映画「ドクムシ」が、4月9日(土)から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。劇団EXILE・秋山真太郎や駒木根隆介、水上京香など、注目の若手俳優陣が名を連ねた注目作。ダブル主演を務める村井良大、武田梨奈へのインタビュー後編では、撮影現場での裏話などを語ってもらった。
【「村井良大、武田梨奈の誘惑に「満点」/ドクムシ対談(前)」より続く】
──朝倉監督はどんな監督ですか?
武田:ギャップがすごいなって思いましたね。普段はおとなしくて、かわいらしいシャイな方なんです。「一緒に写真を撮りましょうよ」と言っても、照れちゃうような監督なんですが、現場では目つきが変わりますし、以前撮られた作品を見ても、「女性がこれ撮ったんだ」って思わせる作品を撮っている方なので、いい意味で裏と表がある面白い方だなって思いましたね。
村井:僕もすごく乙女な方だなっていう印象があって、「ここはこうですか?」って質問すると、「あ、はい。そんな感じで」みたいな、ちょっと笑顔で返してくれて、かわいらしい方なんですけど。でも、女性の監督は女性に厳しいよね。
武田:それ、秋山さんも言ってました。
村井:やっぱり厳しいわ。監督にアプローチすると、もちろん応えてくれるんだけど、女性に対しての方が厳しく見える。逆もしかりだと思う。男の監督だったら男に厳しいと思うから。すごく厳しいようにやっているのを見て、女性の監督ってエグいなぁって思ったりしますね。
武田:今回の作品や監督のことを見ていてもそうなのですが、人間って意外と女性の方が強いなって思いますね。
村井:お!?
武田:極限に追い込まれた時、女性の方が精神的に強いんじゃないかなって。だから、アカネに対してもそうですし、ユミ(水上)ちゃんに対してもそうなんですけど、監督は本当に強いところを表現してもらうために、こだわって撮っていたんじゃないかなって思いますね。しかも、それは男性に向けても。
村井:なるほど。女性の方が痛みにも強いしね。寿命も長いし。
──お二人は初共演ですが、お互いの印象はいかがですか?
村井:普段は他の方が撮影している間などは時間が空くので、待機場所で待っているんですけど、普段何を考えているか謎な感じだなと思って。
武田:えぇ!? 結構分かりやすいってよく言われますよ。
村井:そうなの? みんなおのおの時間を過ごしている中で、一番何を考えてるのかなって思ってて。ずっとあめを舐めて、携帯いじってたよね。
武田:あははは(笑)。あめ舐めてましたね。棒の付いたあめを、ずっと舐めてました。
村井:ずっと舐めてるなぁと思ってて。あめが好きなの?
武田:いえ、食事は取っていたのですが、自分的には少し控えていたんです。というのも、秋山さんが役作りのために、撮影の1週間プロテインしか飲まなかったので、私も「それやります!」って言ったんですが、途中でおなか空き過ぎて集中できなくなってしまって(笑)、食べなきゃなって。
村井:そう! 俺も一緒。
武田:最初、私たち「食べない」って言ってましたもんね。
村井:そうそう、僕らは秋山さんを見習って、1週間だから勝負してみようって話にみんなでなったんだよね。これが1カ月だったらいろいろ考えなきゃいけないけど。で、最初の朝食、昼食はみんな食べなかったんですけど、だんだん体調が悪くなってきて。ボーっとしてきちゃうし、これは風邪ひくな、やばいなと思って。それからはガツガツ食べてましたね。
武田:そうなんです。でも、私は結構な量を食べないと満たされないタイプなんですけど、(その後も)「半分まで」って決めて、食事は控えめにしていたんです。でも、口が寂し過ぎてあめを舐めてたんです。
村井:口寂しいなんだ。飯で口寂しいっていう人は初めて聞いたよ(笑)。たばことかなら聞いたことあるけどね。ガムをかむとかさ。そういうことだったんだ。
武田:そうなんです。環境的にも校舎を締め切って暗くしているので、朝から(翌日の)朝、しかも早朝なので、1週間ほぼ太陽を浴びてない状態だから、おかしくなっちゃうんですよね。今の時間すら分からないような状態になっちゃって。
村井:やっぱり人はああなったら狂うよね。
──こういう作品だと現場のムードも暗くなったりしますか?
村井:いや、結構明るかったですね。暗い作品だからこそ明るかったみたいな。ずっと暗いときつくなっちゃうしね。
武田:そうですね。
村井:駒木根さんとかが現場を盛り上げてくれたりして。そういう意味では、秋山さんが一番作品の中に入ってましたね。自分を追い詰めるみたいな。
武田:リハーサル期間もありましたし、キャストが少なかったのもあってか、皆さんと仲良くなれました。
──武田さんは共演する男性に蹴ってほしいと頼まれることが多いですよね。今回は誰かにお願いされましたか?
村井:え!? 蹴ってくださいって? 毎回あるの?
武田:毎回ありますね。だいたい共演した男性に「お尻を蹴って」ってよく言われます。
村井:ただのドMじゃん。そんな人いる!?
武田:結構いますよ(笑)。監督さんとか、共演者さんも。「どれくらい痛いのか、やって」って。駒木根さんがすごくアクション映画が大好きで、(私の出演した)作品を見てくださっていて、「やっと戦える」みたいなことを仰ってくださっていましたが、「蹴ってほしい」はなかったですね(笑)。
村井:本編中でも蹴ってないよね。あまり強い役じゃないからね。
武田:ないですね。
村井:そんなことあるんだぁ。思いっきり蹴るの?
武田:はい。結構思いっきり。
村井:それで後悔した人とかいないの? 「ありがとうございます!」みたいな感じ?
武田:みんな「押忍! 気合入りました!」みたいな感じです(笑)。
村井:そうなんだ。僕は絶対に言わないっすよ(笑)。
──では、最後に読者へメッセージをお願いします。
村井:本当に映画館で見てほしい作品です。R-15といいつつ、かなりグロいシーンは多いんですけど、そういうことじゃなくて人の壊れていくさまだったり、心情を細かく描いていると思うんで、怖い、グロい作品だと思わずに、もうちょっと深い作品だと思って見ていただけるとうれしいです。
武田:エンターテインメント性のある作品でもあるんですけど、本当に極限に追い込まれた時の人間って、こういう行動を起こしちゃうんだろうなっていう、ドキュメンタリーに近いような映画でもあると思います。ぜひ劇場で体感してください。
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