独自の観点から取材を行い、情報を発信しているNHK総合の番組「所さん!大変ですよ」に注目だ。4月からレギュラー番組として始まり、新聞に小さく掲載しているような不思議な事件や出来事に着目し、その裏側を追求して大きな社会問題に行き当たるなど、ニュースの発信源にもなっている。
7月9日放送では、今、公園で急増している健康遊具を多くの高齢者が利用している事実から、高齢化していく日本の社会問題について切り込んだ。
7月30日放送の“スマホ乗っ取り事件”では、スマホを遠隔操作し、個人情報流出の原因となったアプリを紹介。取材はアプリを制作したイタリアの会社にまで及び、マフィアの盗聴捜査の実態にまで迫った。たった一つの小さなテーマから発展し、“事件の原因”を徹底追求する番組スタッフの姿は、本来の報道の在り方を思い出させてくれる。
今回、番組のMCを務める所ジョージに番組のテーマやその面白さについて語ってもらった。
毎週取り上げる情報や出来事について「本当によく探してくるなーという印象です。毎回、ものすごく身近なところから話を見つけてくる。特に興味深かったのは『“消えたHB鉛筆”の謎』(5月14日放送。取材のスタートはスタッフがおいっ子の入学祝いに鉛筆をプレゼントしようとしたら、店頭に、昔自分が慣れ親しんだHB鉛筆が見当たらないことに気付いたということ。子供の筆圧が低下し、HBだと硬いので、柔らかい2Bの鉛筆が好まれるようになっていたのだ。子供の体力低下に警鐘を鳴らした)。生活に近いところで生まれる出来事や謎は、茶の間の興味も引きやすいし、みんなが楽しめるんじゃないかと思います」と語った。
「所さん!大変ですよ」が取り上げる出来事と、普通のニュース番組が取り上げる出来事の違いについて「『入り口は小さく、調べていくとでっかい』っていうのが特徴じゃないかと思います。『ミドリガメが増え過ぎて日本中が大混乱』(6月25日放送)っていう話があったんですけど、最初は大きくなったミドリガメがレンコン畑を食い荒らすっていう話でした。
これだけで終わると普通のニュースだけど、これを深く調べていくと、実はミドリガメは約50年前にはお菓子の景品になっていて毎週3000人にプレゼントされていたとか、日本にはすでに180万匹のミドリガメがいて、今もアメリカは日本向けにじゃんじゃんミドリガメを輸出していて、ついには“カメ御殿”を建てちゃった大富豪がいる話とか、そういうのがわんさか出てくる。『たかがカメ、されどカメ』。そういうのが面白いと思います」と分析。
最後に「皆さんにとって、とっても身近なところで起きていた事件から、とんでもないことが分かっちゃうというお得な番組なので、家族みんなで見てほしいですね」と番組をアピールした。
8月27日(木)の放送では、ある超人気文房具を悪用した不思議な“なりすまし事件”を取材する。9月3日(木)放送では、埼玉県の河原から掘り出された手りゅう弾から、第2次世界大戦中の極秘計画の実態に迫る。
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