大石静脚本、石田ゆり子主演で放送中のドラマ10「コントレール~罪と恋~」(毎週金曜、NHK総合)。6年前に無差別殺人事件で夫を失った文(石田)と、事件現場に居合わせて犯人を取り押さえようとする中で文の夫を死に至らしめた瞭司(井浦新)の恋を描いている。
そんな「コントレール―」で、文の夫・敦(丸山智己)の交際相手・圭子を演じる桜庭ななみを直撃。敦の死の瞬間を目撃していた圭子は、瞭司と関係を深める文を非難し、二人の関係に横やりを入れる役どころ。初の“悪女”役に挑戦中の桜庭に、演じる圭子のキャラクターや共演者とのエピソードを聞いた。
――大石静作品に出演されるのは今回が初ということですが、オファーが来たときの感想はいかがでしたか?
話が進むにつれて、石田ゆり子さんと対立を深めていく役なので、その役が私でいいのかなということと、大人な作品が多い大石さんの脚本を私が演じられるかなということで、不安はありました。
でも、大石さんには、顔合わせでお会いしたときに「いつかご一緒したかった」と声を掛けていただいて、とてもうれしかったです。
――“悪女”とされる圭子ですが、台本読んでみてどのような印象を受けましたか?
圭子は、自分の思いを真っすぐぶつける強い女の子のようですが、本当は優しい人だと思いました。言葉も強かったりするのですが、私は圭子の一番の味方になろうと思っているので、それだけ真っすぐな思いがあるんだと思って演じています。
――大石さんも、今回の悪女役が桜庭さんの新境地になるのではないかとおっしゃっていましたが、手応えはいかがですか?
今までに演じたことのない役なので、私にとっては本当にチャレンジですし、お芝居のやり方や表現の仕方も全然違うので、すごくいいチャンスを頂いたなと思っています。もっと色気を出せるようになったら、どんどんチャレンジしていきたいです。
――演じていて難しいところはありますか?
石田さんと対立するシーンが多いのですが、言葉は圭子の方が強いのに石田さんの大人のオーラといったものを前に、言えば言うほど圭子が空回りして負けていく感じがしますね。
文さんにぶつかっていく演技も難しいですが、その難しさがお芝居に出ていて、文と圭子の関係性に生かされている気がします。結局負けてしまうところも、圭子のキャラクターだと思います。
――共演者の皆さんとのエピソードを教えてください。
石田さんは、「ななみちゃんが演じる圭子は、悪い人だと感じない。真っすぐなところがすごくいい」と言ってくださって、それがうれしかったです。
新さんとは、空き時間の過ごし方を話しました。新さんは写真を撮るのが好きだそうです。電車の写真を撮ったりしているのは意外性があって、「こういうことが好きなんだな」と思って見ているのが楽しかったです。
(文を見守る刑事・佐々岡役の)原田泰造さんとは、これまでにバラエティーでご一緒することが何度かありました。でも、そのときのことを思い出すと撮影中に絶対笑ってしまうと思って、その話はあえて出さないようにしています(笑)。
――ここまでで印象に残っているせりふはありますか?
圭子が海辺に一人で立って、「アマーロが飲みたい」と言うシーンがあるんです(5月20日(金)放送の第6話)。アマーロは、圭子にとって敦との思い出の飲み物なんですが、そのシーンは圭子が唯一素直になる場面なので好きです。本当に敦が好きだったから、(文たちに)ここまでしてしまうんだなというのが伝わります。
――最後に、文は、自分を見守ってくれる佐々岡ではなく、陰のある瞭司に引かれますが、桜庭さん自身は瞭司と佐々岡のどちらが魅力的に感じますか?
やっぱり、瞭司さんですかね。佐々岡さんはどちらかというと「大切にしたい」とか「守ってあげたい」というのをオープンに言う人ですが、瞭司さんはあまり表現しない人。そういう方がタイプかもしれないです(笑)。
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