3月16日、香港で開催中の「香港インターナショナル・フィルム&テレビマーケット(FILMART)」において、中華圏映画のリーディングカンパニー「メディアアジア映画」より、約2億元(日本円で約35億円)の制作費を投じる香港・中国合作映画「追捕 MANHUNT」の製作が発表された。
本作は、西村寿行原作「君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉(わた)れ」(徳間書店)の再映画化で、世界的に有名なジョン・ウー監督がメガホンを取り、福山雅治と中国の俳優・張涵予(チャン・ハンユー)がW主演を務める。'76年には「君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ」というタイトルで、高倉健が主演を務め映画化もされた。
シーンによって、中国語・英語・日本語の3カ国語のせりふが用意され、高倉健が演じた杜丘検事役を張が、原田芳雄が演じた矢村警部役を福山雅治が演じる。オール日本ロケで、今夏、大阪と九州で撮影される予定。「君よ憤怒の河を渉れ」は公開当時、中国でも大ヒットを記録したことから、今回の再映画化も日本、中国ともに大きな反響が期待されそうだ。
なお、発表会には張は出席したが、ウー監督と福山はスケジュールの都合で出席できず、以下のコメントを寄せた。
■ジョン・ウー監督コメント
メディアアジアからの映画「追捕 MANHUNT」のメガホンを取ってほしいというオファーを受けたのは、僕にとってはただの新しい作品というだけではなく、特別な意味が含まれている。
昔からずっと高倉健さんとお仕事をしたかった。高倉健さんが70年代においてアジアを風靡(ふうび)した作品を再映画化するチャンスをいただいて、躊躇(ちゅうちょ)なくすぐこの映画のオファーを受けた。
そして僕は「追捕 MANHUNT」の題材がとても好きだった。男が名誉のためではなく、「人」の尊厳を守るという純粋な思いで、悪に対抗しながら、一人で真相を突き止めるという剛毅(ごうき)な男性のイメージはとても魅力的だった。
僕の心の中で一番この役に近い人選は張涵予さんだった。普段人や物事に接する態度、あるいは、スクリーンで演じていたイメージも僕のこの役への想像にぴったりだった。
「追捕 MANHUNT」の中でもう一人とても大事な役がある。その役は杜秋の敵であり友である日本刑事だ。僕から見たこの人物は人情も義理も厚く、とても人間味のある役で、福山雅治さんはこの役の特質にとてもマッチしていて、ずっと僕の心の中で思い描いていた唯一の人選だったので、彼がこの役を演じていただけると聞いてとてもうれしかった。
女性の主役の真由美については少し内容を変えたが、原作の精神をそのまま保っている設定で、とても活発で、この映画に素晴らしい科学反応を起こしてくれることに違いない。
「追捕 MANHUNT」はオール日本撮影で、メーンの舞台は大阪と九州になる。大阪という街の活気と九州の自然な風景を感じることだけではなく、この作品を通して、僕が表現したいロマンスを極めていきたいと思う。
■福山雅治コメント
僕自身、これだけ激しいアクションがある映画に出させていたくという事は初めての経験ですし、それがジョン・ウー監督作品であり、しかも日本が舞台となっているということで、心からやりがいを感じております。
そして、圧倒的存在感のあるお芝居をされる張涵予さんとご一緒できることも心から楽しみにしています。
この映画が中国、日本、そしてアジア全体で楽しんでいただきながら、さらに、世界に発信できればうれしいですね。
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