CS放送のクラシカ・ジャパンでは「世界に挑む日本人たち」と銘打ってクラシック音楽の世界で活躍する音楽人を紹介する番組を3か月連続で放送する。初回は、30代という若さで数多くのオーケストラを指揮している山田和樹にスポットを当て、独占インタビューとトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団と行った昨年のコンサート映像を日本初放送する。
山田は、ともに舞台に立ったトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のことを「フランス音楽に限らず、ドイツ音楽、ロシア音楽とどの音楽にも対応できる、レベルの高く素晴らしい、またとても可能性のあるオーケストラです。楽しみながら仕事をしていて、いい意味でフランス人の良さが出ている」と感想を述べた。
公演で演奏したブラームスとリヒャルト・シュトラウスに関して「ブラームスは凝縮している感じ。けれどもすごく繊細な部分もあり、二楽章ではテレビではほぼ聞こえないほどのピアニッシモの演奏になっていると思います。反対にリヒャルト・シュトラウスは、サウンドがキラキラしていて、そのキラキラだけで浮遊できるほどいい気持ちになれる。色気とキラキラが混然一体となって、とても色っぽい音楽になっている」と魅力を語り、演奏を通してのそれぞれの音楽の印象を“エスプレッソ”と“スパークリングワイン”に例えた。
また、若くして世界の舞台で指揮をしていることについて「僕らはとてもラッキーな世代だと思います。21世紀に入り、(30代のうちに首席客演指揮者などのポストにつく等)僕らにチャンスが回り始めてきた。それこそ巨匠指揮者に比べられるものなんてないに等しい訳ですが、若いからこそできる、例えば体力を必要とするようなことや、多くのレパートリーを演奏するといったことを行って発信していく必要があると思っていますし、そういう意味があると思っています」と意気込みを語った。
最後に音楽の道に進もうと考えている若い世代に対して「本当に才能がある人は進んでほしい。そのためには自分の才能をちゃんと見極めてほしい。他人の評価ではなく、自分自身を見極めて、よく考え情報を集めて、『本当にいける!』と思えば行けます。けれど、思っていても運がないといけないという場合もあります。実力はあっても運でダメという人もいる世界ですから、まず力がないとダメ」と厳しい一面もみせつつメッセージを送った。
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