12月11日(金)から13日(日)まで行われる「フィギュアスケートグランプリファイナル2015」(夜8:00-9:54ほかテレビ朝日系)を前に、トリノ五輪金メダリストの荒川静香が、大会への期待や日本選手を中心とした出場選手の今季の特徴などを語った。
荒川は「女子は若い世代からベテランの浅田(真央)選手まで、幅の広い顔触れになりました。(エレーナ・)ラジオノワ選手たちからすれば、おそらく浅田選手は子供のころから憧れて見てきた選手だと思うので、同じ舞台に立って試合をするのを楽しみに戦える、そんなGPファイナルになると思います」と分析した。
さらに、「男子も同様に4回転のルッツを跳ぶ選手が年齢的には羽生(結弦)選手より少し下の世代。経験豊富な(パトリック・)チャン選手や羽生選手に初出場の宇野(昌磨)選手らがいたり、世代的に幅のある顔触れですね。若い選手はテクニック、技術力の高さを武器に戦う選手が男女とも目立ってきていますが、彼らに高いテクニックを持ちながら他の部分で洗練されたスケートで挑むベテラン勢がどう絡み合うかが見どころですね」と続ける。
2シーズンぶりに参戦した浅田に対しては「今シーズンのプログラムは、ショート、フリーともに彼女の良さが際立つような魅力的なもの。特にショートは引き込むような表現が加わって、大人のスケーターの魅力を感じる。それでいて軽やかさ、華やかさも組み込まれた魅力的なプログラムですね。高難度のプログラムを滑っているので、ハイリスクハイリターンだと思うんです。ですので、高難度のプログラムを滑ってもミスが出てしまうと、勝つことは厳しくなる。ただ、浅田選手は難しいプログラムを完成させられるだけの調子を持っていると思います」と、期待を寄せた。
また、前代未聞の300点超えを達成した羽生には「ちょっと突き抜けちゃった感じですね(笑)。現状でパーフェクトにやれば、誰も手が届かない場所に一人で行ってしまったような感じがあります。ただ、難しいジャンプ構成に挑んでいるが故の難しさもある。1回良かったものを維持していくだけでも難しいと思います。
でも、彼の場合、維持ではなく、もっと向上したいという気持ちが強いでしょうから、NHK杯から短期間で誰もが記憶に残した演技を再び披露できるか、そんな期待感もあります」とコメント。
最後に、荒川は「男女とも高難度のプログラムを滑るようになったので、その中でいかに個性を殺さずに、見ている人に個性をアピールできるかが楽しみ方になると思います。ジャンプだけに目を奪われず、選手の個性を楽しんで見ていただきたいです。あと他の選手と比べるのは難しいのですが、選手個々の以前の演技と比べると違いがよく分かります。ちょっとさかのぼって出場選手の過去の演技を見てから、今大会を見ていただくと面白いかもしれませんね」と、見どころを明かした。
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