなと(笑)。いやすごいですよね芥川賞って。それでなくても芸人さんで板倉(俊之)さんとか品川(祐)さんとか劇団ひとりさんとか面白い作品書く方いっぱいいらっしゃいますからね。
――“賞レース”みたいなものを意識されたりしますか?
賞レースのシステムがよく分からないですけどね…じゃあ芥川賞を(笑)。芥川賞を狙いたいですね。
――じゃあその辺を書いておきますね。
全然ジャンル違うじゃないですか(笑)。でも本ってそれ(賞)大事ですよね。本屋大賞とかでもすごいですもんね。あれでバーンと売れますよね。でも取りあえずたくさんの人に読んでもらいたいですね。
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