アニメ“Fになる”神戸守監督の各話コメント紹介

2015/11/19 16:00 配信

アニメ

アニメ「すべてがFになるTHE PERFECT INSIDER」の神戸守監督による第1話からのコメントを紹介(C)森博嗣・講談社/「すべてがFになる」製作委員会

フジテレビより順次放送中のアニメ「すべてがFになるTHE PERFECT INSIDER」(毎週木曜夜0:55-1:25ほか)が、11月19日(木)の放送で第7話を迎える。

今回は、本作ならではの映像演出について神戸守監督による各話のコメントが到着。またYouTubeでは、これまでの放送を振り返るダイジェスト映像が、第7話「灰色の境界」の先行映像を加えて公開されている。

これまで見たことがない人も、毎週欠かさず見てきた人も楽しめるように、初回から第6話までの振り返りとともに、第7話「灰色の境界」の先行カットを紹介する。

【第1話「白い面会」/10月8日放送】

四季と萌絵のホワイトルームでの面会シーンと、ファミレスでの会話シーンは、「音」ではなく「映像」でメトロノームのように一定のリズムを刻むチャレンジをしました。同じものを繰り返して見せた方が、そう見えやすいのではないかと考え、同ポジションのカットを呼応させています。

【第2話「蒼色の邂逅」/10月15日放送】

四季が新堂に手を重ねてくるシーンがありますが、手を離すときにわざと指を1本残すようにしているんですよね。そこがエロティックに見えるポイントだと思います。また、ウエディングドレスの遺体登場シーンでは「明」と「闇」を一定のテンポで繰り返して見せる演出を入れました。

【第3話「赤い魔法」/10月22日放送】

未来の登場シーンが気に入っています。新キャラクターの登場なので、普通だと音楽なり効果音をつけてドンと登場させるところを、あえて音楽も使わず、ただ未来が出て来て萌絵が見入ってしまうという描き方をしています。

【第4話「虹色の過去」/10月29日放送】

四季の他人格との会話は、お風呂場の鏡越しに自分の中の人格と語り合わせることにしました。鏡ってすごく不思議だなと思うんです。鏡に映った自分を見て、別人に見えることってありませんか? これ本当に自分なのかな?と思う、そんな効果を狙って鏡を使ってみました。

【第5話「銀色の希望」/11月5日放送】

Bパートの犀川と萌絵の口論を長尺で見せるシーンは、これまでと同じく、一定テンポで同じポジションを繰り返す演出を取り入れています。それを長尺で見せるという非常に難しいシーンで、絵コンテを担当してくださった工藤さんも苦労されていたようです。結果、こちらの意図を酌み取ってくださって感謝しています。

【第6話「真紅の決意」/11月12日放送】

これまでの事件を萌絵と犀川の視点で「説明」するシーンは、「すべてがFになる」の中で最も親切なシーンだと思います。しかしシリーズ全体では、極力「説明」することをやめました。それによって弊害もあるのは理解しているのですが、原作を読んだ際に、この物語のテーマは「考える」だと私は思いました。

【第7話「灰色の境界」/11月19日放送】

7章ではBパートのあるシーンで、このシーンだけのために川井さんが書き下ろした楽曲が流れます。これにはある事情がありまして。川井さんに全曲納品していただき、ダビングもある程度進んだある日に、ふと気が付いたのです。「7章で明るく楽しいシーンがあるけれど、川井さんに納品いただいた音楽は全てシリアスで重厚だと。そこで川井さんに相談したところ短い日程でこのシーンに合わせた音楽を書き下ろしてくださいました。そんなとてもぜいたくなシーンです。

■第7話「灰色の境界」あらすじ:新藤は四季の妹である未来をヘリで研究所に連れてきた。未来に質問をする犀川は、幼少期から変わらない特異な四季の思考の一端に触れていた。一方、萌絵は研究所スタッフの島田の手引きで脳内イメージに入れるバーチャル装置を体験中に、“謎の声”からの質問で自ら封印していた自身の過去と向き合っていた。

なお第7話は、フジテレビでは11月19日(木)深夜1時からオンエアされる。