「コウノドリ」四宮役・星野源が見据える最終話とは

2015/12/12 08:00 配信

ドラマ

ドラマ「コウノドリ」(TBS系、金曜夜10:00-10:54)で、産科医・四宮春樹を演じる星野源を直撃! (C)TBS

毎週金曜に放送中のドラマ「コウノドリ」(TBS系)で、サクラ(綾野剛)の同期産科医・四宮春樹を演じる星野源にインタビューを敢行。

最終話(12月18日(金))の放送を間近に控え、“人情派”なサクラとは対照的に“理論派”の四宮を演じてきた手応えやあらためてドラマの魅力などを語ってもらった。

――これまで四宮を演じられてみていかがでしょうか?

原作の四宮ははじめからキャラクターが出来上がっていて、最後まで変わらないイメージがあったのですが、脚本の(山本)むつみさんが描く四宮は、ドラマの中で少しずつ変化しているんです。僕自身も演じると決まった時に、漫画の雰囲気はありつつも、実際の人間として四宮がドラマを通して葛藤している姿が見せられたらいいなと思っていました。

第1話、2話の冷たい雰囲気は、彼がコミュニケーションを放棄しているというか、そもそも少し病んでしまっているため劇中では微妙に浮いている存在にしたくて。四宮の過去が明らかになった第3話(10月30日)で、手術中にサクラから「5年前の患者とは違うよ!」と言われ、ほんの少しだけガス抜きされて心を取り戻すんです。それ以降、徐々に四宮の心の動揺が見えてくるっていうふうにしたくて。

最終話に近づくにつれて、表情こそ変わらないものの四宮の中身を映す場面が増えました。自分のポリシーは変わらないけど、サクラや小松さん(吉田羊)からの愛情を受けて、四宮が1人の人間として成長していて、僕が四宮を演じるにあたって思い描いていたことが、脚本でも同じ四宮像になっているのを感じられたのですごくうれしいですね。

――特に思い入れの強いシーンはありますか?

第7話(11月27日放送)で小松さんと「助産師の在り方について」言い争い、その内容を知った今橋先生(大森南朋)に四宮が少したしなめられたじゃないですか。今橋先生の言葉を受けた後のお産で、小松さんに帝王切開を行う方が良いかと四宮が尋ねるシーン。このシーンの自分の表情を見て、ドラマの中の四宮像をつかめたと思うことができました。

――個人の感想で恐縮ですが、第6話(11月20日)の手術シーンで激怒する四宮に笑ってしまいました。

実は四宮は原作でも隠れコメディーリリーフな部分がありますよね。「コウノドリ」って、すごくシリアスな場面なのにわくわくするコメディーの要素も同時にあるところが好きで、実際に船越先生(豊本明長)に激怒するシーンは楽しかったです。笑わせようとか思わず、本当に怒ってますから。四宮は昔から(船越を)気に入らなかったんだと思うんですよ、適当に仕事するヤツだなって(笑)。

――まるでコントみたいだなと。

あれは「ふふっ」てなりますよね。しかも、豊本さんはコントのプロフェッショナルなので余計に(笑)。でも、医療の現場ってすごく緊迫しているけど、ちょっとしたことで面白くて笑っちゃうみたいなことって本当にあるような気がしていて。「命」に対して懸ける思いが高まっていて、特に冗談を言い合うような“ユーモア”の大切さが浮き彫りになるんだと思うんです。それは何度も僕も入院した時に感じていました。なのでドラマの中で、その雰囲気をもっと表現できたらいいなって思いますが、四宮にはできない(笑)。だから、激怒するような場面で表すことができてよかったですね。

――以前、ドラマの会見で小さな子供が大きな声で泣く姿を見て感動したとおっしゃっていましたが、やはり今でも変わらず?

これまでとは桁違いで感じるようになりました。なんていうかいとおしいんです。なので子供を見ると「大変なリスクを背負いながらも、無事に生まれてきてくれたんだ」と分け隔てなく感じてしまうんです。

それにすごく子供に怒るお母さんっているじゃないですか。今までは「厳しいなぁ」と思っていたのに、「それも分かる(笑)」と思うようになりましたね。妊婦さんの大変さも知りましたから。

――作品を一緒に作り上げてきた共演者の印象を教えてください。

研修医・下屋を演じる(松岡)茉優ちゃんは、本当に大人です。結構バラエティー的な振る舞いを見せる時もあるんですけど、いろいろと周りのことが分かっているなぁと(笑)。和気あいあいとしていても、引き締めるところは引き締めるっていう印象ですね。

(綾野)剛くんは、真面目ですが時にはふざける姿がすごく頼りになるし、吉田さんは安心できます。この現場は本当に「大人だなぁ」と思う人しかいなくて。「俺、子供だなぁ」ってよく思いますね(笑)。

――第9話(12月11日)では、見守り続けたつぼみちゃん(廣田優実)との別れもありましたが、四宮目線として伝えたいことを教えてください。

これまで通して思うことは、この四宮は自分が抱える理念とそもそも人間性が真逆な人物なんです。それは演じていてもすごく面白くて。四宮はどう考えても本当はめちゃめちゃ人情派なのに(笑)。赤ちゃんとお母さんの命を第一に考えて突き詰めると、今の振る舞い方が1番だという結論になった。でも、第10話(12月18日(金))では、そのイメージが少し崩れる部分があるんです。医者としても人間としても成長するであろう四宮を見ることが自分でも楽しみなので、そこは注目していただければと思います。

――それでは、最終話の見どころをお願いします。

“チーム医療の熱さ”が表われる回だと思います。もちろん原作にもあるシーンですが、産科だけではなく全ての医療チームで協力する姿を見ていただきたいですね。最終話では、これまで登場した医師がたくさん出てきます。骨折していた船越先生も完治していて、今回は格好いい姿が見られるかと(笑)。

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