2月1日(月)にスタートする“最後の昼ドラ”「嵐の涙~私たちに明日はある~」(フジテレビ系)に出演する、遠藤久美子にインタビューを敢行。
今回演じる枝川まきの役どころについて、撮影現場のエピソード、今後の目標やバレンタインの思い出など、余すところなく語ってもらった。
――まずは「嵐の涙~私たちに明日はある~」への出演が決まった感想を教えてください。
8年ぶりの昼ドラ出演になりますが、8年前の過酷なスケジュールと膨大なせりふ量を思い出しました(笑)。今回お話をいただいた枝川まきというキャラクターは、歴史ある茶道一家に生まれ、17歳の時に父親が運転した車で交通事故に遭い、母親を亡くし…。
目が見えないし、自分も子供が産めない体になり、8年間引きこもっていたという壮絶な人生を送る女性。これはものすごい挑戦だなと思いました。
私は4月で38歳になるのですが、30代でこの役をいただいたのはありがたいと思いました(笑)。やったことがない役をやるときはいつだって緊張しますし不安ですし、心がざわつくのですが、その分やりがいもある。
本当にお芝居がやりたいと思っていた時期なので、すごくうれしいです。茶道の所作とか、目が見えない方の動き方、表情の作り方とか、監督と現場で一番見せたいものは何だろうと思った時に、人間愛や家族愛を一番に見せたいと思いました。
父のこと、夫のこと、娘のこと、佐藤(江梨子)さんが演じる遠藤里子さんとの関係性。そして里子さんと里子さんの娘、家族のお話なので、まきが今後どうなっていくかという心情を大事に、繊細に、それをきちんと表していけたらいいなと思いました。
――やはり監督の方とも密にお話をされましたか?
監督は第1週、第2週は(杉村)六郎さんで、「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日系)というドラマシリーズでメーン監督をやられている方。今回昼ドラに参加する上で、初めての監督だとドキドキするのですが、六郎さんだったので、安心して全てを委ねられました。
――あ、“9係”の杉村監督なんですね!
そうなんですよ。「警視庁捜査一課9係」は10年続くロングシリーズで、私は吹越(満)さん演じる青柳刑事の彼女としてサブレギュラーで出ていました。現場にみっちりと入っていたわけではないですが、毎年少なくとも1回は会うっていうのは、心の支えになっているのかなと思います。
――やはり、ホームのような感じで安心しますよね。
はい。なので、「あ! これも六郎さんなんだ」ってうれしくなりました。スタッフさんもお仕事をしたことのある方たちばかりなんです。昼ドラにも慣れている方々なので、すごく安心して、現場に臨めています。
――茶道経験者の役ですが、実際に茶道家の方の指導も受けられたんですか?
リハーサルの時に、1、2時間ご指導いただいて撮影する部分の所作を教えていただきました。一連の流れということではなく、シーンに必要な部分をピックアップして撮影している感じです。撮影に入る前に所作の指導の先生がいらっしゃるのであれば、そこに通いたいという話をしたのですが、時間もなく、リハーサルの時にお話を聞かせていただきました。
――ちなみに茶道をかじった経験は?
全然ありません。なので今回、佐藤さんと私の役どころが逆だったら良かったのに、って思ったんですよ。佐藤さんは茶道経験があって、目が見えない役もやったことがある方で、お嬢様風な顔立ち。なぜ逆になっちゃったのかなって(笑)。でも、佐藤さんの役名が遠藤里子さんなので、私がやるとややこしくなるかな(笑)。
――佐藤さんとはこれが初共演ですか?
ここまでガッツリご一緒するのは初めてです。よく取材で「佐藤さんの印象は?」って聞かれるんですけど…。
――ごめんなさい、ちょうど今聞こうと思っていました(笑)。
(笑)。イメージ通りの、凛とした格好いい、シャキッとした女性。現場でも私の方が年齢的にはお姉さんにはなるのですが、座長としてビシッと締めていただいて、頼れる女優さんだなと思っています。
――シリアスな現場だと思うんですけど、オフでは皆さんお話されたりするんですか?
竜(雷太)さん、いしの(ようこ)さん、野際(陽子)さんなど、ベテランの役者さんが多いので穏やかです。皆さんそれぞれのリズムで過ごしているので。
子役の子たちも元気で、お芝居が大好きな子たちなので、「帰りたくない、ずっと現場にいたい!」と言っているので、いつも「早く帰りなさい」と言うんですけど(笑)。
それくらいお芝居が好きな子がいるので、現場は明るいですし、物語の中に入るとちょっとシリアスな部分はあるのですが、空き時間は穏やかな空気が流れていていい雰囲気です。スタッフの方も慣れてきて、寝不足でしょうが、皆さん飲みに行かれるなど、とても心強いです。私はせりふを繰り返し練習していることが多いですね。
――特に今回は目が見えない役ということですが、見えない状況で歩く練習などはされていますか?
そうですね。目が見えないというのはどんな感じなのかと、街を歩く時に目を瞑って歩いてみたり、カフェに入った時に目を瞑って周りの音を聞いてみたり、今回キャンドルに癒やされる子という設定でもあるので、アロマキャンドルを並べてつけてみたりして、どう思うか検証しています。
目を瞑って食事をしてみることもあります。実際にやってみるといかに自分が目に頼っているかっていうのが分かりました。まきは、17歳までは見えていたのですが、見えなくなって8年間過ごして、その間引きこもりの時期もあって。私が実際に目を瞑る練習をした時、見えない恐怖がすごかったんですけど、彼女は見えない恐怖を一度乗り越えている。
でも、やっぱりどこか怖いと感じていると思うんですよね。家の中のように慣れている環境でも怖いと思うので、どこまで慣れていてどこまで恐怖を感じているのかというのが未知だったので、監督とちゃんと話し合いたいと思っていたんです。でも意外と何でもオッケーを出してくれるので、「おっと?」って思っていたりもしたのですが…(笑)。
――完璧ということなんでしょう(笑)。では、見どころを教えてください。
“最後の昼ドラ”ということなので、昼ドラを愛していらっしゃる皆さまとか、昼ドラを見たことがないという方にも、家族愛だったり、人間愛だったりする部分があって見やすいと思うんですよ。ぜひ、お茶の間で楽しんでもらえればいいなと思っています。
【遠藤久美子「新しい台本をもらうとウキウキします」へ続く。同記事は2月2日(火)朝7時掲載予定】
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