8月28日、「メビウスの環」(ブックウォーカー)で小説家デビューを果たしたお笑いコンビ・磁石の永沢たかし。今回発表した作品の見どころや次回作への構想、さらに意外なドラマ出演のエピソードなどを語ってもらった。
――最近では小説や漫画原作のドラマが人気を博すことがありますが、永沢さん自身、普段からドラマをご覧になることはありますか?
ありますよ。1クールに1、2本は見ますね。
――もし「メビウスの環」がドラマ化されたら主人公とか誰に演じてほしいとかありますか?
えーっ!? 本当ですか!? あー、誰でしょうね…(物語の主人公が)20代後半くらいなんで、山田孝之くんとか。(「メビウスの環」に収録されている)「黒いひこうき雲」の方が山田くんぽいですね。山田くんって言ってますけど、友達ではないですけどね(笑)。
――ちなみにドラマに出演された経験はありますか?
あります。これ、実はあるんですよ。ストーカーの役で殺されたんですよね(笑)。でもハマリ役だと言われましたね。船越英一郎さんのサスペンスの脇役みたいなので出させていただいて。
船越さんがすごくいい人で、差し入れでバウムクーヘン頂いたんですけど、真ん中の穴開いているところに、船越さんの顔写真が入っていて、特製の。すごくないですか? テレ東の「刑事吉永誠一 涙の事件簿」でした。
あとBeeTVでしたか、BeeTVの、並びが津川雅彦さん、濱田岳さん、倉科カナさんと僕の名前しか台本になくて、すごいところに入っちゃったなと思って。そしたら僕せりふ一言しかなくて(笑)。(※編集部注:東野圭吾ドラマシリーズ“笑”「モテモテ・スプレー」に出演)
――芸人さんの中には、“先輩作家”として原作・脚本・監督を務める品川祐さんとか劇団ひとりさんとかいらっしゃいますが、ご自身で書く側から撮る側になろうとかありますか?
いや全然そんなレベルじゃないですよ。やり方も分からないですし、無理でしょう(笑)。まぁでも品川さんとかそうですもんね。いやぁ無理でしょう。だってあれ(撮影するのに)スマホとかじゃダメなんでしょう? ちゃんとカメラとか買ってこなくちゃダメなんでしょう? 取りあえず小説をなるべく多くの方に読んでいただきたいなというのはありますけど。
――今後も作品を書かれていくかと思うんですけど、新たに構想みたいなものはありますか?
もう2本くらい短編を書いていたんですよ。そっちのお話も僕は好きなんで、それを広げていきたいですね。他にも描いているのは何本かあったんですけど、でも何か海外であったみたいなんですよ。ゾンビになって友達とか恋人を襲っちゃった後に、ゾンビを治す薬みたいなのができて、治っちゃうみたいなお話。
――やっぱりそういうSFチックというか、そういうジャンルの作品はお好きなんですね?
好きなんですよね。恋愛とかは絶対に書けないんで。ろくな恋愛をしていないんで(笑)、たぶん書けないんで。読んでいて好きなんですよね、そういうのが。そういう特殊で不思議なお話とかが好きだったりするんで。
でももうちょっとほんわかするような作品も書いてみたいなとは思いますね。“ほんわかSF”みたいな。東野圭吾さんの「秘密」みたいな、ああいうのすごいなと。何でもない日常があるじゃないですか。そこを書けたりするんですよ。僕は何か事件が起こってからじゃないと話が進まない。文章力の問題なんでしょうけど。
――作家さんとして誰かライバルはいらっしゃいますか?
ライバル? やっぱり又吉(直樹)さんですかね(笑)。一応そう言っておいた方がいいですか?
――又吉さんの「火花」は読まれました?
読んでないですね。なんか…読んでないです…。でも小沢さん(スピードワゴン・小沢一敬)も言ってたかな。なんか嫉妬があるって。すごい読みたい反面、(作品に)引っ張られるというか。これ以上売れると悔しいし(笑)。同期なんですよ、又吉さんは。芸歴でいうと同期なんですけど、でも吉本さんなんでそんなに絡みはないですね。綾部(祐二)さんはちょこちょこ話したりするんですけど。
――話は全然変わるんですけど、最近Twitterを始められたそうですね。
楽しいですね。ずっとブログは書いていたんですけど、Twitterの方が楽しいなっていうのはありますね。
――ファンの方との交流とかは?
まだないですね、怖くて。でも“炎上”くらいした方がいいのかななんて。炎上した方が注目度も上がるし(笑)。どうしても常識人の部分が出てしまい…。
――相方の佐々木優介さんは「メビウスの環」お読みになったんですかね?
たぶん読んでないと思いますよ。
――今回発表された「メビウスの環」に収録されている「黒いひこうき雲」が、8月28日からTwitter上で立ち読みすることができるそうなんですが。
それならぜひ読んでほしいですね。それで面白いと思って買っていただけるといいですけどね。
――お友達の芸人さんとか佐々木さんにも読んでもらえるといいですけど。
そうですね。でも(佐々木は)フォローしてないんでね(笑)。無料で見られるのはいいですね。「黒いひこうき雲」だけ? あれは短いですしね。読みやすいと思います。
――最後に今回の作品の見どころをお願いします。
「メビウスの環」は、僕は設定が面白いなと思って書いたんで、そこですね。その設定の中で何が起こるかというところを楽しんでいだたければと思います。実際にそこの世界に入ったような気持ちで読んでいただければ。
「黒いひこうき雲」は、鬱屈(うっくつ)とした話なんで、そういう人に見ていただきたいなと思います(笑)。世の中にストレスがあるような人に。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)