Smartザテレビジョン編集部の選出により、'15年に活躍したU-23の若手俳優6人にインタビューする年末年始特別企画「フレッシュフェイス」。
3人目となる今回は、1月期の連続ドラマ「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)や7月期連続ドラマ「HEAT」(フジテレビ系)などに出演し、'16年に連続テレビ小説「あさが来た」(NHK総合ほか)でヒロインの娘を演じる小芝風花を直撃した。
前編では、大きな影響を受けたという舞台「夕陽伝」など、ことしの出演作を中心に語ってもらった。
――ドラマも映画も多数出演されて、大活躍の1年でしたね。
本当にありがたいです。始まりから終わりまで出演作に恵まれました。ザテレビジョンさんにも春夏秋冬シーズンごとに記事書いていただきました(笑)。ありがとうございます。
――いえいえ(笑)。それだけ大活躍されていたということです。振り返ってみてどんな年でしたか?
とても月日がたつのが早かったですが、うれしいことが本当に多かったです。「ブルーリボン賞」や「日本映画批評家大賞」などの賞をいただけたのもそうですし、「夕陽伝」という作品で初めて舞台に立たせていただいて。
お芝居をする上で大事なこと、大切なことを学ばせていただいて、自分の中で本当に大きく変わった気がします。作品やいろんな人と縁があり、多くの人に出会えたからこそ考え方や思いも変わることができた部分も多いので、今後もそういう縁を大切にしたいと思いました。
――特に変わったなと思ったきっかけは何ですか?
私の中で一番大きく変わったのは「夕陽伝」という舞台に立たせていただいたことです。今までもいろんな作品に出させていただき、経験が浅いなりに一つ一つの作品に向き合わせていただいていたのですが、今回「夕陽伝」で共演させていただいた諸先輩方を見て、向き合う姿勢を間近で見たとき、役に向き合うということはこういうことなのだなとあらためて勉強させていただきました。
演出家の方のお話も聞いて、今までの考えは甘かったなと思わされました。役に対しての真剣さ、強い思い、悩みだったりとか、もっともっとやればやるほど深くなっていくのだなということを学ばせていただきました。
――やはり舞台に臨むのとドラマに臨むのとでは全然違いますか?
違いました! 舞台だと公演前に1カ月くらいの稽古があるので、その間に役や作品についての話し合いをしますし、一つのお芝居でみっちり稽古をするので、どんどん変わっていきます。気持ちや思いも徐々に変わっていって、たくさん悩んで考えて、そして一つの作品ができる。
もちろん公演中もどんどん変わっていくという感じだったのですが、ドラマや映画は一つのシーンに対して1カ月もの稽古はできないんですけど、だからこそ舞台と同じくらい真剣に悩んで考えていかないといけないんだということを学びました。
――やっぱり稽古は大変でしたか?
そうですねえ(笑)。初めての舞台でしたし、周りの方が舞台を何度も経験されている方ばかりで。年齢的にも年上の方、しかも男性の方が多かったので、最初は不安だらけでした。
ちゃんと私がヒロインという大役を務めることができるんだろうか、先輩方にご迷惑を掛けてしまうんじゃないか、などと。お客さんの前に立って演技することができるのだろうか…など、不安でいっぱいでした。
以前共演させていただいた先輩から、「舞台はできれば絶対に経験した方がいいよ」と言われていたのですが、今回初めて舞台に立たせていただいて、その意味がよく分かりました。一体感もすごいですし、一カ月の稽古をして目指すものが一緒で、その中で話し合って。絆も深まりますし、舞台公演が終わった後、お客さんから拍手がもらえるときの感動は言葉では表せないものがあります。仲間がいるから支え合えるという安心感もあって、本当にすごい経験をさせていただいたなと感じでいます。
――観客の反応が生で分かるのってすごいですよね。
そうですね。ちょっと笑えるシーンのときにお客さんの笑い声が聞こえてきたり、鼻をすする音が聞こえてきたりしますから。今回の役は前半と後半で印象がガラッと変わってしまうものだったのですが、“ブラック”な部分に入ったとき、ちょっとひどい言葉を発したら、お客さんから「うわっ!」という声が聞こえてきて、笑いそうになっちゃいました(笑)。本当に舞台は生モノだなと痛感しました。そのときのお客さんによりますし、共演者の方の息遣いとかも毎回違うので、毎回ドキドキ、いろんな緊張感があって楽しかったです。
――そういうのはやはり舞台の上から見えているんですね。
ビックリするくらい見えていましたよ。お客さんの顔も結構はっきり見えていて、ライトの加減で後ろの方も見えることがあって、「あ、めっちゃ●●さんを見ている人がいる!」と思ったことも(笑)。食い入るように見てくださっているなとか、あまり私の方は見てくれていないなとか、全部分かりました。やっぱり“お客さんも含めて作品”なのだなということがはっきりと意識できました。
――おおっ! 名言出ましたね。
(笑)。よくそういったお話を先輩方から聞いていたんです。でも、やっぱり立ってみないと分からないものなんだなということが分かりましたし、演じる側としては、笑えるシーンでお客さんが笑ってくれなかったりとかすると、すごい怖くなるんですよ。「えっ! 今の面白くなかったんだ…」とか。でも、お客さんが空気感も作ってくれて一つの作品になるんだなというのが肌で体感できたので、映像で見ている方とは直接お会いできないけど、ドラマで画面上で見てくださる人にも感情移入していただけるように頑張ろうと思いました。
――稽古と言えば9月12日に公開された映画「ガールズ・ステップ」でもダンス練習を激しくされたんですよね?
みっちりしました! 撮影が始まる前からダンスレッスンをほぼ毎日のようにしていましたし、撮影が始まってからも、ロケが終わった後、バスで2時間ほどかけて練習場に行って練習することもありました。主演のE-girls・石井杏奈ちゃん以外はダンスがほぼ初心者だったので、おうちに帰っても各自で自主練していたので、たぶん今ジミーズの5人がそろって、あの曲をかけられたらみんな踊れると思います。それくらい体に染みつきましたし、楽しく真剣にやっていたので、今でもCMなどで「ALL FOR YOU」(GENERATIONS)が流れると、体が自然に動いちゃいますね。
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