女優の二階堂ふみと映画監督の園子温氏が2日放送の「ミュージックポートレイト」(Eテレ)に出演。2人がタッグを組み、国内外で高く評価された映画「ヒミズ」(11年)での秘話を語り合った。
「ミュージックポートレイト」は、2人の著名人が“人生で大切な10曲”を持ち寄り、語り合う番組。この日は、映画「ヒミズ」でメガホンを取った園監督とヒロインを務めた二階堂の組み合わせで送る後半。
「ヒミズ」撮影当時の心境を「『変わらなきゃ』『変わるんだ』じゃなくて、もう『変わっていくんです』っていう覚悟が決まった時期」と回想した二階堂。共演の染谷将太とともにベネチア国際映画祭の最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞したことには「(受賞するとは)まったく思ってなかったです」と振り返った。
しかし園監督は受賞を予見していたようで、二階堂が「リハーサルの時に(園監督から)『君が頑張ればレッドカーペット歩けるかもしれないんだぞ』って言われて…」と暴露。二階堂は「歩きたい!」と応じたものの、パスポートを持っていないことに気づいたという。当時、二階堂は16歳。「でも、パスポートの申請ってお金がかかるって知らなくて。1万円か2万円だったんですけど、持っていなくて、母に電話して2万円振り込んでもらって申請しに行きました」と微笑ましいエピソードを明かした。その後、2人が再びコンビを組んだ映画「地獄でなぜ悪い」(13年)がベネチア国際映画祭に正式出品。二階堂は「この映画で園さんともう一度ベネチアに行った時、園さんに『世界で一番幸せな10代だよ』って言われて、本当にそうだなって実感してました。10代のうちに2回もベネチアにくることができて」と当時の思いを語り、「園さんは自分を変えてくれた人。恩返しもいっぱいしたい」と感謝の気持ちを率直に伝えた。
10曲目“自分の自画像”の曲に、映画「道」(1954年)のテーマを選んだ二階堂。「わたしも出会いがすごく大事。園さんとの出会いも大事な財産だし、いろんな人との出会いが今の自分を作っているから、出会いというものを大事にしていきたい、そういう道を歩んでいきたいと思っています」と締めくくった。