芸能活動20周年!宝積有香が単独プロデュース公演

2015/12/08 19:04 配信

芸能一般

宝積自身が向き合ってきた理不尽な想い、無力感、反対に人の優しさや、前向きさを描いた

ドラマ、映画、舞台などさまざまな分野で活動中の女優・宝積有香が芸能活動20周年を迎えた。かつて、女優二人で舞台をプロデュースしたこともあったが、今回は宝積一人。しかも、原作も自身で書いたという。単独プロデュース企画について語ってもらった。

「今回の作品はいつかどこかでやりたいと思っていたんです。でもそれは漠然とした考えで、実行に移すなんて思ってもいなかったのですが、芸能活動20周年となった時に、あれ?やるなら今じゃないの?と思ったのが大きなきっかけでした。以前同じ歳の女優と2人でプロデュースをしたことはあったのですが、今回は実話ということと、私の芸能活動20周年ということで、彼女を巻き込んでしまうのは違うかなと思って思い切って一人でやってみることにしました」。そこからはやはり苦労したはず。どのような流れでここまで立ち上げることができたのだろうか。

「『一人で作ろう!』と思い立ってからは本当に大変でした(笑)。まず、この作品をやるならお願いしたいと思っていた演出家さんがいて、その演出家さんを口説くにはただプロデュースではなく、もう一つ“頑張った”がないと引き受けていただけないと思ったので自分で脚本を書くことに決めました。その演出家さんは、ご自分でも脚本を書いてお芝居もされるのですが、『役者さんは自分で脚本を書いてみたら台詞の大切さもわかるから書いた方が良いよ』と言ってくださっていたので、それを鵜呑みにして半年かけて書きました。

実話なので簡単に書けると思っていたんですよね。でも、難しくて…実話は本当のことだけ書いたら30分で終わってしまって…思い入れのある出来事なので嘘が書けず…付け足しが出来なくて…そこで考えだしたのが、男女を逆にすること。実際は兄と妹の話なのですが姉と弟の話に置き換えたのです。そこで一つ嘘ができて、そこから書けるようになりました。

一本書き終えて、演出家さんに直談判したところ、その方は2年連続でいろいろ賞を受賞されている方だったので流石にスケジュール的に難しく、断念。でも、アドバイスを頂いて、その時の事もちょっと作品に盛り込んでしまいました(笑)。

観ている方は分からない程度ですが。その後は、知り合いを通じて脚本・演出家の大池容子さんを紹介していただきました。彼女はまだまだ若いですが、私に負けない強さを持ち合わせている子だなと思ってお願いしました。やりたい劇場が決まらなくて日々劇場を探しまくったり、スタッフさんも、この時期までに決まらなければ公演自体を諦めた方が良いと助言してくださる方もいましたが、絶対決まると信じて突き進む事しかできず、ちょっとずつ形にしていった感じです。

一つ決まるたびに本当にホッとして、はい!次!みたいに、階段一段ずつで。決して一段飛ばしは出来ないくらい一歩一歩でした」とまさに信念と執念でここまで積み上げてきた作品だ。キャスト選考のためにオーディションも開いた。

「最初は同じ演者として見てしまうんですよね。だから最初は演出家さんが決めるイメージで、うん。うん。と聞いていた部分もあったのですが、途中から、私はプロデューサーなんだということと、私の実話ということ、最初に企画した時に“私が本当に一緒にやりたい方と一緒にやる”を掲げていた原点を思い返し、結局は自分の望む役者さんだけにしました。

結果、3名をオーディションで決定して、あとは直談判(笑)。妥協したくなくて、こだわり抜いて粘り抜きました。中丸新将さんは昔ドラマでお世話になったのですが、直談判して、本当に私の想いに賛同して下さって特別出演です。

心のおっきい方です。お宮の松さんはたまたま観劇した舞台に出演されていて私が一目惚れ。ダメ元でご本人と、マネジャーさんに、どうしてもあなたじゃないとダメなんですと言い続けました(笑)。

高木心平は実話で言うと私の役をやってもらわなくてはいけなくて、キャラクター的にどうしても心平にお願いしたくて。心平じゃないとこれは成立しないと思っていたので、半ば強引です(笑)」と本人が納得いくキャスティングにできたようす。

「本当にたくさんの想いが詰まった作品です。集大成なんて大それたことは考えてはいませんでしたが、周りの方はそんな風に感じてもらえるくらいの意気込みです。この脚本、演出家、このキャストで面白くないはずはないと思う方達が集まっています。この規模でこの方のこんなものが観れちゃうの!?と思う演出もあります。

そして、個人的な宝積有香のお話ではありますが、皆様に共感していただける内容だとも思っています。家族、兄弟、姉妹、そして、痛みを感じた事のある方は少しの救いになったり、支え合えたり、心に寄り添えたりできたら良いですね。ひとつも上手くいかないけれど、私たちは生きていく。この言葉を体感しに来て下さい」。

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