アメリカで第67回エミー賞を受賞したアニメ「オーバー・ザ・ガーデンウォール」が2月11日(木)にCS放送のカートゥーン ネットワークにて日本初放送される。このアニメは、少し気弱で優しい兄・ワートと、無邪気な弟・グレッグが「名もなき森」で迷子になり、奇妙な冒険を繰り広げるというストーリー。ビクトリア朝の絵葉書を思わせるような繊細な映像と、20世紀初期のクラシックな音楽が彩る独特の世界観となっている。
主人公ワートの声を担当するイライジャ・ウッドはじめ、クリストファー・ロイドや、メラニー・リンスキーなど豪華キャストが魅せる演技や歌も魅力のひとつ。今回、主人公ワートの日本語吹替えを担当する浪川大輔にインタビューを行った。
―「オーバー・ザ・ガーデンウォール」はどんな作品ですか?
「簡単に言うと兄弟が迷子になっている話しです。迷子になって家に帰ろうとする中で、きこりや鳥をはじめシュールなたくさんのキャラクターたちに出会い、追われては逃げての追いかけっこみたいなこともあり、けっこう繊細で見ていてくせになる感じの作品かなと思いました。あとナレーターさんが説明するだけじゃなくて歌い始めますから。斬新ですよね。普通に考えると物語の説明や補足を自然としてくれる役だと思うのですけど、けっこう前面に出てきていい声で歌っていますので、ぜひそこも見てください」。
―ワートとグレッグの兄弟はどんなキャラクターですか?
「ワートは、いい人だねって言われるタイプ。いい人じゃなきゃ弟にこれだけ振り回されないだろうな。現代に生きていたら騙されちゃうタイプですよね(笑)。グレッグは好奇心旺盛で、クラスにひとりいるやんちゃ坊主タイプ。この子は一回挫折しないと大人になったら大変ですよ(笑)」。
―ワートは高校生ですがご自身の高校生の時と重なる部分はありますか?
「自分の高校のときは年相応にわがままな感じでしたが、ワートは頼まれたことを断れなくて、必死にやるべきことをやるタイプなので、自分とはちょっと違います。自分と比べてワートは大人です。弟は会社員にはなれないかもしれないけど、お兄ちゃんは会社員になると課長まではいけるタイプだと思います(笑)」。
―恋愛の要素は?
「ちょっと入ってきますよ。ライトな恋愛という感じで。見た人の心が映し出されるようなところもありますね。ワートは本命の女の子がいるんだけど、ちょっと気になる子に出会ったりします」。
―作品に歌がけっこう出てきますよね?
「今回の作品は、歌っていうのもひとつ大きな売りになっていて、昔の歌だったり、著名な方が歌っている歌が作品にちりばめられています」。
―歌うシーンはどうでしたか?
「ほんとに難しかったです。英語を日本語にするだけでも難しいのに、聞いた感覚で歌うみたいな、セリフのような歌のようなっていう感じのものが多いです。資料はあって、英語を日本語に翻訳しています。音符に対しての文字数が違いますからね。吹き替えとはまた違った世界観でした」。
―歌のかけあいはどうでしたか?
「グレッグと一緒に歌っている時は、何度もお互い励まし合いました。音がずれてるとか、もっと元気よくとか色々言われながら、何度も何度も歌わせて頂きました。ホントに死ぬかと思いました(笑)。終わったときは、よかった!終わって!って(笑)。でも、楽しかったです。歌だけ原音になっていたらすいません(笑)」。
―あまりアニメを見ないような方にも楽しんでいただくポイントは?
「主人公が子供で、迷子になって帰り道を探す。という設定がわかりやすいところですね。視聴者が感情移入するのは幼い兄弟だと思うので、同じ気持ちで見ていれば自然と物語が進んでいきます。そしてよく見ると、ああ、なるほどねぇみたいなちょっとした納得や発見がかなり色々なところにあって面白いです。ショートストーリーが重なっている長編なので非常に見やすくなっています。まずは軽い気持ちで見てみてください」。
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