“ハヤブサジャパン”バスケットボール男子日本代表チームが、2016年リオデジャネイロ五輪への出場を懸けた戦いをスタートさせる。
昨年11月、FIBA(国際バスケットボール連盟)は、JBA(日本バスケットボール協会)の無期限資格停止処分を決定。全世代のバスケットボール日本代表が国際試合に出場できなくなり、今夏行われるリオ五輪予選への参加も危ぶまれた。
しかし、5月にJBA会長に就任した川淵三郎氏らの尽力もあり、8月9日にFIBAは資格停止処分を正式に解除。バスケ日本代表は男女共に、リオ五輪アジア地区予選を兼ねた“FIBA ASIAバスケットボール選手権大会”に臨むことになった。
そのアジア選手権の前哨戦となる“第37回ウィリアム・ジョーンズカップ”を、WOWOWメンバーズオンデマンドで配信することが決定。それに伴い、日本代表チームの一員であり、トヨタ自動車アルアバルク東京所属の松井啓十郎選手が、WOWOWメンバーズオンデマンド配信番組「長澤壮太郎のオフもSo!スポ 2015-16」にゲスト出演。
番組内で語られたNBAのオフシーズンやNBAプレーヤーとの交流、さらには日本代表の現況や日本バスケの未来について語ってもらった。
――番組ではNBAのオフ中のトレードで盛り上がっていましたが、気になる動きはありましたか?
「やはりダラス・マーベリックスですかね、ダーク・ノビツキーがすごい好きなので。タイソン・チャンドラーというセンターの選手がいたんですけど、ロサンゼルス・クリッパーズのデアンドレ・ジョーダンを獲れると思って、出しちゃったんですよね。
そしたらDJがクリッパーズに残って獲れなくなっちゃったので、マブスファンからしてみたら、チャンドラーを残しておいてほしかったし、DJが入ってくれればインサイドのディフェンスが強くなるって期待していたから、ちょっとガッカリしちゃった感じですね。クリッパーズとマブスの試合では、お互い『コノヤロー』という感じがあったり、客席からブーイングとかも出ると思うんですけど(笑)」
――他にも個人的に好きなチーム、応援しているプレーヤーはいますか?
「昔からマブスは好きですし、ニューヨークのコロンビア大学にいたので、ニューヨーク・ニックスもフォローしています。あとは個人的に知り合いのジェレミー・リンはいつもフォローしているし、モントローズ・クリスチャン高校の後輩のグレイビス・バスケスやケビン・デュラントもですね」
――先日、ジェレミー・リンが来日したときにはSNSにアップされていましたね。
「リンから『日本に行くよ』ってメールが届いて、『何しに来るの?』って聞いたら『家族旅行だ』『日本は初めてだ』と言うので、じゃあ案内してあげるよって。4日間くらいほぼ毎日一緒にいて、一緒に練習したり、ご飯を食べたりしました」
――元々どういった関係でジェレミー・リンと繋がったんですか?
「大学のときに3年間、対戦相手としてです。リンのいたハーバード大学とは同じアイビーリーグで、年に2回、3年で計6回対戦して、ポジションも似ていたのでマッチアップしたり。あとアジア人が少ないので、話はあまりしなかったけど、お互い意識していたというのはありますね。それでツイッターでフォローしてメッセージを送って、向こうも覚えてくれていたみたいで、リンがヒューストン・ロケッツに行ったときからの交流です」
――この夏はプライベートも含めてNBAプレーヤーが多く来日していますね
「中国に行くから日本にも、という感じかも知れないですね。ステファン・カリーも来ますし、アンドレ・イグダーラやデイミアン・リラードも来たし、コービー・ブライアントもね。FIBAワールドカップの開催地決定でヤオ・ミンとマニー・パッキャオが来日したり、日本でもバスケの話題がいろいろあるので、もっと多くメディアで取り上げてもらえたら嬉しいですね」
――このところのJBAの動きなどで、バスケについての報道は増えていますね
「でも一回、『日本代表チームが韓国軍隊チームと乱闘』みたいな報道があって、それ載っける!?って(笑)。日本代表が活動を始めました!っていうタイミングなのに、韓国との争いみたいに捉えられて、載せる側も考えてくれたら良いのに…とは思いましたね」
――大きく報道されていたFIBAからの制裁と、その解除までの流れは選手としての立場からどのように見ていましたか?
「制裁が下されて、『出れないんだ…』って思っていたら、川淵さんが大急ぎでいろいろ改善してくださって。徐々に良くなっているっていうのは、選手としても気付いていたので、タイミング的にはうまく、丁度ギリギリのところで解除されたのかなって思います。こうやって海外遠征も行けることになりましたし」
――川淵会長とお2人で会われたそうですが、どんな話をされたんですか?
「急に秘書の方から電話が来て、川淵会長が話したいそうですって言われて、『ハッ!?』ってなって(笑)。2人で対談みたいな感じで、留学のこととか話したいと言われたので、高校生や中学生をアメリカに送り込まないと、今の日本のバスケは強くなりませんよ、ということを話しました。川淵さんも、そういうことをどんどんやっていって欲しい、協力してくれないかと言ってくださって」
――松井選手が高校、大学とアメリカでプレーした経験を伝えていくということですね
「自分がやったことを、未来の子供たちにも経験させてあげたいというか、やっぱりNBAだったり、NCAA(アメリカの大学スポーツ)のレベルに近付けると思うので。『うまくなるにはうまい選手とやれ』って言いますよね。ということは、うまくなるにはうまい国に行かなきゃいけない。日本にいたらライバルの数が少なくても、うまいところにいけばそれ以上のライバルがいっぱいいるわけだから、そういう意味では絶対行った方が良い環境にはなると思います」
――「アメリカの学校でバスケをしたい」という子供たちは多そうですね
「その方法を親も知らないですし、もっと公にしてサポートしていってあげたいと思います。アメリカに行きたいとなっても、じゃあどこに行くの?となるし、アメリカの高校に行くためには何が必要?とか、英語の勉強どうするの?とか、金銭的な面など、全部早い内からアドバイスできれば、アメリカに行きたいっていう選手がもっと増えて、日本のレベルは上がっていくと思います」
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