11月13日(金)にHuluとJ:COMで配信されるオリジナルドラマ「フジコ」(全6話)で、若かりし頃のフジコとその恋人・裕也を演じる郭智博、小野花梨にインタビューを行った。
同作は、映像化不可能と言われた真梨幸子のベストセラー「殺人鬼フジコの衝動」(徳間文庫刊)を、尾野真千子を主演に迎え映像化したもの。生涯で十数人もの人を殺した殺人鬼フジコの生涯を描く。
今回、郭と小野に「意外と楽しかった」というバラバラ殺人シーンなどの撮影エピソードや、お互いの印象、作品の感想などを語ってもらった。
――まずは撮影を終えられて、率直な感想を教えてください。
郭:前に原作を読んでいてやってみたいと思っていた役だったので、この話が来たときは「めぐり合わせだな」と思いました。張り切って撮影させていただきました。
小野:最初、殺人鬼の気持ちは分からないだろうなと思っていたのですが、台本を読んでいくうち、フジコのやっていることはめちゃくちゃだけど、どこかかわいそうで、守ってあげたくなるような感覚が芽生えてきました。
その気持ちが大きくなるにつれ、演じた私くらいは(フジコを)好きでいてあげたいと思いながら、大切に演じました。
――お互いの印象を教えてください。
小野:本当に郭さんは…とっても優しい方です(笑)。いつもFRISKを持ち歩いていて、ちょっと口寂しくなると、「花梨ちゃんFRISKいる?」って言ってくださったり(笑)。そういうすてきな方です。
――それは口臭が気になるのですか?(笑)
小野:あっはっは。そういうことじゃないですよね!?(笑)
郭:そういう訳じゃないんですけど(笑)。高校のときからずっと好きでいつも食べていたんですよ。
――反対に郭さん、小野さんの印象はどうですか?
郭:小野さんはすごく純粋なお芝居をなさる方だなと思っていました。ピュアと言いますか、純粋に芝居に取り組まれている姿が印象的です。
――それぞれ演じた役に共感できるところは?
小野:フジコは実は愛の深い人だと思うんです。あんなに最低な(郭演じる)裕也くんを好きになるんですから。そこは共感できない部分で、私は裕也くんのどこがいいんだろう?ってずっと思っていました。ただ、好きになった裕也くんをいちずに思い続けるところは、フジコのすてきな部分だと思います。
郭:僕は、裕也の“ろくでなし”なところが好きです。だって、こんなに思ってくれるフジコがいるのに、フジコの友達といい関係になるんですから(笑)。自分の友達にいたらイヤですけど、キャラクター的には面白い人だなと思います。
共感するのは難しいけど、ある意味、裕也は素直過ぎる人。この作品の中では、人間味がある方なのかなという気がしなくもないですが、ちょっとイヤな奴ですよね(笑)。
反対にフジコに関しては原作よりも感情移入しやすいです。個人的に原作より人間らしさがある気がするので、そこは原作と比べてみてほしいです。
――お二人でバラバラ殺人の共同作業をされたと思うんですけど、あのシーンはどうでしたか?
郭:あれは寒天や豚の骨を使って撮影したのですが、寒天は気持ち良かったですね(笑)。
小野:パッと見、エグかったんですけど、意外と気持ち悪くはなりませんでした。あのとき、郭さんはずっと寒天をつぶして、指の間からぐちゃぐちゃって出して遊んでいましたよ(笑)。
郭:最初は寒天の塊だったんですけど、どんどん小さくなっていってしまいました(笑)。
小野:山のように積んであったのに、郭さんがどんどん楽しそうにつぶしていくから、液体みたいになってしまって。美術さんも「あれ? おかしいなあ、こんな形だったっけ?」って、不思議がっていました。
そして、新しいのを持ってきてもらって(笑)。ずっと「それ郭さんがやったんです!」って言いたかったんですけど、言えなくて…。
郭:え~! 花梨ちゃんもやったでしょ?
小野:いやいやいや! 少しはやりましたけど、割合的には2:8くらいですよ!(笑) 二人の共同作業で液体にして美術さんに迷惑をかけちゃいましたが、楽しかったです(笑)。
郭:裕也は吐いちゃっていましたが、不思議と楽しかったね。でも、現場に髪の毛があったんですが、あれは気持ち悪かったです。
――お二人とも全話見られたそうですが、全話通しての感想はどうですか?
小野:まだ1回ずつしか見られていないんですけど…やっぱり客観視できないですね。つらくて凝視できない部分もありますから。あと、私はベッドシーンが初めてだったのですが、今後に生かそうと思ってちゃんと見ようと。でも、いざ見たら嫌だなあ…と思ってしまいました。そこは恥ずかしかったですが、勉強になりました。
郭:自分のお芝居に関しては反省点が多いですが、作品全体としてはすごく面白かったです。DVDをもらって、全部一気に見ちゃいましたから。音楽もすごくいいですし、過激な描写も地上波ではできないようなところまで描かれているので、とても見応えがありました。
【「フジコ」小野花梨『普通の女子高校生役をやりたい』 へ続く。同記事は11月14日(土)朝6時掲載予定】
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