「無痛~診える眼~」キーマンを演じる中村蒼を直撃!

2015/10/14 10:00 配信

ドラマ

「無痛~診える眼~」で物語の鍵を握る伊原忠輝を演じる中村蒼

フジテレビ系で放送中の西島秀俊主演ドラマ「無痛~診える眼~」(毎週水曜夜10:00-10:54)で、先天性の無痛症で無毛症の男性・伊原忠輝を演じる中村蒼にインタビューを敢行! 数多くの作品に出演してきた中でも、これまでにないキャラクターを演じる中村が感じた役作りの難しさや今作に懸ける思いを聞いた。

――今回、演じられる伊原は、先天性の無痛症で無毛症という役ですが、この役が決まったときの心境をお聞かせください。

最初は見た目のことを聞いて驚いたんですけど、でも(キャラクターとしては)今まで演じてきた役とは真逆で、真逆の役をやってみたいと思っていたので、うれしかったです。演じる難しさはありますけど、伊原は謎な部分が多いので僕も今後どういうふうになっていくのか、楽しみにしています。

――実際に演じてみていかがですか?

恐怖や精神面の痛さや(つらさ)も感じないという設定なので、ちょっとしたことでも一つ一つ確認して(演じて)いかないと無痛症という病気をちゃんと表現できなくなってしまうので、丁寧にやってくことが大変ですね。それに伊原はあまりしゃべらないし、表情が豊かではないので、まだつかめていない部分もあります。でも白神先生(伊藤英明)を尊敬したり、高島先生(石橋杏奈)に恋心を抱いたり、演じていく中で伊原の人間らしい部分も発見できたので、やり応えも感じています。

――プロデューサーや監督からは、どんなアドバイスがありましたか?

白神先生とのシーンが多いのですが、伊原は白神先生を尊敬のまなざしで見ているし、憧れの存在でもあって。でもすごく敏感な部分も持っているので、一つ一つの演技を「こういう表情にしよう」とか相談しながらやっています。でも監督から、「見た目がインパクトあるから、立ってるだけでいいよな(笑)」とかひどいこと言われてます(笑)。

――原作は読まれましたか?

最初は「この役を自分がやるのか」って思いながら読んでいました。痛みを感じない、痛みを知らないから、人が痛い目(心的にも外的にも)に遭っていても、それをかわいそうと思えないっていう、そこをどう演じてたらいいのかなって思いました。

――今までと真逆の役をやりたいとおっしゃっていましたが、それはどうしてですか?

毎回(自分の)イメージを壊せたらいいなと思っているので、この役は(これまでの)イメージを壊せそうな役だったので、この役を演じられてとても光栄に思っています。

――役作りはどんなふうにされましたか?

この病気について調べたり、本を読んだり、作品も見ました。ただ、こういうところが役に立ったというよりは、演じてみて分かることが多いですね。熱さや痛みを感じないっていうのは、今でも想像しづらいんですけど、でも高島先生のことを純粋に好きで、目が合ったら恥ずかしくなってしまう“初めて恋する感じ”で、そういう人間らしいところもたくさんあるし。僕は応援したくなりますね。

あと、外見的なことで言うと、顔色をメークで白くしているので、なるべく肌が焼けないようにしているのと、ジムに通ってトレーニングをしています。これで(鍛えた体を)見せる機会がなかったら、なんの意味もないですけどね(笑)。

――この作品に限らず、撮影現場にはどんな状態で行かれますか?

今回はいろいろ調べてから行きました。無痛症の方というより、無痛症の方を育てた親御さんの本を読んで、大変だったこととか、ある程度の知識は入れていきました。でも現場で言われたら変えられるように、頭に入れていくと言っても7割くらいです。調べておかないと分からないものは調べて行きますけど、でもあまり頭でっかちにならない方がいい作品もあるので、作品によりますね。

――撮影現場は、どんな雰囲気なんですか?

西島さんは本当に優しくて、撮影現場で誰よりも監督と話しています。為頼先生(西島秀俊)とこの作品に対して、愛を持って向き合っているんだなって思います。

英明さんは、「(伊原のことを)難しい役だよな、考えようによってはいろんなことができるけど、いろんなことが制限されて、でも一番目立つ役でおいしいよな(笑)」っておっしゃってます。あと、「こういうふうにしたら面白いんじゃない」とか作品について、よく話しています。

石橋さんとは2度目の共演なんですけど、いい意味ですごく真面目な方だなって印象です。

――伊原役のスイッチはどこで入るんですか?

現場に入って、メークをして衣装も着ていろんな力を借りて、徐々に入っていく感じですね。

――伊原を演じることについて、周りの方の反響はいかがですか?

みんな驚いているんですけど、特に母が驚いていました。自分では(スキンヘッドにすることが)嫌ってことはなかったんですけど、ある程度の覚悟は必要でしたね。初めてのことですし(笑)。

――演じるために普段から何かされていることはありますか?

映画は好きで見ますけど、勉強のためというよりは好きな作品を見るというか。以前、勉強のために見ていたことがあるんですけど、全然覚えてなくて(笑)。あと、意識して“人間観察”をしているわけではないんですけど、街で泣いている人や、怒っている人を見ると、自然と見ていることはありますね。

――これまでもさまざまな役に挑戦されたと思いますが、今後どのような役に挑戦されたいですか?

この役が特殊な役なので、こういう役っていうのは今は想像がつかないんですけど、髪の毛のある役をやりたいです(笑)。(今回の役とさらに真逆の役で)イケメンの大学生とかをやってみたいですね(笑)。

――最後に見どころをお聞かせください。

医療ドラマであり、刑事ドラマであり、サスペンスの要素もあるというドラマなんですけど、伊原も含めて皆さんのキャラクターが濃いので、笑えるシーンやほっこりするシーンもあって、そういうところも楽しんでもらえたらなって思います。

伊原は、為頼先生と出会って変わっていくと思うんですけど、どんなふうに変わっていくのか、一人の人間としてどんなふうに成長していくのかっていうところに注目してほしいと思います!