昨年12月にデビュー15周年と単独300回を記念する日本武道館でのライブを大成功させたばかりの倉木麻衣が、9月12日、楽曲制作に集中していることし初の単独ライブ「Mai Kuraki Symphonic Live -Opus 3-」で美声を披露した。
同ライブは倉木の真骨頂ともいえる大好評シリーズの第3弾。指揮者に藤原いくろう 、演奏に東京フィルハーモニー交響楽団を迎える構成はそのままに、今回は初の「すみだトリフォニーホール」大ホールで、全曲フルオーケストラのステージとなった。
第1部では、ブルーの装飾が施されたゴージャスな黒のドレスに身を包んだ倉木が登場。美しく桜が舞う演出が印象的な「Time after time ~花舞う街で~」、ピアノソロとシンフォニックアレンジが美しい「冷たい海」に続き、「Like a star in the night」では倉木のドレスがLED電飾で光り出す演出で、輝く夜空の演出の中「星に願いを」のエンディングが響いた。
続く「fantasy」も輝くドレスとともに、バックのパイプオルガンには美しい夕焼けが映し出され会場を魅了。そして「Cinema Music Special Medley」では、「Smile」から「Alfie」へのメドレーをしっとりと聴かせた。
その後のMCで「ことしは楽曲制作中心の年でさまざまな曲を制作しているのですが、次に歌う曲はその中からの一曲で、初披露の曲になります。歌手としてデビューしてから15年歌わせていただいているのですが、この道を振り返り、またここから自分らしくどんなことがあっても自分を信じて自分にしか歩むことのできないこの道を歩んでいきたい」と、新曲への思いを語り、「My way」をかみしめるように歌い上げる。
白のロングドレスに衣装チェンジした第2部スタートの「SAFEST PLACE」では、ハンドベルとの共演で会場を幸せな音色が包む。さらに柔らかな雪の演出が切なく響く「白い雪」、指揮者の藤原が作曲したバラード「儚さ」では新進気鋭のバイオリニスト・松本蘭をゲストミュージシャンとして迎え、ドラマチックな世界観に彩りを添え、情感たっぷりのステージに。
また、倉木の代名詞ともいえるヒット曲「Love, Day After Tomorrow」は、初めてのパイプオルガンの迫力あるサウンドとの初共演を果たした。バッハの名曲「トッカータとフーガ ニ短調」から始まる、ダイナミックなシンフォニックアレンジで観客を驚かせ、このライブの大きな見どころの一つとなった。
アンコールではこちらも初披露となった「Wake me up」を澄み渡る大空のように開放感たっぷりに披露、最後は大フィナーレ「always」を割れんばかりの大きな手拍子と一体となって熱唱した。
スタンディングオベーションと鳴りやまない大歓声の中、何度も丁寧にあいさつし、大きく手を振る倉木の姿と会場との一体感。倉木の魅力が胸に迫り、この空間でしか感じ得ない大きな感動を生んだ。
クラシカルな雰囲気の大歓声に包まれながら演奏された全16曲の内、新曲「My way」を含むシンフォニックアレンジでの初披露は6曲に及んだ。
そしてオーケストラのバックにそびえる荘厳な巨大パイプオルガンと、そこに映し出される美しい映像の数々は前回以上の迫力を演出。倉木ステージではおなじみとなったドラマチックな照明演出は幻想的な雰囲気を一層華やかにした。
会場に響き渡る倉木ならではの伸びやかなボーカルと幻想的で荘厳なステージ演出。ため息が出るほど美しいシンフォニックライブは、回を追うごとに進化し続けている。普段とはまた違った魅力が引き出された彼女のステージの次の展開を期待したい。
そして、このライブの映像化が早くも発表された。今回はシリーズ初となるBlu-rayでの発売も決定し、会場での感動を何度も味わうことができるばかりか、映像作品ならではのカメラワーク、臨場感あふれるサウンドもたっぷりと楽しめる。
シリーズの次作、そして映像作品。デビュー15周年を経た倉木のますますの進化から目が離せない。
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