市川海老蔵が声優初挑戦!「犯人は僕かも…」

2015/12/18 12:06 配信

アニメ

「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」で、アフレコに初挑戦した市川海老蔵(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

'16年1月に放送20周年を迎えるアニメ「名探偵コナン」(日本テレビ系)。'16年1月9日(土)・16日(土)に放送される、2週連続1時間スペシャル「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」において、市川海老蔵が本人役でアフレコに初挑戦した。

収録に臨んだ海老蔵は、アフレコのためにマイクの前に立っただけでも大きな存在感。初挑戦にもかかわらず収録はスムーズに進み、予定していた時間よりも早まって終了した。

余裕すら感じさせる雰囲気だったが、海老蔵は「今までアフレコというものをやったことがなかったし、前日は不安しかなかったですね」と、プレッシャーを感じていたことを告白。

続けて、「でも、すごく勉強になりました。声の仕事はニュアンスがすごく大事で、結構音楽性があるんだと思いました。例えば『おはようございます』のひと言でも、平坦に読むのではなく、『おっはようございまーす!』みたいに与えられた尺の中でどうニュアンスを付けていくのか。

やっぱり誇張なんでしょうね。声優さんたちの日頃の苦しみというか、戦いという部分が何となく感じられて、われわれとは違う世界があるんだと強く感じました」とアフレコの難しさ、そして初挑戦の感想を語った。

今回のTVスペシャルは、コナンたちが暴走する自動車に遭遇するところから物語が動き出す。その車で運ばれていた二表の面はミステリー好きの歌舞伎俳優・市川海老蔵が上演する歌舞伎十八番「七つ面」で使用するお面だった。

二表の面を通して、コナンたちは海老蔵と出会い、やがて「七つ面」のスタッフが次々と事件に巻き込まれていく。コナンと海老蔵は、協力しながら一連の事件の謎を追っていくというストーリー。

本人役を演じた海老蔵は「本人役ですから全く演じてないですね。ただ、私自身はミステリーには全く興味がないので、そこはそういう気持ちを作りましたけど。そうしないと眠りの小五郎のファンにもなれないですからね(笑)」と設定だけ意識し、自然体で演じられた様子。

本人役という部分が今回の出演の大きなポイントの一つだったようで、海老蔵は「オファーを頂いた時、最初は正直戸惑いました。自分自身、漫画が好きで、『名探偵コナン』も開始直後から見ていました。

好きだからこそ、ファンの方々が作品に対してどれだけ強いイメージを持っているかも分かるので、漫画やアニメの仕事ほど怖いものはないなって思っていて、そこは一線を引きたいと自分の中のルールがあったんです」という正直な思いを口にした。

その中で「ただ、今回は本人役で、歌舞伎十八番の『七つ面』が題材と聞いた時に、これは引き受けざるを得ないなという気持ちになりました。コナンのお仕事としても、歌舞伎のお仕事としても、二つの方面で良いお話を頂戴したと思いました」と出演に至る経緯を明かした。

今作では歌舞伎とコナンの夢のコラボが実現したが、海老蔵は「『名探偵コナン』という作品を通して、小さいお子さんや多くの方に『七つ面』を知ってもらえるのは素直にうれしいですね」と、相乗効果に期待をのぞかせる。

また、「歌舞伎十八番の演目が現代に生きるアニメという文化に取り上げていただいて、しかもそれに出演できたのは歌舞伎俳優として大変光栄なことでした。実は『七つ面』を作り直そうと思っていた時期でもあったので、現代の『七つ面』に今回の台本の構成を加えていけるんじゃないかと考え始めました。

一つのものが角度で違ったものに見える、二表の面の発想もすごく面白いなと思いました。武悪についてももっと勉強しようと思いましたし、良い刺激になってうれしかったです」と自身にも思わぬ収穫があったことを明かした。

そして、'16年1月に新橋演舞場で上演される「初春花形歌舞伎」では、演目の一つとして「七つ面」の上演が決定。「七つ面」は、275年前の1740年2月に、二世市川團十郎が江戸市村座で初めて上演して以来、久しく上演が途絶えていたが、海老蔵により'09年1月新橋演舞場で復活上演された。

その内容は、世の中に穏やかでないことが続くことを憂いた幕府が、元興寺赤右衛門(海老蔵)に厄除けの儀式を依頼。赤右衛門は、自身が面打ちした“翁”“猿”“荒事の若衆”“公家荒”“関羽”“般若”“恵比寿”の7つの面を用いて舞を披露するというもの。

7年ぶりの上演となる今回は、新たに台本を再構築し、全く新しい「七つ面」を創作する予定。さらに、舞台上には「―歌舞伎十八番ミステリー」で取り上げられた“二表の面”が登場する可能性も。今回のスペシャルと舞台「七つ面」を併せて見れば、さらに面白さが倍増するはずだ。

最後に海老蔵は「今回の事件は“歌舞伎ミステリー”ということで、誰が犯人か分からないですし、もしかしたら僕が犯人かもしれない…。新年早々、みんなで謎解きを楽しんでもらいたいですし、その中で歌舞伎のことも知ってもらって、興味を持っていただけるとうれしいですね」と視聴者にメッセージを送った。