前田希美「コープス─」続編語る『挑戦した作品』

2016/07/26 06:30 配信

芸能一般

映画「コープスパーティー Book of Shadows」について前田希美にインタビューメーク:松田蓉子

映画「コープスパーティー Book of Shadows」が7月30日(土)から公開される。同作品は、ゲームやコミック、小説、アニメなど幅広く展開されたホラーゲームシリーズの実写映画化。乃木坂46・生駒里奈主演で'15年8月に公開された「コープスパーティー」の続編となる。

怨霊のすむ異空間から生き延びた女子高校生の直美(生駒)とあゆみ(前田希美)。事件から半年、二人は死亡した友人たちを取り戻そうと悲劇の舞台となった過去の天神小学校へ舞い戻る。しかし、新たな事件に巻き込まれ、二人にさらなる残酷な運命が待っていた…。

前作から続投となる生駒、前田、池岡亮介らに加え、新キャストとして石川恋水石亜飛夢青木玄徳、欅坂46・石森虹花らが出演。今回、物語の重要なキャラクター・篠崎あゆみを演じる前田に、作品や撮影現場の裏話、共演者についてなど語ってもらった。

──続編を撮り終えた感想から聞かせてください。

今回からの新キャストの方たちも出ているし、(作品と向き合う上で)いろんな葛藤みたいなのが増えて、作品はさらに濃くなっていると思います。

──ホラーは平気ですか?

大好きです! なので、見るだけでなく演じるのも楽しいですね。ただ、私が異常にホラー映画が好きなだけで(笑)。皆さん…特に怖がっていたのは(石森)虹花ちゃんと…いこたん(生駒)も怖がりだったかな。

──生駒さんにびんたされるシーンがありましたね。

「実際にあまり(強く)やらなくていい」と言われていたんですけど、私がいこちゃんに「思いっきりやって」と言って臨みました。あのシーンは、最初に撮影するシーンだったんですけど、みんな気合が入っていて、最初はちょっとずれちゃったりもして(笑)。余計に痛くなりましたけど、でも全然大丈夫です。いこちゃんも最初は遠慮していたんですけど、思いっきりやってくれました。

──演技が初めてとなる欅坂46の石森さんとは姉妹の役でしたね。

私の姉役だったんですけど、実際は年下なんです。でも、いい作品にしたいという一生懸命な気持ちは伝わってきました。「ここ、どうしたらいいですか?」と聞いてくるとか、そういう姿勢が見えたので、一生懸命やっているのが伝わってきました。

──石森さんは緊張していたんじゃないですか?

めちゃくちゃしてましたね。しかも、すごく怖がりみたいで、結構怖がっていましたね。現場では「こわ~い…」って言ってました。ふふふ(笑)。

──ホラーということで、撮影現場が暗くなったりしませんか?

いや、普通に青春って感じです(笑)。(共演者が)同世代なので、みんなで休憩時間とかには屋上へ行って写真を撮ったりしていましたね。仲良し過ぎて、撮影の合間はすごくしゃべっていました。(喜多)陽子ちゃんとか、すっごい面白いんです。

──演じた篠崎あゆみはどんな女の子ですか?

一番人間っぽいなって思います。こんなに分かりやすい子がいるのかってくらい気持ちとかも出ていますよね。嫉妬心とか。それって、みんなが持っているものじゃないですか。なので、気持ちも入りやすかったですね。

──演技の中でさまざまな表情を見せていましたね。

そうですね。挑戦させていただいた作品なので、自分でも「こういうことができたな」って自信も付きましたし、逆に「もっとこうしたいな」っていう課題もできました。こういう作品に参加できたことは、とてもありがたいと思っています。

前作を見た人に、すごく嫌われたんですよ。嫌な役を演じたので。なので、「嫌い」って言ってもらえたことは、(役者として)とてもうれしかったです。

──今回、難しかったシーンはありましたか?

ゲームやアニメでも、あゆみちゃんが狂っちゃうシーンがあるんですが、原作のファンの方々に「今回はあるかな?」って期待していただいているみたいなんです。今回、そのシーンが実際にあるんですよ。

(オリジナルが)ないものを演じると、自分が出す(演じる)ものが答えになるじゃないですか。原作がある作品なので、そこが一番プレッシャーとなって、大変な部分ではありますね。

ただ、それができるということで、今回たくさん悩んで考えた時に思い付いたのが、あゆみちゃんが狂っている時の原作の画像と、鏡に写っている自分の顔を見比べて、原作に近づけるというのをやりました。

──それは撮影現場でですか?

いや、撮影の前夜にホテルで。すぐにはできなかったですね。でも、原作はあるし、ちょっと変えるだけで全く変わるので、なるべく近づけるようにやりました。撮っていただいているんだから、私はお芝居で盛り上げていかなくちゃっていう思いがあったので。

──演技をする上で意識していることはありますか?

その場でお芝居をするっていうのが苦手なんですね。涙を流すシーンでも、別のことを考えて泣くよりは、気持ちでも演じている人に成りきるというのが私のやり方なんです。なので、常に撮影中はあゆみちゃんという気持ちを忘れずにいました。

──今回の作品はラストが衝撃でした。

台本を頂いて、「私(あゆみ)はどうなるんだろう?」と思って見てみたら「マジか!」って(笑)。でも、見ている人の期待を裏切るって、やっている方はすごい楽しいじゃないですか。なので、見ている人も楽しめるんじゃないかなって思います。本当にいろいろ予想外のことが起きるので。

──山田雅史監督はさらなる続編製作への意欲を示していましたね。

私たちも、その思いはもちろんあります。そのために作品を盛り上げていかなきゃいけないので、結構みんなといろいろ話し合ったりもしています。

撮影が終わってからも「コープス会」というのをやっていて、みんなでご飯に行くんですけど、「どうやったら、また次できるかな?」とか「このメンバーでできることは何だろう?」みたいな話をしています。

(作品では)前編でも私といこちゃん以外はみんな亡くなっちゃっているじゃないですか。コープスパーティーの魅力はエンディングがたくさんあることなので、生き残る人もいれば、死んじゃう人もいますし。なので、例えみんなが死んじゃっても、また違ったものができると思うので、続編はぜひやりたいですね。

──最後に読者へメッセージをお願いします。

前作は少なかった生駒ちゃんとのシーンが今回は結構あるので、二人のシーンとか、感情のぶつかるところとかを見てほしいです。誰の視点から立っても楽しめる作品なので、何回も見て楽しんでください。