植田真梨恵ピアノワンマンが終幕!「早かった…」

2016/02/14 19:15 配信

音楽

植田真梨恵のピアノワンマンツアー「植田真梨恵Live of Lazward Piano “Old-fashioned.”」が最終日を迎えた

1月16日、福岡よりスタートした「植田真梨恵Live of Lazward Piano “Old-fashioned.”」が、2月13日に東京キネマ倶楽部でファイナルを迎えた。

植田とサポートピアノ・西村広文の2人だけで回るこのライブツアーは、'13年より毎年この時期に開催され、ことしで4度目の開催となる。追加公演を合わせると7都市10公演という、植田史上最大規模で行われたピアノワンマンツアーは、追加公演である横浜公演を残し、全日程を終了。

東京キネマ倶楽部公演では、静かに流れるチェロの音がフェードアウトし、植田の登場を待ち構えて静まり返る客席に、打ち寄せる波の音が深く響きだす。

深い海に包み込まれるかのような感覚の中、ステージに登場した植田の姿に大きな拍手が沸き起こる。真っ暗なステージに、きらきらとしながらもどこか懐かしいようなピアノの音色が流れる。

Lazward Pianoツアーの一曲目を飾るのは「さよならのかわりに記憶を消した」。物語を紡ぐような切なく悲しいバラードで観客を引き込むと、続く「優しい悪魔」では優しくかみつくように、そっと心に刻んでいく。

MCを挟み、「流れ星」に「スメル」、そして「心と体」で会場に詰め掛けた満員のファンの心をつかんでいく。ベース、ドラムのいないステージで、ピアノとアコギのみのうねるようなリズムとダイナミクスを生み出す2人に激しく感情が揺さぶられ、客席も息をのんでその姿に見入っていた。

「あらためまして皆さんこんばんは! 元気ですかー!! よく来ましたね(笑)。どうもありがとうございます!『植田真梨恵Live of Lazward Piano “Old-fashioned.”』、いよいよファイナルとなりました! 早かった、本当に早かった!! 東京キネマ倶楽部でこのツアーは一応終わってしまうのです。皆さんも余すところなく楽しんでいってくださいね。私も楽しんでいこうと思います!」と、元気いっぱいにあいさつした。

植田のMCに笑顔がこぼれ、会場が和んだところで「サファイアー!!」という叫び声を合図に、インディーズ1stシングル「心/S/サ」から「サファイア」が演奏された。全身を使って飛び跳ねながら、弾き出されるピアノに合わせ、振り絞るように歌う植田。

会場とのコール&レスポンス、ステージ脇に備えられたサブステージで歌うなど、楽しげな様子の彼女に見ている側もうれしい気持ちが込み上げる中、「せーの!!」という大きな声に続き、「FRIDAY」「よるのさんぽ」が披露された。

ライブが中盤に差しかかっても植田の魅力が尽きることはなく、「ノスタルジックな風景にとらわれている」というMCに続いて演奏された「昔の話」では、揺らめく水面にたゆたうように満ちた心地にさせ、透明感あふれる「クリア」では、何物も吹っ切ったような清々しいメロディーが会場を包み込んだ。

曲に合わせて自由自在に声や音を操り、時に包み込むように、時に突き刺すように、心に届けられる曲の数々に、会場もじっと耳を傾けた。

「今現在の私の夢は、本当に自分の中に抱えていることから切り取って、それがまず形に、歌になることが大事だなと思っています。曲を書き始めたころの私は、何を曲にしたらいいのか全然分からずに、日常の中にあったギリギリの、本当に忘れてしまいそうなことも曲に書いてみたらと思い、日々ピリピリと過ごしていたことを思い出します。

私が今から歌う曲を作ったのは18歳のころです。当時の気持ちを細部まで全部思い出すことは今となってはとても難しいことですけど、18歳当時の心の悲しみを思い出して歌おうと思います」と感情を込めて語り、つぶやくように「ソロジー」を歌いだした。

同曲は、1月20日にリリースされたニューシングル「スペクタクル」のカップリング。歌声もピアノの音色も優しく温かいのに、時折チクチクとトゲを刺されるような感覚を覚える中、同じく「スペクタクル」のカップリングの「カレンダーの13月」が演奏された。

そして本編ラストに演奏されたのはニューシングル「スペクタクル」。自身も鼓舞するかのように力強く、声の限りに思いをぶつける植田は、真剣なまなざしで客席を見詰め、一言一言大切に言葉を届けていくと、最後まで変わらぬ勢いを持って曲を締めくくった。

ステージを後にした植田に、沸き起こるアンコールの拍手。鳴りやまない拍手に迎えられて、ピアノの西村との長めのMCを挟んだ後、アンコール一曲目に披露したのは3rdシングル「わかんないのはいやだ」。

軽快なイントロから、吹き抜ける風のように疾走感を伴って一気に駆け抜けてゆく。絶えず満場の手拍子が鳴り響く中、「ありがとう」とささやくように一言あいさつした後、ゆっくりと互いの顔を見合わせ曲を締めくくった。

「いろいろと変わっていくこともありますが、皆さんの中の変わらないもの、大切にしたいものをちゃんと持ったままで、ずっと夢を見ていられますように。皆さん来てくださって本当にありがとうございました!」と感謝し、「愛おしい今日」を歌い上げ、ピアノワンマンライブにふさわしい植田の魅力が最大限に引き出された楽曲が演奏され、公演を終えた。

そんなピアノワンマンツアーを終えたばかりの植田だが、2月20日(土)には追加公演となる「植田真梨恵Live of Lazward Piano “Old-fashioned. ”Special Edition!」がMotion Blue yokohama にて、また4月3日(日)にはBillboard Live OSAKAにて「植田真梨恵Live of Lazward Piano『カレンダーの13月 again』」と題された一夜限りのSPライブが決定している。

植田の魅力がたっぷり詰まったライブツアー。これを見ても植田の魅力が“わかんないのはいやだ”。