日本テレビ系では、'16年春にスペシャルドラマ「ぼくのいのち(仮)」を放送することが決定。主演の木村佳乃の他、北村一輝、横山歩が家族役で共演することが明らかになった。
同ドラマは、ある家族の実話に基づいた作品。しっかり者で朗らかな母親・三千代が、夫と息子3人の男所帯を切り盛りする川田家。明るくておちゃめな父親・大介は長男のような存在で、子供たちは大介の影響で人を笑わせることが大好きだった。
そんな川田家は笑いの絶えない明るい家族だったが、幸せな日々は突然崩れ始める。明るく元気な4歳の次男・祐平が病に侵されていることが発覚。それは100万人に一人ともいわれるまれながんの一種「肝芽腫」だった。ドラマでは、家族が病に侵された祐平と共に挑んだ病気との闘いを描いていく。
すでにクランクインし快調に撮影が進む中、都内のスタジオで主演を務める三千代役の木村、大介役の北村、祐平役の横山が、撮影の感想やドラマの見どころなどを語った。
木村は「実話ですし、実在のご家族の大切な物語なので、心を込めて演じていますが、実際の男の子は4歳の時に発病していて、ウチの長女がちょうど4歳なもので、家に帰ってから想像しちゃって…。何ともいえない気持ちと闘いながら日々過ごしている最中です」と、撮影の感想を。
北村との共演については、「北村さんとは何回もご一緒させていただいていて、(今回の役柄の)旦那さまとしても、先輩の俳優としてもとても頼りにしていて、支えていただいております」と、信頼ぶりを語った。
北村は「(この家族の)ドキュメンタリーを拝見させていただいて、撮影前に佳乃ちゃんと、なるべくリアルに伝えたいという話をしました。子供がそんな状態になった時、親はどれだけ必死になるかを、ドラマ上の演技ではなく、温度、空気感をできる限り真実に近づけたいと…。見え方うんぬんより、気持ちが本物じゃないとダメだろうという話はしました」と気持ちを大事にしたことを明かした。
取材中は木村と北村の間に横山が座り、本当の家族のような空気を出していた3人。取材中も木村が横山の発言をフォローしたり、北村が横山を笑わせたりと、劇中の延長のような雰囲気を作っていた。
木村は「最初に話し合って、北村さんが『夫婦でいような』って仰ってくださったのがすごくうれしくて。芝居上で本当に愛し合わないと、すごく空々しいものになってしまうので、北村さんが夫役で本当にありがたかったなと思っています」と、既に一つの家族になれたことを強調した。
北村は「佳乃ちゃん演じる三千代が子供に本気で怒る芝居、それがすごくて。台本も素晴らしいですが、それ以上に空気の中で出てくる言葉、親だからこその言葉が不意に出てきて、芝居を忘れる瞬間が何度かありました。空き時間も一緒に遊んだり、みんなで過ごしての空気感がうまく反映されていると思います」と手応えを。
視聴者を物語に引き込むためには、祐平役の演技がポイントになるが、木村と北村は横山の演技をそろって絶賛。木村は「ちゃんと感情を説明すると、ちゃんとできるんです」と横山の演技に驚いた様子。
特に印象に残っているのは、三千代と祐平が一緒に泣くシーンらしく、木村は「『母ちゃん、泣いていると元気になれないよ』って泣きながらも私を励まそうとするシーンは、本当にビックリしました。感情が入り込んですごいなと思いました」と明かした。
北村も「子供は目が純粋だから、普通にそれっぽくせりふを言えばリアルに見えたりもしますが、それだけではなく、感情が本物なんです。悲しいけど強くなろうと思うシーンでは泣く時にも笑顔になったり、不意に誰も演出していないような顔が出る。
そういう子役にはあまり会ったことがないし、俳優として一番大事なもの、僕らが望むものを持っている」と演技を高く評価した。二人の話を聞いた横山は、「うれしい」と照れくさそうに顔をほころばせた。
病に苦しむ役を演じた横山は、演技を振り返って「咳のところが難しかった」と、大変だった点を告白。木村は「監督から『風邪の咳じゃなく、乾いた咳をしてほしいと』言われていたんです。あれは大人でも難しかったと思います」と補足した。
実話に基づいた作品だけに、子を持つ親として祐平が待ち受ける運命に心を痛めたという木村と北村。木村は「まず台本を頂いた時、泣いてしまってちゃんと読めなかったです。(本番前のカメラ)テストでは軽くやらないと、メークが全部取れちゃうほどになって。
特に佐々木蔵之介さん演じる三國先生から余命を宣告され、北村さんの胸で泣き崩れるシーンは、感情のコントロールがかなり効かなくなって、ずっと北村さんに支えてもらいながら撮影しました」と語った。
北村は「自分のことで考えると、父親、男は結構もろいなと思う部分があって。こういう時に役に立たなかったり泣いたり弱かったりしますが、実際のモデルのお父さんは我慢強いというか、凛としたところがあるので、あまりオロオロせず、なるべく泣かないように意識してやりました。
でも、(芝居の中であっても)目の前で本気で泣かれると、どうしてもダメなシーンはありました」と明かした。今後、木村たちはモデルになった家族にも会う予定があるという。
最後に北村は「家族の方に見ていただきたいし、同じような悩みを持った方にも見ていただけたらなと思います。見方は十人十色だと思いますし、本気で闘った家族を僕たちが本気で演じることによって、何かが生まれ、何かが伝わるのではないかと思います。
僕も先のことを考えずに、今を一生懸命するということはこの台本で学びましたし、今、自分が置かれている状況の中で、ただ一生懸命やろうと思いました」と、本当にあった物語を通して視聴者に何かを感じ取ってほしいと訴えた。
そのほか、共演には木南晴夏、北川弘美、大山蓮斗、竜雷太、升毅、伊吹吾郎、高畑淳子、佐々木蔵之介らが決定。病と闘う3人を、それぞれの立場で支えていく。病気を通して家族がどう絆を深め、成長していくのか、感動のドラマを見届けよう。
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