毎週火曜夜10時から放送中のドラマ「デザイナーベイビー―速水刑事、産休前の難事件―」(NHK総合)で、若手刑事・土橋福助を演じる渡辺大知にインタビューを敢行。
土橋は、主人公の妊婦刑事・速水(黒木メイサ)と共に、いくつもの謎が複雑に絡む新生児誘拐事件を追っている。
俳優のほか、ロックバンド・黒猫チェルシーのボーカルとしても知られている渡辺だが、11月14日(土)公開の映画「モーターズ」では監督デビューするなどクリエーターとしての顔も持ち合わせている。そんな彼が、土橋役に込めたこだわりを語った。
――まず、土橋福助の役どころを教えてください。
主人公・速水の相棒的な存在です。抜けているところもありますが、自分は若くして捜査一課に配属されたエリートだというプライドも持っています。一方、へまをするとすごく落ち込んだりして、捜査一課の中では一番感情の起伏が激しい人間だと思っています。
――刑事役ということですが、役作りのために過去の刑事ドラマを見るといったことはありましたか?
「デザイナーベイビー」はシリアスなドラマですが、自分の役柄も含めて、ちょっとコミカルに見てほしい部分もあります。全部見たわけではないので何となくですが、「24」のイメージですね。大変なことが起きているけど、時々ジョークも交えるアメリカのドラマの雰囲気は参考にしています。
――撮影前にはどんなふうに役作りをしましたか?
土橋は、その辺にいそうだけどインパクトもある感じ、刑事っぽく見えないやつをイメージして、天然パーマというかこのクルンクルンな髪形を監督に提案しました。メークさんには結構長い時間付き合ってもらって、「もっと丸っこいパーマに!」とかいろいろ試しましたね。
役作りの中でも髪形やひげはこだわります。ひげに関して言うと、「刑事だからひげをそる暇はないのではないか」とか「いや、でも土橋はひげが薄いタイプではないか」と、いろいろ考えました。そういった細かい部分も考えられる範囲で考えたいですね。考えれば考えるほど、その役を好きになれると思うので。
――今作に限らず撮影前には準備をしていくタイプですか?
先ほどの「24」もそうですけど、ざっくりとイメージを付ける程度ですかね。(参考になる作品を)見過ぎて影響されてしまうのが嫌なんです。映画やドラマを見たり、音楽を聴いたりというのは“日々やること”で、その中で「あの映画の、あの人の感じを使いたいな」と思い返すぐらいにしています。
――日頃から演技のために何かしていることはありますか?
自分はもともと映画が好きだったので、今もよく見ています。ただ、演技のために意識的に見るというより、好きだから見ているものが、結果として役立っているという形に近いです。一時期は「勉強のために映画を見なきゃ」と思って、一日何本とノルマを決めていたこともあるのですが、「本来、そう(何かのために見るようなもの)ではなかったじゃないか」と思ってやめました。
あとは、監督から「(役のために)これを見ておいてくれ」と言われたものは一応見ますが、「あまり参考にならないな」と思ったら途中で見るのをやめてしまいます。内緒ですけど(笑)。ちょっと格好よく言うと、肌で感じたものが大事なのかな。何となく見た映画でも「なんかいい」と記憶に残っていくようなものが大事で、それを現場でどれだけ出せるかだと思います。
――ここまで演じたシーンで印象に残っているところはありますか?
第4話(10月13日放送予定)では、捜査で山に行くシーンがあるのですが、実際に奥多摩でロケをしたんです。いい空気を吸って、マイナスイオンを浴びて、スタッフさんもいい雰囲気で撮影していました。外での撮影は解放感があって、すがすがしい気分になりますね。
――共演者の方についてもお聞かせください。主演の黒木メイサさんとは相棒として共に捜査に当たりますが、共演の印象はいかがでしたか?
年齢が意外と近いんですよ、確か黒木さんが2つ上くらいで(渡辺が25歳、黒木が27歳)。でも、そう思えないくらいしっかりされていて…。共演者やスタッフさんへの気の配り方が「大人だな」と思いますし、それでいて誰にもこびない感じは「男前だな」とも思います。
――捜査チームの男性メンバーとは、一緒のシーンも多いと思います。何か撮影の思い出はありますか?
捜査一課の皆さんとは、よくお話させてもらっています。先ほどお話しした奥多摩ロケでは、手塚とおるさん(捜査一課・西室義一役)と一緒に電車で帰ったんです。1時間半くらいかかりましたね(笑)。でも、演技の話やプライベートな話で盛り上がりました!
――10月6日(火)に第3話が放送となりますが、渡辺さんが思うこのドラマの見どころや、視聴者に注目してほしいポイントがあれば教えてください。
このドラマは、ただ一つの事件を解決していくという単純な話ではなくて、話が進むごとに雪だるま式に大きな話になっていきます。事件に関わる人間も増えますし、隠されていた計画も明らかになっていくので、そういうところを楽しんでほしいです。
また、ぶっとんだ怪演を見せる方ばかりなので、演技ももちろん見どころなのですが、カメラも新機材を投入してスピード感ある、かっこいい画を作っています。役者もスタッフも細部までこだわって仕事をしているので、細かいところまで見てもらえたらうれしいです!
――最後に、今後挑戦してみたい役があれば教えてください。
デビューのころから「ヤンキー役がやりたい」と言っているのですが、まだオファーは来ていないです。強いやつの後ろにくっついているような、弱っちいヤンキー役がやりたいんですよ。
自分の中にはないキャラクターなのですが、なにか気持ちが分かるというか…弱いけど威勢を張るというところが人間っぽくていいなと思います。
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