“まろ”の愛称でファンから愛されているアンジュルムの福田花音が11月29日、東京・日本武道館公演でアンジュルム及びハロー!プロジェクトを卒業。ここでは、福田のコメントを紹介する。
■福田花音コメント
ハロプロエッグに加入してからの11年間、ずっと私を応援してくださった方、途中から私を応援してくださった方、途中で“推し変”しちゃった方、私のファンではない方、きょうはいろんな人が集まってくれていると思います。芸能界のことなんて何も分からないけど、ハロー!プロジェクトが大好きで、ハロー!プロジェクトのアイドルになりたくてオーディションを受けた11年前は、こんなにすてきな景色を見られる日が来るとは夢にも思いませんでした。
卒業を発表してからきょうまでの6カ月間、「不安はありません」「悔いはありません」と強がりをいっぱい言ってきたけど、正直めちゃくちゃ寂しいです。握手会で「きょうで、まろに会えるのは最後になっちゃいます」と言われるたびに、じわじわと卒業を実感して、1人でジーンときていました。アイドルはファンの皆さんにパフォーマンスで元気を与えたり、背中を押したりするのが役目だと思うけど、私にはそんなすごい事はできていなかったと思います。
振り返ってみれば、ファンの皆さんに元気をもらったり、時には塩対応で振り回したり、「釣った魚には餌をやらないタイプだね」なんて言われることがあったり。好き勝手やらせていただいてきて、ある意味ハロー!プロジェクトの歴史を変えちゃったと思いますが、とにかくこの11年間の毎日が楽しくて仕方なかったっていうことだけは胸を張って言うことができます。こんなにすてきな11年間を過ごさせてくださったスタッフの皆さんにも、本当にありがとうございます。
もちろん、つらい事もいっぱいありました。私は弱みを人に見せるのが苦手なタイプで、本気の悩みは誰にも話したことがなくて、1人で抱えきれなくなって、急にあふれて泣き出しちゃったりしたこともあったり。特に初期メンバーの卒業、新メンバーの加入の時期はめまぐるしく変わっていく周りの環境に付いていくのに必至で、勝手に孤独を感じることもありました。
でも、そんな時に私を支えてくれたのはアンジュルムのメンバーでした。メンバーといるとすごく楽しくて、とても居心地のいいグループだなって心から思いました。メンバーとあまりうまくいかないとき、ぶつかり合ったとき、楽しい時間はもう戻ってこないのかなって不安になったこともありました。でも、そんな不安もすぐに消えて、またみんなといつもどおり、くだらない事で大はしゃぎできたときは内心とってもうれしかったです。
3期メンバーとは1年ちょっとしか一緒にいられなかったけど、とても濃厚な1年間でした。3人とも妹みたいにかわいくて、めちゃくちゃパワフルで。時には厳しい事を言ったこともあったけれど、3期のみんながアンジュルムの活動を心から楽しんでくれている姿を見るたびに、私まで幸せな気持ちになれました。ありがとう。
そして、2期メンバーは私にとって初めてできたグループの後輩。私を大きく変えてくれた存在でもあります。2期メンバーは入ったばかりのとき、すごく大変な事がいっぱいあったと思います。悩んでいる4人をそばで見ていたのに、何も力になれなくてごめんね。4人がいつも明るく話し掛けてくれたり、3人にイジられまくるタケ(竹内朱莉)を見たり、4人を見ているだけで、こっちまで楽しい気分になりました。
お客さんが全然入らなったライブやイベント、なかなかできなかったツアー、いろんな事を一緒に乗り越えていくうちにどんどん頼もしくなっていく4人は、私から見てもとても格好良かったです。今ではすっかり3期のいいお姉さんになっていて、成長したなっていつも思ってます。これからは後輩の面倒ももちろんだけど、2期メンバーのことが大好きなリーダーのことも支えてあげてね。
そして、ずっと一緒に活動してきた和田彩花。あやちょのこと最初は正直、なんでこんなにヒョロヒョロしてる頼りなさそうな子がリーダーなんだろうって思いました。目立ちたがり屋だった私は、目立つ仕事がいっぱい回ってくるリーダーがうらやましいなって思ったりすることもあったけど、絶対に私にはリーダーなんて務まるはずがなかったなって今になってすごく思います。アンジュルムのリーダーは、あやちょにしかできないなと思います。
あやちょと私は磁石のNとS、真逆なんだけどなぜか一緒にいると落ち着いたり、しっくりきたりします。一緒に過ごした11年間、本当にいろんな苦楽を共にしてきましたね。分からない事だらけのデビュー当時の思い出が、昨日のことのように鮮明によみがえります。4人でスマイレージとして華々し過ぎるほど華々しいデビューをしたとき、まさかこの2人が最後まで残るとは思っていませんでした。そして、こんなにも波瀾(はらん)万丈のアイドル人生を送ることも想像できないくらい、華やかなスタートを切らせていただいたよね。毎日マネジャーさんに怒られて、ワンワン泣いていたよね。初期メンバーの2人が卒業しちゃったとき、2人でスマイレージを守っていこうねって言った約束は果たせたんじゃないかなと思っています。
2人でスマイレージを守り続けてきて、2期メンバーにしっかり継承できて、3期のみんなが加入してアンジュルムとして再始動して、今とっても勢いのあるアンジュルム。このグループを去るという寂しさはありますが、不安は全くありません。みんななら、どんな困難も絶対に乗り越えられるし、何って言ったってどん底を経験したメンバーが5人もいるんだから、怖いものなしで突っ走っていけると思います。
これからはみんなとは違う道に進んでしまうけれど、作詞家を目指すと宣言した以上は後ろを振り返らず、しっかり前だけ見て進んで行って、いつかアンジュルムが大ブレイクするときのヒット曲を作詞家・福田花音が書かせていただけていたら幸せだなと思います。いや、絶対かなえてみせます!
明日からは11年前と同じハロー!プロジェクトのファンに戻って、アンジュルムを“箱推し”していこうと思います。みんな、これからも大変な事はあるだろうけど、みんならしく頑張ってね。私も頑張ります。
福田花音に愛情を持って携わってくださった皆さま、今まで本当に、本当にありがとうございました。
2015年11月29日 アンジュルム、スマイレージ初期メンバー・福田花音
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