ことし1月に日本で公開された映画「クリムゾン・ピーク」(アメリカでは'15年公開)が、6月3日(金)にブルーレイ&DVDで発売されることが決定した。「パシフィック・リム」('13年)、「パンズ・ラビリンス」('07年)などを手掛けた鬼才ギレルモ・デル・トロが放つダークミステリーだ。
今作「クリムゾン・ピーク」にはギレルモ監督がこだわり抜いた衣装が多数登場。物語の時代設定は、1901年の秋から冬。ヴィクトリア女王が年初に世を去り、新世紀が始まったばかりの当時、「大英帝国」の上流階級は、収入基盤である農業の不振で没落の危機にあった。
彼らの多くが、産業発展目覚ましいアメリカの富豪の娘と、持参金を目当てに縁組。物語はそんな背景の下に展開されていく。
製鋼業で財をなした“アメリカ人成金”の娘で、主演を務めるイーディス(ミア・ワシコウスカ)がまとうのは、黄金色のドレス。
豪華で暖かな印象を与える色で、衣装の種類も多い。冒頭のイーディスは、ハリと光沢のある「紳士服仕立て(テーラーメード)」のジャケットで身を固めて小説の売り込みに行く。
トーマス(トム・ヒドルストン)と恋に落ちると、同じ黄金でも淡い色のスカートにブラウスという、ガードの甘い姿に変わる。
心が傷つく場面では、繊細なプリーツをあしらったはかなげなドレス。危険にさらされる場面では、体の線が透けるほど薄い寝間着。
袖は物語が進むにつれ膨らんだり萎んだりし、19世紀最後の5年間に流行した“ジゴ袖”や、巨大なバルーンスリーブが登場する。
衣装デザイナーのケイト・ホーリーによると、金色はシャープ姉弟が狙う「富」を象徴し、袖の変化で場面ごとに移りゆく彼女の強さや恋心を表したという。
時代がかったファッションの魅力を存分に取り入れながら、過去の現実を正確に写し取ることに飽き足らず、もっと深い意味や、登場人物の心情をドレスで表現していると言っていいだろう。
ギレルモ監督は「本作の絵画のような美しさは、まさにこれまで私が創作してきた中で最もお気に入りの作品の一つとする理由である」と今作に懸けた胸の内を明かしている。
20世紀初頭、ニューヨークで暮らす作家の卵・イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、死んだ母親に、まさしく文字通り“付きまとわれていた”。
死者の魂と通じ合う力を持っているイーディスは、墓場のかなたの母親から「クリムゾン・ピークに気を付けつけなさい」との警告を受け取る。
そんなイーディスは、二人の男性から結婚を迫られる。一人は幼なじみの医者、アラン・マクマイケル(チャーリー・ハナム)。もう一人は不思議な魅力を放つトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)。
イーディスの父親が不可解な死を遂げた後、彼女はトーマスと結婚し、イギリスの辺ぴな丘陵地帯にある彼の豪華な屋敷で暮らすことを選択。
ゴシック建築の広大な屋敷だが、付近一帯は冬になると白雪の上に血のように赤い粘土の色素が染み出すことから「クリムゾン・ピーク(深紅の山頂)」と名付けられていた。
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