GReeeeNリーダー・HIDEが福島で行った「遺体の検死」を初めて語る

2016/03/04 08:00 配信

芸能一般

知られざるGReeeeNのエピソードが描かれた「それってキセキ ~GReeeeNの物語~」著者:小松成美 発行:KADOKAWA

3月3日放送の「NEWS23」(TBS系)で4人組バンドGReeeeNのリーダー・HIDEが、東日本大震災の犠牲者を身元確認するための検死を行っていたことを初告白した。

福島県の大学で出会いメンバー全員が歯科医師のGReeeeNは、これまでメディアに顔出しをせず取材を受けてこなかったが、震災から5年が経過し、初めて声のみではあるがその特殊で重大な責任を背負った体験を語った。

震災発生から1か月後、福島県相馬市の遺体安置所で遺体の検死を行うことになったHIDE。「放射性物質で近づけないご遺体の収容がある、と。それに従事する歯科医師の数が足りません、という張り紙があって”自分が行きます”と」自ら現地入りを志願したという。

「泥をかきわけて遺体を収容した方々がいるじゃないですか。全国の消防、警察、自衛隊の方が集まってみんなで必死にご遺体を探していました。1~3週間、多い方で1か月以上(遺体は)そのままの状態。それはいかんだろうという気持ちが強かった」と語った。「必死にこの方を早く家族に会わせるんだ」という気持ちで検死にあたったという。

歯科医師による検死は、遺体の着衣などの除染作業を終えて放射線量が下がった段階で行われる。防護服に身を包んだHIDEが目の当たりにしたのは津波のすさまじさ。「波にのまれて亡くなった方が多く、口の中にいっぱい土とか飲みこんでいる状態」だったという。しかしHIDEは遺体や待っている遺族に向き合うと、放射線への恐れが頭から消えたそう。亡くなった女子高生の身元を明らかにし、遺族に「娘にやっと会えました」と言葉をもらったときには「何も言えなかった。でも歯科医師として少しお手伝いできたのはすごく良かったと思います」と責任の重さを実感していた。

HIDEは震災の後、その衝撃から「頭に音楽のメロディーが思い付かなくなった。音楽の意味を見いだせなくなった」ことも告白。しかし、GReeeeNは被災地を応援するための歌「Green boys」を無料配信し、『何度でも立ち上がるから』という歌詞が入ったその歌を世に送り出し、震災で傷ついた人へメッセージを発信するとともにGReeeeN自身も前に進み始めた。

「いろんなことが人生、震災だけじゃなく起きると思うんですけど、何度でも立ち上がっていって先に進むべき。僕らはきっかけでしかない」と想いを届けた。

今回、番組で明かされたGReeeeNの知られざる素顔がより詳しく紹介された本『それってキセキ~GReeeeNの物語~』(小松成美著・KADOKAWA刊)が3月11日(金)に発売される。ドキュメンタリー作家の著者が4年の歳月をかけて密着し、リーダーHIDEと兄でありプロデューサーであるJINとの兄弟の生い立ちや、メンバーnavi、92、SOHとの出会いと青春の日々、GReeeeN誕生の瞬間、メンバーの絆が克明に綴られたGReeeeN初の単行本となる。

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