松尾スズキが作・演出する日本総合悲劇協会(ニッソーヒ)による、ことし6月に上演された新作「不倫探偵~最期の過ち~」がWOWOWライブで10月31日(土)に放送される。
'04年の「ドライブイン カリフォルニア」再演以来、11年ぶり5回目となる今回の公演。松尾の一人芝居「生きちゃってどうすんだ」('12年上演)以来演劇2作目となる天久聖一とのタッグも見どころの一つ。
放送を前に、共同で作・演出を手掛けた松尾と天久がインタビューに応じた。
本作は、欲望の街・ネイキッドシティで探偵事務所を構える罪十郎(松尾)が、依頼された浮気調査の対象者が殺されたことから、その事件の真相を探るために動き出すストーリー。
罪十郎の相棒として事件を探る刑事・赤星乱を片桐はいり、殺人事件現場から逃走するホテトル嬢のキャンディを二階堂ふみが演じる。そのほか個性豊かなキャラクターには、伊勢志摩、皆川猿時、村杉蝉之介、近藤公園、平岩紙など松尾が主宰する「大人計画」のメンバーがそろう。
本作の共同作業について、松尾は「天久さんとは、根っこにある何かの価値観を共有しているからできる、というのはある」。天久は「松尾さんとやる方が自由に書ける。松尾さんに読んでもらうならもっとぶっ飛んでもいいかなって(笑)。1人で書くより逆に幅が広がります」と相性の良さをアピール。
松尾の「昔の無国籍な邦画や、ハードボイルドな世界観で探偵ものをやったら面白いんじゃないか」という発想から誕生した本作。そこから「松尾さんに白いスーツ姿の探偵をやってもらいたいなと思った」(天久)と構想が膨らんでいったという。
ゲスト女優の片桐の抜てきについて、天久は「松尾さんとバディものをやったら間違いないと思った。年齢と身長が同じという二人の濃密な絡みはなかなか面白い」と振り返る。
また、二階堂について「『熱海の捜査官』('10年テレビ朝日系)で共演したときは16歳で、いま(二階堂は)20歳ですからね。大竹しのぶさんみたいな声出すんですよ。恐ろしい(笑)」(松尾)、「既に日本を代表する女優さんですから『とにかくヒドイことをさせなきゃ』っていう責任感がありました。かわいさが凶器な感じ。知的なんですけど、動物的なエネルギーもある」(天久)と二階堂を評した。
さらに天久は、膝に車輪をつけた警察犬役の皆川や、罪十郎に調査を依頼する人妻・麻里役の平岩たちの演技にも賛辞を贈りながら「漫画的に展開が早いので、普通の舞台中継とはちょっと違う感じに見ることができるのでは」と、テレビ放送の楽しみ方をレクチャー。
最後に、松尾は「また何かやりたい」と今後も天久との共同制作があることを示唆。天久も「また罪十郎で何かできたら面白いですね。シリーズが続いて、最終的には『パチンコ 不倫探偵』になるまで(笑)」とコメントした。
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