宮藤官九郎「長瀬君にそろそろ人間じゃない役を…」

2016/03/29 19:14 配信

芸能一般

宮藤官九郎監督が香港国際映画祭に初参加(C)2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. / KDDI CORPORATION / GYAO Corporation

宮藤官九郎監督最新作、TOKIO・長瀬智也神木隆之介が出演する映画「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」が、3月21日から4月4日(月)まで開催される「第40回香港国際映画祭」に招待作品として公式上映された。それに伴い、宮藤監督が舞台あいさつ、Q&Aに登壇した。

今回で40回目を迎える香港国際映画祭は、香港で開催されるアジアを代表する国際映画祭の一つ。毎年3月下旬から約2週間にわたって約280作品が公開され、約60万人が参加する香港を代表する一大イベントだ。宮藤監督は、2月にロッテルダム映画祭を訪れており、本作で2度目の国際映画祭参加となる。

3月28日の夜9時(現地時間)に行われた舞台あいさつ。遅い時間にもかかわらず、会場である「香港文化センター」の前には、上映を待つ長蛇の列が現れ、客席1700席は満席の大盛況に。

宮藤が会場を歩くと大勢のファンからサイン&握手を求められ、注目度の高さは一目瞭然。まず上映前舞台あいさつに登壇した宮藤は「遅い時間にもかかわらず、足を運んでくださりありがとうございます。楽しんでください」とあいさつ。

そして、上映後に会場が明るくなると、客席で鑑賞していた宮藤に向け、観客によるスタンディングオベーションが起こる。これには宮藤も恐縮気味に手を振り、喜びをかみ締めていた。上映終了後に行われたQ&Aコーナーで、“地獄の映画を撮ろうと思ったきっかけ”を尋ねられた宮藤は「長瀬君と一緒にバカみたいなロックの映画をやりたいと思ったのが最初です。

長瀬君とはドラマも映画も含めて何本も一緒に仕事をしていて、そろそろ人間じゃない役をやってもらってもいいんじゃないかと思った。地獄の鬼がギターを持って地獄に立っていて、そこに神木君演じる大助が何度も落ちてくるというシーンがまず最初に思い浮かんだ。そこから、地獄と輪廻(りんね)転生の映画にしようと思いました」と明かす。

さらに会場からは、劇中歌の歌詞についての質問も。宮藤は「歌詞は深く考えたものもあれば勢いで書いたものもあり、いろいろですけど『あなたがいれば そこは天国』という歌詞がこの作品のテーマを語り尽くしているので、好きな人がそばにいればそこが天国というのが一番のテーマです」と力説した。

最後、「監督にとっての青春は?」という問いには「難しい質問ですね(笑)。僕はもう45歳になりますが、まだ青春が続行している感じだと思います。他の作品でも一貫していますが、ある程度年を重ねた大人の中にも青春が残っているというのがずっとやりたいことだと思うので、扱うテーマは変わっても青臭い部分というのはこれからも描いていきたいと思います」と観客にメッセージを送り、香港の熱い夜を締めくくった。

会場を出ると監督を待つ観客の波に囲まれ、現地での宮藤の人気の高さが証明された。なお、延期となっていた本作の日本公開日は6月25日(土)に決定。あと数カ月の辛抱で、地獄の楽園が待っている。