日本をはじめ、韓国、タイ、台湾で世界同時配信され、映像配信サービス「dTV」にて日本独占配信中のドラマ「シークレット・メッセージ」で、ダブル主演を務めている上野樹里とT.O.P from BIGBANG チェ・スンヒョン(以下チェ・スンヒョン)に、同作の見どころをそれぞれ語ってもらった後編。
――今作品のように、顔も分からない相手とLINEのやりとりだけで恋に発展するようなことはある?
上野:実際に相手がどういう顔をしてメッセージを打っているのか、本当に相手は実在する人物なのか、これは全部うそなのかもしれないって思ったり…普通ではあり得ないと思うんです。
だけど、日本人のハルカは韓国、かたや韓国人のウヒョンは日本という、運命的な感じであったり、タイミングであったり、二人が模索しているテーマだったりがとても近いので、もしかしたらそこから恋に発展する可能性もあり得るのかもしれないですね。
チェ・スンヒョン:自分も同じ状況に置かれたら、きっとこう成り得るだろうなと考えました。男女の関係というのは、寂しい気持ちでいるときに何げない会話をすることで気持ちが慰められ、その存在が友達から恋人に変化することがあると思います。特に男は単純な生き物なので、女性よりそういった可能性が大きいんじゃないかと思います。
――作品の見どころは?
チェ・スンヒョン:このドラマは単純なラブロマンスではなく、時にはコミカルに細やかな二人のかわいらしいやりとりがあると思えば、時にはホラーチックに、時には感動的になど、いろんなシーンが見られるので皆さんに楽しんで見てもらえるんじゃないかと思います。
上野:今作はCMなどを撮影しているクリエーティブチームが携わっていて。お芝居を演出してきた方とは違った美しい映像の切り取り方であったり、同じ登場人物でもホラーチックになっていたり、コミカルになっていたり、何話かによって全く感じ方が違ってくると思うんです。
1話約20分なんですけど、PV風にずっと走っている画を撮っていたり、すごく繊細な心情はシルエットで撮ったり、普通のドラマでは見られないいろんな映像の遊び心が入っています。
また、監督も一人ではないので、それぞれの監督の個性が際立ったテイストを楽しんでいただけると思います。携帯の電波が入るところであれば何回も見られますし、ベッドに横たわりながらでも見られますし、いつでもどこでもどんな体勢でも(笑)、気軽な気持ちで楽しんでいただけたらうれしいです。
チェ・スンヒョン:誰もがリラックスして楽しめるコンテンツで、僕自身そういったコンテンツを待っていたと思います。また僕は個人的に日本でも放送された「IRIS」('09年韓国、'10年TBS系)というドラマ以降、ずっと映画に参加してきたので、ドラマに出演するのは7年ぶりになるんです。
もちろんその間、韓国のドラマに出ていなかったのは、スケジュール的なものもあるのですが、オファーがあっても僕がその内容になかなか引かれなかったというのも事実です。
でも、今回の作品はWEBドラマということで、これからどれぐらいこの市場が大きくなっていくのかというところに興味もありましたし、台本を読んだときに、何より自分自身が入り込めた、ウェルメイドドラマになったので、ぜひ多くの方にたくさん愛してほしいと思います。
上野:回を追うごとにどんどん面白くなっていきます! 後半に、ウヒョンを思って涙を流したり、「LINEきてないかな」って何度も見返してみたり…本当にニュートラルな状態で演じているので、ハルカの素顔をそのまま映し出したドキュメンタリーのような感覚で皆みなさんに見ていただけたらうれしいです。人って、ふいに口さみしくなる瞬間があると思うのですが、このドラマを通じて、一人で誰とも共有できない時間や気持ちを私たちと一緒に共有してもらえたらと思います。
――今作を機に、よりグローバルな活動が期待されるが、今後の計画は?
チェ・スンヒョン:何の計画もありません(笑)。音楽的にいろんなことを見せたり、また演技を通していろんな作品に参加すること、それは全て運命的な出会いなんじゃないかと思います。
上野:まさに同じです。私が望んでということではなく、作り手側から「一緒にやりませんか?」ということをいただいて、初めてお仕事として成立すると思うんです。それは日本でも海外でも同じことで、こういうことをやりたいなと思っていたこと、何年も前に動いていたことが、ちょうどいいタイミングで形になったり、これって本当に縁だといつも思うんです。
チェ・スンヒョン:自分でこういう作品に参加したいと思っても時間的なタイミングで合わないかもしれないし、そもそも他の人にオファーがいってしまうかもしれない。逆に「こういうことやってみませんか?」と言われても自分自身の興味が向かないかもしれない。
BIGBANGというチームでも“これぐらい大きくなりたいから、こういう計画で、こういう欲を持って”というふうにやってきていないので、自分の中で仕事というのは、常に予想のつかないものという印象が強いんです。
自分で野望を持ってできるものではなく、運命かのようにその流れに流されていけば、時としてすごくいいことがくるかもしれないし、あるいは苦難にぶち当たってしまうかもしれない。ただその時々に目の前に降りてきたものに、自分は正面からぶつかっていくというやり方でこれまできたので、これからもそういうやり方でいくと思います。
上野:“つかみにいくというよりは、授かるもの”だと思うんです。今までも時代に沿ったものづくりに携われていると自負していますし、常に生というか、今できることを一生懸命やっていく。それをただ繰り返していく感じだと思います。そして、奉仕する精神といいますか、今はどんな形であれ、人のためになることをやるのが一番やりがいのあることだと感じています。
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