アーティスト・井上涼が、創作のルーツを語る!

2016/04/14 06:01 配信

芸能一般

「びじゅチューン!」を手掛けるアーティストの井上涼

さまざまな美術作品を、歌とアニメーションで分かりやすく紹介する「びじゅチューン!」(毎週日曜昼5:55-6:00NHK Eテレ)。

4月20日(水)に、番組で放送されたアニメーション作品やその舞台裏などをまとめたDVD BOOKの第2弾と、楽曲を収めたCD「EAST」編、「WEST」編が同時発売される。番組の作詞、作曲、歌、アニメーションの全てを手掛けるアーティスト・井上涼に話を聞いた。

――'15年度を振り返っていかがでしたか?

5月に仙台で展覧会「国宝 吉祥天女(きちじょうてんにょ)が舞い降りた!―奈良・薬師寺 未来への祈り-」の関連イベントに参加したのですが、そうした機会に美術作品を見たり、応援してくれる方に直接会えたりして、すごくうれしい1年でした。番組がいろいろなところに広がっていくのを肌で感じました。

――DVD BOOK第1弾の初回特典で届いた往復はがきに書かれたコメントの中で、印象に残っているものはありますか?

届いたはがきは5000枚くらいあるんですけれども、印象的だったのは「生きるのがつらそうですけれど、頑張ってください。」というはがきを10通くらいもらったことです(笑)。そんなふうに見えているんだなと思いました(笑)。

あと絵を描くのが好きな方が多くて、そうした方の「“絵を描きたい欲”を刺激できているんだなー」と思えたのはすごく良かったです。

――今回は番組初となるCDも発売されますが、そもそも作曲はどこで覚えたのですか?

特に勉強したとかではなくて、作品を作る中でどうしても曲が欲しかったんです。人にお願いすると「ここを直してほしい」と言いづらいたちなので、自分でどうにかやっていこうというのが念頭にありました。

高校生の時に吹奏楽部だったんですけど、その時に音楽はチューバやクラリネットやパーカッションといったパーツに分けられるのだと分かりました。そこで、パーツの一つ一つを作ることができれば曲が出来ると思ったのがきっかけです。実際に曲を作り始めたのは、大学からです。

――作詞、作曲、アニメーションと全て井上さんが作られていますが、制作過程の楽しい瞬間を教えてください。

楽しいと感じるのは、各工程に一瞬ずつくらいあります。曲を作っている時、パーツを重ねていくと一気に曲らしくなってくる瞬間があって、作曲に関してはその瞬間が楽しいです。アニメーションも、何枚も描いた絵をパソコンに取り込んで、絵が動きだす瞬間が楽しいです。あとは全部つらいです(笑)。

――井上さんは美術作品を見て、どのように作品へ落とし込むのですか?

大元の目的は、視聴者の方に各美術作品に興味を持ってもらうということです。ただ、普通のことをやっていても興味を持ってもらえないので、今まで見たことのないアレンジを美術作品に施そうと考えています。

そのためには作品を見た時の「この絵の人物は崖を登ってきたのかな?」「この建物が女の人だったらガードが固そうだな!」といった思い付きにふたを閉じてしまうのではなく、そのまま取り上げることが大事なことだと思っています。

教科書に載っているものに落書きするようなノリなんです。みんな同じような経験がどこかにあるから共感される部分もあるみたいです。

あと、美術は高尚だからあまりアレンジしちゃいけないと思われがちですが、敬意を払いながら親しみのある捉え方をすることが大事だと思っていて、作品への敬意を忘れずに、ノリや思い付きを大事にして創作しています。

――井上さんが影響を受けた人はいらっしゃいますか?

結構昔からアニメが好きだったので、アニメのはっきりした色使いなどから作品の配色に影響を受けていますね。どの色が好きということよりも、色を組み合わせて使うのが好きです。

作品の印象を似せるために、原作の美術作品の配色はそのまま使いますが、背景などの色は比較的自由に青とピンクなど真逆の色を使ったりしています。

――番組放送開始から3年目になりますが、番組における今後の展望はありますか?

美術作品について調べまくって、変に詳しくなって、私が小難しい事を考えるようにならないようにとは思っています。私が難しく考えると、視聴者の方たちが見たときに「?」となって楽しめなくなってしまうので。

なので、最初に美術作品を見た思い付きを忘れずにいることが大事なことだと思います。ただ、それでいて今までと違うことをやることも大切だと思っています。

自分が見て気持ちいいとか、楽しいとか思えるかで判断しているので、それで皆さんの印象に残りやすい作品を作れるのかなと思いました。

――4月20日(水)に発売されるDVD BOOK 第2弾の見どころを教えてください。

基本的にはDVD BOOK第1弾の良さはそのまま。作品の構想スケッチや、番組を見ただけでは分からない小道具の制作秘話などを新たに載せています。また、作品に対する解説部分も結構凝っていて読み応え十分です!

また、初回特典として「びじゅチューン!新聞」が付きます。アニメーションに出てくるキャラクター同士のつながりや、各キャラクターのコラムなどが載っています。「あのキャラが書いたらこんなコーナーになるな」というようなことを考えて作りました。

アンケートはがきも初回限定で付くのですが、それを送っていただくと抽選で30名さまに“オリジナルふみちゃんトートバッグ”がプレゼントされます。生地がしっかりしていて使いやすく、お薦めです!

――7月にはCD発売を記念して、抽選で当選された人向けのミニライブも行われるそうですね。

初めて番組に登場する曲だけで1時間程度のミニライブを行います。これまでに40曲くらい作ってきましたが、歌詞が覚えられないので…ぜひ一緒に歌っていただきたいです!(笑) 

もちろんアニメーションも流れるので、いつも皆さんが家で見ている感じと変わらない雰囲気でのライブにしたいです。

――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。

番組放送開始から3年目になりますが、どうやったら皆さんが美術に興味を持っていただけるかということを考えてやっていますので、ぜひ気軽な気持ちでテレビの前で見ていただければと思っています。

また、本やCD以外に番組グッズなども展開しているので、そちらも注目してみてください!