倉木麻衣が、ロシア・サンクトペテルブルクで現地時間の4月18日に行われた「日露文化交流スペシャルコンサート」に出演した。
日本文化に親しみを持つロシア人からの知名度の高さと、地元オーケストラとシンフォニックライブができる歌唱力を持ち合わせた歌手ということで決定した倉木の出演。ことしで10周年を迎えた記念すべきコンサートは、当公演初となる「マリインスキー劇場 コンサートホール」でのアニバーサリー公演となった。
ロシアが誇る「マリインスキー劇場 コンサートホール」での公演はポップス日本人歌手初の快挙であり、今公演がいかに特別な公演かが伺える。'06年11月29日にオープンしたこの新ホールは、芸術総監督であるヴァレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場に所属している。
精巧に美しく積み木を組み合わせたように作られた木製の壁は、弧を描くようになだらかに傾斜しており、まるで光り輝く抽象芸術作品のようなこの壁の曲線は、音を拡散させ、現存するホールの中では最高レベルの音響効果を生み出している。
倉木の公演後は当ホールでのゲルギエフ指揮によるセルゲイ・プロコフィエフ特別公演が予定されており、この日の公演が音楽最高峰のスペシャルコンサートだったことを物語っている。
素晴らしい環境の中、コンサートは幕を開け、荘厳なプレリュードと共に倉木が登場。「プリヴェート ミニャーザブト クラキマイ(こんにちは、倉木麻衣です)。今日はこの素晴らしいコンサートにお招きいただき光栄に思います。皆さま最後までゆっくり楽しんでください」とあいさつすると、会場は大きな拍手に包まれた。
1曲目から披露された倉木の代表曲「Love, Day After Tomorrow」。オーケストラの素晴らしい演奏を最大限に引き出した華やかなサビの響きが会場いっぱいに鳴り響く。
その後、伸びやかなボーカルがさえ渡る「Reach for the sky」「Secret of my heart」、さらにカルメンを思わせるような情熱的なサウンド「Revive」と続いた。
そして情感たっぷりに大人の魅力を漂わせた「Cinema Music Special Medley」、美しいピアノソロが印象的なイントロで始まる「冷たい海」、そして幻想的なメロディーが美しい「儚さ」、バイオリンの情熱的な演奏で始まる「Time after time ~花舞う街で~」と続いていく。
一曲一曲が終わるたびに湧き起こる鳴りやまない拍手の中、夢のあるかわいらしいサウンドが特徴の「The Sound of Music Special Medley」が大観衆を魅了した。
さらには「STAND BY YOU」では支え合うことの大切さを、言葉をかみ締めるように気持ちを込めて歌い上げ、続く「Special morning day to you」ではあしたへ向けての希望を力強く表現していった。
その後は「Stand Up」「BE WITH Ü」で会場を一気に盛り上げ、「最後の曲になります」とのMC後に披露された「Wake me up」では、会場は大きな手拍子に包まれた。
鳴りやまない歓声の中、始まったアンコール曲「always」。繰り返されるサビのたびに大きくなる手拍子。その終わりではスタンディングオベーションが起こる。
この日最大の盛り上がりを見せる中で呼び込まれたゲストボーカルはアレクサンドル・ミハイロフ。数々のコンクールで入賞経験を持つサンクトペテルブルクを代表するテノール歌手とのデュエットは、マイケル・ジャクソンの名曲「I just can’t stop loving you」をパフォーマンスした。
ダイナミックなボーカルの掛け合いはステージに一層の華やかさを添え、会場を埋め尽くした約1000人による鳴りやまない大歓声の中、この日の特別公演は幕を閉じた。
この日のためだけに集められたスーパーセッションにより、倉木の新境地が開かれた夢のステージ。文化の街・サンクトペテルブルクで披露された倉木の歌声は、日露文化交流の貴重な1ページとして人々の心に刻まれた。
倉木は「今回は、日露友好記念コンサートの記念すべき10周年にお招きいただき、光栄に思うと同時に本当に素晴らしい経験をさせていただき、心から感謝しています。
木造りの温かな会場で、柔らかな旋律に包まれながら、シンフォニックアレンジの数々の楽曲を歌わせていただきました。また、九州での震災に向けてエールを送る気持ちで、サンクトペテルブルクから心を込めて歌わせていただきました」と、コメントした。
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