8月1日(月)朝10時より4K、8Kスーパーハイビジョンの試験放送がBSで始まるのに先駆け、NHKは、東京・渋谷のNHK放送センターでマスコミ向けの施設内覧会と番組観賞会を開催した。
世界で初めて試験放送を行う8Kは3300万画素を有し、情報量は現行のハイビジョンの16倍にも及ぶ次世代型のテレビシステム。現物のほぼ全ての色を再現できるという広い色域や、高ダイナミックレンジ(HDR)で明暗の再現にも優れているほか、音声も22.2chサラウンドステレオが実現。あたかもその場にいるような錯覚を覚える臨場感が特徴で、'18年から実用放送が予定されている。
施設内覧会ではNHKの屋上に設置されているパラボラアンテナや運用室、機器室(いずれも放送衛星を運用するB-SAT社が所有)を観覧。NHKのスーパーハイビジョン版TOC(民放でいうマスタールーム)、SHV-TOCも公開された。SHV-TOCは送出管理を行うまさに放送の心臓部だが、85インチの8Kディスプレーを2台設置。テクニカルディレクター、送出監視者、リソース管理者の3人で運用される。
また、今回の取材会では8K番組「牧野植物ふしぎ図鑑」の観賞会も実施した。この番組は、“日本の植物学の父”ともいわれる牧野富太郎が描いた植物図を8K映像を見ながら検証していく世界初の8Kスタジオ情報番組。国立科学博物館の田中伸幸氏の解説をもとに、ゲストにガレッジセールのゴリ、福田彩乃、古原靖久を招き、MCのいとうせいこう、伊東敏恵アナが番組を進行していく。牧野が発見したノジギクを題材に取り上げたコーナーでは、おしべやめしべが隆起する様子など受粉のメカニズムが鮮明に見て取れ、微細な部分まで描かれている牧野の植物図の精巧さが証明された。8K映像ならではの遊び心もちりばめたこの番組は、試験放送でも楽しめる。
今回の試験放送では、空き帯域のBS17chを使用し、4Kと8Kを時間を区切って放送。まだテレビは市販されていないが、全国のNHKで視聴できる。また、リオデジャネイロオリンピック期間は、開会式、閉会式の生中継のほか、録画やハイライトを含め競技を連日放送。東京・丸ビル「MARUCUBE」、パナソニックセンター東京、グランフロント大阪ナレッジシアターでのパブリックビューイングも決定している。
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