将棋の羽生善治が、5月15日(日)夜9時から放送される「NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」(NHK総合)の完成試写会に出席した。羽生は同番組のナビゲーターを務める。
以前より人工知能(AI)に興味があったという羽生が、自身の関心に基づき世界各地を取材して、AIの“いま”を追う。ナレーション部分の原稿も、羽生自らが筆を執ったという。
羽生は「ずいぶん昔、人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルの本を読みました。その時には半信半疑というか、ほとんど信じていませんでした。でも今何が起こっているのか、現状どこまで研究が進んでいるのかを見て、例えばロボットが思いやりを持つのも可能だし、ロボットを家族のように思う人が出てきても不思議ではないと考えるようになりました」と人工知能の進歩に驚いた様子。
だが一方で、人工知能の“危うさ”にも言及。「ターミネーターのようにはならないとしても、倫理の面ではどうするのか? ルール作りはどうするのか? 非常に大事なことだと思います」と案じ、その上でコンピューターが人間の脳を超えるという予測、いわゆる“2045年問題”に関しては、「技術的なことで遮るものはなくなっている」との見解を述べた。
ことし3月、グーグルの開発した「アルファ碁(AlphaGo)」が、世界最強といわれる囲碁棋士、イ・セドルに勝利。最も複雑なゲームとされている囲碁の世界でも、人間がかなわない時代が到来したと騒がれた。今回羽生は「アルファ碁(AlphaGo)」の開発者であるデミス・ハサビスとも対談をしている。
会見では、羽生自身が人工知能と対戦する可能性にも質問が及んだ。「そのことについては近々アナウンスがあるかと思いますが、今の段階では何も言えません」とけむに巻いた。
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