大河ドラマ「花燃ゆ」(毎週日曜夜8:00-8:45、NHK総合ほか)もいよいよ明治編へ突入。井上真央演じる美和も、長州の未来を守るため、新しい日本を作り上げるためにさまざまなことに取り組んでいく。そして美和と大沢たかお演じる楫取素彦の2人の人生にも転機が訪れる。
そんな中、主演の井上真央が、大奥編や新しく始まる明治編について記者からの質問に答えた。
――大奥編についての質問です。最初の頃の井上さんのインタビューで、美和がどんな思いで奥御殿に入っていくのか、どういうふうに描かれるのかをとても楽しみにしていますとおっしゃっていました。実際演じてみていかがでしたか?
そうですね、奥に入るという決意はよほどのことがない限り、できないと思っていました。ですので、27話(7月5日放送)で、 内藤剛志さんが演じる椋梨(藤太)さんから「己の無力を泣け」と言われたことが一番心に響いたのではないでしょうか。他にも、きっといろんな理由があったとは思うのですが、やはり、そのことが一番悔しいと思ったと同時に、その言葉を文(後の美和)は実感したと思います。
その悔しさをバネに変えて奥に入っていくのですが、27話の内容がとっても濃く、「これだったら奥へ入るでしょ!」と私自身が思えるくらいのシーンになっていたので、すごく自然な流れでした。
(手を地面にたたきつけて悔しさを表すシーンについて聞かれ)あれは、もう、「家なき子」('94年ほか、日本テレビ系)の安達由実さんの気分でした(笑)。“空と私の間に雨が降る”という感じで、中島みゆきさんのテーマ曲が頭の中にずっと流れていて(笑)。
小さい頃、内藤さん見ていたなぁ、ドラマで意地悪をしていた顔に似ているなぁと思っていたら、だんだん「家なき子」のヒロインの気分になってきたんです。ずっとテレビで見ていた方なので、ご一緒して同じシーンを撮影しているということに感動していました。
――明治に入り、美和は最終的には初恋の人と結婚するわけですけれど、普通は成就しないですよね、初恋の人とは…その辺りは井上さん個人として、初恋の人と成就する美和に対してはどのように思われますか?
初恋の人と結婚するというのもなかなか無い事ですが、姉の旦那さんと結婚するということの方が、珍しいことだと思いました。でもその当時はきっと、あったことなんですよね。
文の時代から、悲しいことや耐え切れないことがあった時に、いつも陰ながら支えてくれたのは伊之助(大沢たかお)さんでした。大切な人たちを亡くした悲しみやつらさをこれまで共有してきたので、最後は一緒になって幸せになるといいなと思っています。
――将来の話になってきたところで伺いたいのですが、文は最初は家の中でとても大事な人で、次は藩の中で大事な人になっていき、それから後半は国にとっても大事な人になっていきます。そういう文を支えていたもの、文の中で変化していたものは何だと思いますか。
いろいろな人との出会いと別れがあり、命懸けで変えようとした景色を見られずに多くの仲間が志半ばで亡くなっていくわけですよね。それを自分が代わりになって見届けなければいけないという使命感なのかもしれません。
最初は、旦那さまを守っていくというところから、今度は奥に入って毛利家の新たなお世継ぎを守っていく、藩を守っていく…そして、これからは、新しい日本を作って、新しい日本人を育てていきたいというのが美和の志になっていく気がしています。
9月19日(土)に再放送される第37回『夫の忘れがたみ』では、鳥羽伏見の戦いが行われている京都へ、美和が夫の久坂玄瑞(東出昌大)の遺児を捜しにやって来る。一方、楫取(大沢たかお)は新しい日本を作るため、敬親(北大路欣也)に“版籍奉還”を進言する。
そして9月20日(日)放送の第38回『届かぬ思い』では、版籍奉還後の長州に生じた、藩と兵士の間の断絶が描かれる。激動の中でもがく登場人物の今後が注目される。
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