世界で唯一の教育コンテンツの国際コンクール「日本賞」は、'65年の創設からことし50年を迎えた。55の国と地域から339作品がエントリーし、10月22日には世界各国から最終候補者が競い合い部門最優秀賞やグランプリが発表された。
会場には各国の審査委員に加え皇太子殿下やNHK会長・籾井勝人氏も出席した。
50年という節目となった第42回「日本賞」のグランプリは、オランダ・ファミリーフィルム&テレビの作品「キミの心の“ブラック・ピーター”」が獲得。
受賞したファティア・アブディ氏は「私たちは人種差別という困難な主題に体当たりで取り組み、心の中に潜む偏見を自覚することの重要さを作品の中で提示しました。ヨーロッパを越えて世界の人々の心に届いたことに感激しています。」と作品に込めた真意を語った。
また、'07年以来、2度目の司会に抜てきされた木村佳乃は、「グランプリ作品は、人々の心の奥底にある意識を探る作品で、ぜひじっくり見てみたいです。そして見た後、自分がどう変わるかが興味深いです」と授賞式後は作品に対する思いを示した。
さらに日本と海外の教育の違いについて問われると「私も二児の母親ですが、子供たちにさまざまな機会を与えて可能性を広げたいという気持ちは国を超えて全ての親たちの共通の願いだと思います。ただ日本は人種差別に触れる機会も少ないですが、今回の作品からまだ海外では差別が切実な問題であることが見て取れました」と海外で育った経験を踏まえ、教育コンテンツの発展における親としての心境を明かした。
第42回 日本賞の各部門の受賞は以下の通り。
■グランプリ日本賞「キミの心の“ブラック・ピーター”」(オランダ)
■幼児向けカテゴリー最優秀賞「デザイン あ」(日本)
■児童向けカテゴリー最優秀賞「市長室に乗り込め!」(台湾)
■少年向けカテゴリー最優秀賞「独裁者の部屋」(スウェーデン)
■一般向けカテゴリー最優秀賞「キミの心の“ブラック・ピーター”」(オランダ)
50年目を迎えた「日本賞」の1週間を追った様子は、11月14日(土)に「ドキュメント 日本賞の一週間」(NHK Eテレ)として放送される。最終候補者たちのプレゼンテーションや、審査員たちの議論をドキュメンタリーで味わえる。
世界から発信される映像に触れ、未来の教育コンテンツを考えよう。
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