世界最高峰のプロバスケットボールリーグ、NBAがプレーオフに突入。東西ともに1回戦も終盤に差し掛かり、日々熱戦が繰り広げられている。今回、俳優・ミュージシャンとして活躍する金子ノブアキを直撃。90年代から観戦を続けている生粋のNBAファンに、応援するチームへの思いを語ってもらった。
――まずは、金子さんが応援するゴールデンステイト・ウォリアーズについて聞かせてください。レギュラーシーズンで73勝を達成し、マイケル・ジョーダンがいたシカゴ・ブルズの記録、72勝を破りました。
ブルズが1995-1996シーズンに72勝したときから、この記録は絶対に破られない…っていう前提になっていたので、こんな事あるんだな、それがウォリアーズだなんて!という驚きがありましたね。僕がNBAを見始めたのは、ブルズの72勝のちょっと前、ブルズが初優勝した1990-1991シーズンくらいからで、ジョーダンの最初の3連覇のころ。ジョーダンは1回引退して、戻ってきて、最初の年はシャキール・オニールのオーランド・マジックに負けて、あんまり悔しいもんだからデニス・ロッドマンを補強して(笑)。それも衝撃でしたけどね、敵同士だったから。
――そのころからウォリアーズファンとしてNBAを見続けてきたんですね。
僕が見始めたときはティム・ハーダウェイ、クリス・マリン、ミッチ・リッチモンドが“ランTMC”と呼ばれていて、ランアンドガンで走って、外からもシュートを入れる。今もそのスタイルが何となく残っているのが嬉しいですね。それが現代バスケとフィットして、スティーブ・カーが監督になったことでディフェンスが強化された。前監督のマーク・ジャクソンがいなかったら今はないと思うんですけど、監督がスイッチすると一回ちょっと作り直して萎むことが多いので、それを引き継いで強くしているっていうのが凄い。
マーク・ジャクソン更迭で「終わった!」と思っちゃった自分が恥ずかしいです(笑)。「何で調子いいのに監督変えちゃうんだよ!」「しかもスティーブ・カーかよ!」って、監督経験ゼロだったから、いくら良い選手だったとはいえ優勝するとは思わなかったです。スティーブ・カーは、監督しての通算勝率が8割なんですよね(笑)。選手としてもブルズで72勝して、その後はサンアントニオ・スパーズで優勝して、誰が一番“持ってる”かっていったら、スティーブ・カーなんじゃないかな(笑)。
――レギュラーシーズン序盤、スティーブ・カーが離脱するアクシデントもありました。
そのときにルーク・ウォルトンがね、暫定コーチなのに開幕24連勝して記録を達成したのも凄い。ルークも元々は2世選手で、お父さんはビル・ウォルトンていう名プレーヤー。ステフィン・カリーも、クレイ・トンプソンもそうだし、そういう気の合い方もあるのかなって思います。カリーがビンス・カーターとマッチアップしているのとか見るとね、お父さんのデル・カリーは、トロント・ラプターズ時代にカーターとチームメートだったわけですから(笑)。
子供のとき一緒にシューティング練習もしてたらしいし。子供のころからコートにいるから、居心地の良さとかあるのかも知れない。ジョーダンのころはフィジカルで、もっとみんな怒り狂って、ぶつかり合ってるスポーツっていうイメージでしたけど、カリーは爽やかですもんね。ウォリアーズは気のいい奴ら(笑)、陽気な奴らがやってる感じが頼もしいです。
――ファンとしては、やはりウォリアーズの本拠地、オラクル・アリーナには行ってみたいですか?
オラクル行ってみたい!現地で見たのはマディソン・スクエア・ガーデンだけなんです。カーメロ・アンソニーが得点王になった2013-2014シーズン、ニューヨーク・ニックスがプレーオフにも出てて、最近で一番良いとき。行った日がちょうど、ニックスが優勝してから40周年の日で、観客全員にレプリカリングを配ってたんですよ。奥さん連れてったから、奥さんも指輪を貰ったんけど、いらないっていう(笑)。それで、長澤壮太郎さんに「やばいの貰ったよ!」ってあげました。
その時は奮発して超いい席買ったら、スパイク・リーが目の前の席で(笑)。そしたら横にフィル・ジャクソンが入ってきて、ニックスの選手だったから、ハーフタイムのセレモニーに参加するために。「フィル・ジャクソンだ…」って言ったら、奥さんからしたら誰だか全く分からないから「あのカーネル・サンダースみたいな人誰よ」って(笑)。「凄いんだぞ!マイケル・ジョーダンの監督だった人だぞ!」って(笑)。アール・モンローとか当時の選手がみんな来ていて、良いもの見られましたね。
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