4月2日(土)に放送される 「ドラマW この街の命に」(夜9:00-10:55、WOWOWプライム)の完成披露試写会が行われ、主演の加瀬亮を筆頭に、戸田恵梨香、黒田大輔、岡山天音、篠原篤、緒方明監督が登壇した。
本ドラマは、ある街の行政組織・動物愛護センターを舞台に、罪のない動物たちの命を救おうと踏み出した獣医たち職員の葛藤と再生を描いた物語を映像化したもの。
動物愛護センターに配属され、殺処分の現実に困惑する行政獣医・牧田洋役でドラマW初主演となる加瀬は「撮影は実際の場所をお借りしました。その時に、職員の方に『どんな仕事ですか?』と質問したら、『片手で犬をなでて、もう片方の手で犬を絞め殺しているような仕事だよ』と複雑な表情で語っていたのが一番印象的でした」と実在する現場の厳しさを報告。
牧田の同僚で、共に苦悩する行政獣医・幡枝亜紀(はたえだ・あき)役の戸田は「こんなヘビーな作品を見に来ていただいてありがとうございます」とあいさつ。続けて「亜紀はお母さんとのこと、精神状態のこと、犬のこと、いろんな問題を抱えている女性だったので、演じるのは難しかった」と撮影の苦労を振り返った。
また、動物愛護センターの係長で、田中裕子演じる新しくやってきた高野センター長に戸惑う前川誠二役の黒田は「どうぞこの作品を楽しんでください。楽しい作品ではないのですが、言葉が見つからないので…1人でも何か感じてもらえたら幸いです」と題材の複雑さを素直に吐露。
平穏無事に過ごすことをモットーとする、動物愛護センターで働く25歳の青年・末吉隆也役の岡山は、テーマの重さと同席した顔ぶれの豪華さに緊張している様子。
時折言葉に詰まると隣りの戸田から「大丈夫だよ」と背中をポンポンと押される一幕も。そして「一見、日常生活とはつながらない世界の話のようで、確実につながっている世界のお話です。皆さまの考える機会になれば」と語った。
加瀬と戸田は「SPEC」シリーズ('10年ほかTBS系)以来の共演。加瀬は「互いのマネジャーや周りの方が戸惑っていたり、違和感があったように感じます。僕は安心して現場に臨めました」と語る一方で、戸田は「私は違和感(ありまくり)でした」とキッパリ。
戸田は「このドラマは『SPEC』と逆で、加瀬さんが私に敬語を使うので…気持ち悪かった(笑)」と笑わせつつ、「俳優として信頼し尊敬している人。現場を引っ張ってくれたので全てを委ねることができました。すごく照れくさかったですね」(戸田)と言うと、加瀬は「落とすか上げるかどっちかにしてくれる?」とすかさずツッコミを入れていた。
動物愛護センターの作業班で、心を持たずに日々の業務に当たる木崎良太役の篠原は、司会者から「日本アカデミー賞新人俳優賞、おめでとうございます!」と祝福を受けると、「すいません、恐縮です」と、何度も深々と頭を下げていた。
本ドラマの現場で、加瀬と演技について語り合っていた様子を明かされた篠原は「くだらない話もたくさんして、そうやって仲間に入れてもらえたのかなと思います。見せかけでなく、真剣に取り組む俳優さんと一緒にドラマをやれたのは大きな財産です」と回答。緊張なのか、暑さなのか、篠原の汗がダラダラと止まらない様子に、加瀬らは大笑いしていた。
演出を手掛けた緒方監督は「難しいテーマは作るのも演じるのも難しいので、試行錯誤の中で出来上がった作品です。俳優たちが悩みながら試行錯誤しながら取り組みました。この作品を見て何かを感じてもらえたら」とアピールした。
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