“冴羽リョウ”上川隆也「体脂肪率10%切りました」

2015/10/11 08:00 配信

ドラマ

10月11日(日)スタートのドラマ「エンジェル・ハート」で主演を務める上川隆也(C)NTV

10月11日(日)スタートのドラマ「エンジェル・ハート」(日本テレビ系)で、主人公の冴羽リョウを演じる上川隆也にインタビューを敢行。往年の人気漫画原作のこの話題作が放送される直前の心境などを前後編に分けてたっぷりと語ってもらった。

前編では、漫画そのものへの思い入れも強い上川なりの役へのアプローチについてや、役作りについて聞いた。(※冴羽リョウのリョウの字は「僚」の“にんべん”が“けものへん”)

――あらためて本作に起用されたご感想を教えてください。

またとない機会をいただきました。自分にどこまでできるのかも含め、この作品と出合ったことで、役者としての自分を見詰め直しています。撮影が始まって、今は毎日が新鮮です。

――具体的にどういうところを見直されているのですか?

メディアに役者として登用していただけることになったのは、「大地の子」('95年NHK総合)に出演させていただいたことが、何よりのきっかけです。その社会性の強い作品からドラマのキャリアが始まり、20年の月日を経て、いろいろな役を振っていただけるようになってきたのは、われながら面白いキャリアだと思います。

そして今、この年齢になって漫画の主人公を演じることができるというめぐり合わせが、僕の役者のキャリアに一つ加わりました。今回は特に、冴羽リョウのビジュアルイメージに自らを近づけるため、時間を設けることができました。それもまた役に近づく新しいパターンが得られる機会にめぐり会えたのだなと、撮影が始まってから再認識しました。

7月クールに放送された「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)が終わってからというもの、この作品のことを考えない日がありません。それはとても刺激的で楽しい作業です。こんなに精神的にも肉体的にもアクティブにいられることは、役者として本当に幸せだと思います。

――以前から漫画がお好きだと仰っていましたが、こちらもやはり読まれていましたよね?

ええ、「シティーハンター」から読んでいました。シティーハンターの冴羽リョウは、掲載されていたのが少年誌ということもありまして、やはり“少年漫画のヒーロー”という印象。当時はそれを演じたいという思いはなく、作品として純粋に楽しんでいた覚えがあります。

一方「エンジェル・ハート」は、また趣を変えて描かれた作品になっていたので、受け取り方が全く違いました。世代的にも冴羽リョウが年を重ね、40歳後半の人物設定。「シティーハンター」とはひと味違う彼の思いに、少し親近感を覚えながら読んでいました。

――この作品では、コメディーの要素もありつつ、家族愛や人間愛も描かれていますよね?

そうですね。人と人とのつながりを軸に置いて、出会いと別れ、生と死などを含めて物語として描こうとしています。それが北条司さんの新たな試みなのかなと思いながら読んでいました。同じ世界観の中で描かれている作品にしては、2つは全く方向性を異にする作品だなという印象を受けました。

――原作のビジュアルに近づくといいますと、トレーニングなどをされているのですか?

はい。「花咲舞―」のころは“プヨプヨ”してましたね(笑)。花咲は6月末ごろに撮影が終わってました。その後、別のドラマを撮りつつも、7月初頭から今作に向けてのトレーニングに時間を費やしました。

約2カ月間、フィットネスクラブにご協力いただき、トレーナーさんも付けていただいて、食事管理もしながら体を作りました。

――ビジュアルが変わることによって役に及ぼす影響はあるのでしょうか?

プロの方のお力添えを得て、冴羽に少しでも近づいた体になったことは、演じる上でも自分自身を支えるものになりますね。体作りのおかげで、カメラの前に冴羽リョウとして立つ引け目を少なからず減らすことができますし、どう振る舞うかの選択肢を、マイナス方向に思い悩むことなく現場に臨めているのは確かだと思います。

第1話に関しては、特にアクションシーンも多いんです。あるシーンでは、撮影のために2日間、とあるビルの3フロアを貸し切ってアクション撮影に臨みました。

でも、2日目を終えてもあまり疲れを感じずに過ごせたんです。それはトレーニングの効果なのかなと思いますし、目に見える形で成果がもたらされたケースの一つと思っています。

――ここまで体を鍛えたのは初めてですか?

初めてですね、ここまでのトレーニングをしたのは。筋肉と脂肪では筋肉の方が重いらしく、体重はさほど変わらなかったんですけど、おかげさまで体脂肪率は10%を切るところまでいきました。

――先ほどお話に出ました「花咲舞―」もそうでしたが、原作モノを演じる難しさはどういったところでしょうか?

ひとえに原作ありきといっても、原作の形態で演じる形は変わって行きますよね。「花咲舞―」は小説作品。“血肉”を持っていなかった花咲舞というキャラクターが、杏ちゃんという体を借りて、あのようにビジュアル化されていく。

今後、池井戸潤さんの手によって続編が書かれるとしても、多くの方にとって花咲舞は、杏ちゃんのビジュアルでイメージされるでしょう。一方「エンジェル・ハート」の冴羽リョウは、まず北条さんがお描きになった冴羽リョウが本物。

あのビジュアルイメージを基に、僕はそれを曲がりなりにもお借りして演じていくことになる訳です。それぞれ、アプローチのベクトルが全然違います。きっと原作の数だけドラマ化や映画化されるときのアプローチや、自分の演じ方は変わってしかるべきなのだと思います。

【“冴羽リョウ”上川隆也「相武さんはたおやかです」へ続く。同記事は10月11日(日)正午掲載予定】