劇場版第36作「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」が公開された。同作は'89年公開の「―のび太の日本誕生」を生まれ変わらせた最新作。家出をしたのび太たちが7万年前の日本で、家族思いの少年・ククルと出会い、人々を支配する精霊王ギガゾンビに立ち向かう物語だ。
同作にはスペシャル応援団“ウンタカ!ドラドラ団”として、小島よしおと、新日本プロレスの棚橋弘至選手、真壁刀義選手が“クラヤミ族”に扮(ふん)して参加している。そこで弊誌は3人を直撃。話題は熱いドラえもん愛に始まり、自身の家出体験談、果ては「M-1グランプリ」挑戦の野望も?
――「―のび太の日本誕生」が公開された'89年、当時はお幾つでしたか?
小島:僕は9歳で、初めて見に行った「ドラえもん」の映画がこれです。だから感慨深いですよね。今僕の同世代には、9歳ぐらいの子供が居たりするんですよ。中学校の友達が久しぶりに連絡くれたりして、今も「ドラえもん」が友情をつなげてくれています。
棚橋:僕は13歳ですかね。今回の作品と照らしてみると、いろんなところが少しずつ進化しているんですよ。僕ら親御さん世代は懐かしい気持ちになったり新しい発見もあるし、お子さんは初めて見る方が多いでしょうし、家族で楽しめるんですよね。
真壁:俺は高校2年ぐらいだね。そのころってコッチ(小指を立てる)とかさ、多感な時期で、「ドラえもん」からは少し離れてたんだわ。でも不思議なもので、また戻ってくるんだよね。自然破壊とか親子関係とかいろんな問題が指摘されてたりするし、大人も子供も楽しめるいい映画だと思う。
――皆さんはどのキャラクターに共感していましたか?
真壁:俺はジャイアンでありながら、中身は結構のび太なところがあるんだよね。自分は他の人よりも劣ってるんだって知った修業時代を経て今の真壁刀義があるから、とても人ごとには思えないんだよ。
棚橋:僕は実は、出木杉君なんですよ。勉強もスポーツもできて、あんまり僕悪いところがないので。
真壁:そう思ってるのが一番悪いところだよ!
棚橋:でも出木杉君は何でもできるかもしれないけど、結局最後はしずかちゃんのハートをつかめないかもしれないという…。出来過ぎる男故の悲しみっていうのは、共感できますよ。
小島:僕はククルですね。ククルは現代に迷い込むんですけど、言葉も通じない場所で行動するってすごい勇気がいると思うんですよ。その勇気を見習いたいですね。格好も僕と似てますし。
棚橋:小島さんの衣装はククル風だったんですね。おかしいな、僕たちクラヤミ族のはずなのに。
小島:今はクラヤミ族ですけど、僕はこの黒い化粧落としたらククルになりますから。
――本作はのび太たちが家出をするところから物語が始まりますが、皆さん家出の経験なんてありますか?
真壁:あるよ。俺が非行に走った話する?
小島:書ける範囲でお願いします。
真壁:じゃあもうちょっと前に戻るわ(笑)。小学校のころに、母ちゃんに「出てけ!」ってすっげぇ怒られて、俺も調子こいて出て行ったんだよね。家の目の前のグラウンドに。で、夕方7時ぐらいだったんだけど、ガキにしたら夜じゃん?兄貴も一緒だったんだけど、20分ぐらい外に座って、顔合わせて「帰ろっか」って。母ちゃんに倍以上怒られたな。
棚橋:僕は家出したことないんですよね。出木杉君だったので。
小島:僕も小学校のころなんですけど、お母さんが沖縄の人なんで、母方の祖父からたまにヤギが送られてくるんですよ。
真壁&棚橋:ヤギ?
小島:沖縄って、ヤギ料理をおめでたい時とかに食べるんですけど、めっちゃ臭いんですね。家が臭過ぎて、家出したことあります。そのぐらい臭い。すぐ帰ってきましたけどね。
――帰って、結局召し上がったんですか?
小島:ヤギは食べなかったですけど、その時はイカスミ汁食べましたね。
真壁:今度は何ですかそれ(笑)。
――今回皆さんは声優としても参加されていますね。
棚橋:僕は声優初めてだったんですけど、クラヤミ族をイメージしたつもりが、素の声が出てしまいました。ドスの効いた低い声で言えば良かったんですが、「せ、精霊大王?」って“小童感”が出てしまって。プロレスファンの方は「棚橋どこでしゃべるかな」って注意して見なくても、すぐ分かりますよ。修業が足りなかったですね。
――対して真壁さんは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」('15年)にも出演されている声優の先輩ですね。
真壁:ま~俺ぐらいになるとね、ハリウッドからも声掛かるんだけどせりふは一言だったよね…。どんなせりふだったっけな。俺の声だってのはすぐ分かるんだけど、その前の「せ、精霊大王?」があまりにインパクト強過ぎて忘れちゃうんだよ。
小島:僕もせりふは一言だけでしたね。「ガルルルル」。でも見る人が見たら「あの『ガルルルル』はいい『ガルルルル』だな」ってなると思うので、今後につながっていけばいいなと。
――“ウンタカ!ドラドラ団”でCDデビューもしました。ソロパートでは棚橋さんの美声が印象的で。
棚橋:そうでしょう。「声が甘いですね」と評判がいいんですよ。でもその甘さが「せ、精霊大王?」に生きてしまったんですけどね。それにしてもCDデビューまでさせていただいて、本当に“出来過ぎ”ですね。勉強できてスポーツできて、歌もうまいという。
真壁:ただ、声優が下手っていう。一番問題じゃねえか!
――今後もジャンルを超えた活動が見られたらうれしいです。
小島:棚橋さんと真壁さんがこの格好で「M-1(グランプリ)」出ていたら面白いですけどね。
棚橋:「はいどうもー、ウンタカ!ドラドラ団でーす」って。
小島:鎖ツッコミとかやったりして。
棚橋:3カウントで終わるっていうね。
――見てみたいです(笑)。それでは最後に、見どころを教えてください。
真壁:この映画は友情や親子愛、ペット愛とか、いろんなものを感じさせてくれる。何か気付くことがあると思うんで、それを持って帰ってもらって、もう一回自分の生き方を見詰め直すきっかけになったら一番いいんじゃないかな。
棚橋:「ドラえもん」の道具って夢をかなえてくれるんですけど、その道具を使う人によって良くもなるし悪くもなるという。今回の映画では道具に頼らなくても自立していくのび太の姿が、心に染みました。
小島:7万年前の世界で、建設大臣や環境大臣、ペット大臣だったりと、みんな役割を見つけて進んでいく場面があるんですけど、見た後に自分の生活の中での役割を見つけられると、人生も生き生きするんじゃないかなって感じました。
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