日本テレビ系で‘15年7~9月にかけて放送された「デスノート」で、夜神月(やがみ・らいと)役を演じた窪田正孝が、第86回ザテレビジョン ドラマアカデミー賞において最優秀主演男優賞を獲得した。人気原作とあって、ドラマ化が発表された当初から常に話題の中心にあった本作。プレッシャーと闘いながらも、3カ月間、「月」と「キラ」という2面性を持った役どころを演じきった窪田の思いを聞いた。
――最優秀男優賞に選出させていただきました。窪田さんにとって、ドラマ「デスノート」はどのような作品になりましたでしょうか?
ありがとうございます。自分の中でも大きな役で、大きな作品であって、役を取り入れるというよりは役にぶつかっていくという感じでした。自分の中のイメージが強いからこそ、壊していきたいって思ったというか。やっぱり見る人がどう受け取るか分からないけれど、これがドラマ版の「デスノート」だって胸を張って言える作品になったと思っています。共演者のみなさん、スタッフさんのおかげで、一生忘れない現場になりました。
――圧倒的な人気の原作をドラマ版で主演、というプレッシャーは?
ここまでプレッシャーがあった作品は過去にないですね。
――ドラマでの新しい世界観・要素もありつつ、演じていくのはいかがでしたか?
原作の中にある名シーンにどうやっていきついていくかという過程がドラマでは違うので、必然的に原作の名シーンは変わる部分もありましたし、でもそれが後半はすごく楽しめた部分がありましたね。いい意味で開き直るというか。ある種考えたら負けだなという風に思ってたところもありましたし、これはこれでいいんだっていう風に余計なことは省いて、やっていたところもありますね。
――後半は怖いくらいに鬼気迫る演技でしたが、この3カ月間は苦しくなかったですか?
にらむことは慣れましたね(笑)。月は心優しい青年っていう、普通のところから、次第にとり込まれていって最終的にはキラになるいう答えがあったので、2面性が伝わればいいなって思っていました。なので、「怖い」と言ってくださるのはすごくうれしいですね。死神のリュークがこわいなあとか、ホラーというか、ある種そういう感覚を持ってくださることの方がうれしかったですね。彼はその人を殺めることによって、人生の美しさだったりを得ていたから、それは普通に考えたらおかしいし、本人だって分かっているけれど、それでも貫き通したい正義だった。という、本当にベタなダークヒーロだったんですよね。
――そんなドラマの撮影現場はどんな雰囲気だったのですか?
現場は和気あいあいで、すごく楽しかったですよ。画面に映っている人間は役者だけだけど、その周りでは、いろんなスタッフさんに支えられて、共演者の皆さんも楽しめる方向に空気を作ってくださって。あと、「何でシャワーシーン? 家に帰って浴びればいいのに(笑)」とかプロデューサーに笑いながらツッコんでみたり、思ったことは自分の中だけで消化せず、アイデア出していく現場だったので、本当に楽しかったですね。
――クランクアップで男泣き…という記事も書かせていただきましたが
泣いてないですよ(笑)。泣きそうにはなりましたけど。でも、ほっとした、という気持ちではなかったですね。何だろう…。自分の中で、背負ってきた部分だったり、背負わなきゃいけないと勝手に思っていた部分があって、プレッシャーが強かった作品だったので、それが抜けた時の寂しさが強かったですね。
――最後にファンのみなさんに一言お願いします
最初は、イメージが違うという意見もあったり、いろんな意見があって当たり前だと思います。でも、それがあったからこそ、みんなが一つの方向に向かって作っていけたのだと思いますし、みんなでとった賞だと思っています。応援ありがとうございました。
※10月28日(水)発売の「週刊ザテレビジョン」44号にて、第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の結果を発表。最優秀作品賞など他部門を受賞した俳優、スタッフの受賞コメントも掲載中。また、ザテレビジョン公式サイト「Smartザテレビジョン」でも結果を確認できます。窪田正孝のSmartザテレビジョン限定動画も公開中。
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