林遣都「絶対的に必要とされる自信を得たい」

2016/08/09 12:04 配信

ドラマ

「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」の第5話放送を前に、中島保役・林遣都の合同インタビューが行われた

8月9日(火)にフジテレビ系で「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」(夜10:00-10:54)の第5話が放送される。

第5話では、事件発生を聞いて駆け付けた比奈子(波瑠)と東海林(横山裕)の目の前に、5年前の“キャンディー殺人事件”と状況が酷似した遺体が現れる。東海林は今回の事件でも保(林遣都)に捜査協力を要請しようと提案するが、保が5年前の事件の第一発見者だったことを知る比奈子は保を心配する。しかし、当の保は過去の悪夢と向き合ういい機会だと捜査協力を引き受ける、という内容。

今回は第5話の放送を前に中島保を演じる林の合同インタビューが行われ、林は保役を演じることや、さまざまな役へのアプローチの仕方などについて語った。

――保を演じていて面白いと思うところはありますか?

伏線がある連続ドラマをやる上で、作っている側は“視聴者にどういうふうに見てもらえるか”という計算もして、監督も先が読めないようにと考えているので、そういうところに僕も重きを置いて“これから保がどうなっていくのか”が、話が進むごとに気になってもらえるように、いろいろなアイデアを現場で出し合うのがすごく面白いです。

――第5話での演技で意識したことはありますか?

視聴者にも第1話からずっと怪しいといわれていると思うんですけど、それでいいと思っていて。第5話で視聴者の予想を裏切れたらなと思います。

――初登場が転んでいるところだったり、第4話では都夜(佐々木希)から比奈子を守るために飛び込んだりしていますが、そういった撮影の大変さはありますか?

横山さんたちの姿を見ていると、僕は何も言えないですね。僕は逆にああいったシーンも“らしさ”を出せればなと思っています。

本当はあそこ(第4話で比奈子を守るために突き飛ばすシーン)、台本では“保が登場して比奈子を守る”っていうシーンだったんですけど、横山さんと「ここはやっぱり東海林が前に出てくる気がするんだよね」(横山)、「そうですよね」(林)とお話しして、都夜から比奈子を守る瞬間に横山さんから飛び出して、僕は全然必要のない動きをしているというか(笑)。間に合っているのに比奈子を突き飛ばしてる(笑)。あそこはお話してああいう形になってよかったです。

――比奈子との「萌オさまカフェ」のシーン(第4話)などを振り返ってみていかがですか?

第5話につながる、比奈子の感情を揺さぶる役割だと感じていたので、監督と話して“恋心なのかお互いが気付いていない感情を、自分たちも分かっていないくらいのラインで出す”というところがカフェのシーンだったのかなと。演じていてもそうなんですけど、視聴者もこれは恋心なのか、なぜこんなに興味を抱いてしまうのか、そこに対女性としての感情はあるのか、本当に保も比奈子も分かっていないくらいで、そういう雰囲気になって第5話につながっていくことを考えながら演じていました。

(保には)カウンセリングで接している意識も少なからずあるので、保自身も踏み込んでいいのかどうか、でも人として興味があるから、“これを言うことによって何を感じるのか”と試している部分もあると思います。ただ、保自身もそんなに完成された人間ではないので、比奈子と会うことで自分の感情がどう動くのか、どこか試している部分もあると思います。

――俳優業のモチベーションをキープするためにしていることはありますか?

“常に上の人を見続ける”ということは意識しています。どの現場に行っても先輩の役者さんがいて、自分が経験していないことを経験している人たちばかりなので、常にそういう人たちを意識して、その現場、その仕事で自分に足りない物を見つけて、それを追求するというか。役者として絶対的に必要とされる自信を得たいので、それを目指してひたすらやっているという感じですね。

――「ON―」の現場には渡部篤郎さんや要潤さんがいらっしゃいますが、演技について話をしたりはしましたか?

そういう話をすることはないですが、見ていて勉強になることばかりです。最近、自分のドラマを見ながらその台本を見ることがあるんですけど、“こう書かれていたのに、この人こうやってた”とか、そうやって参考にしたりすることはあります。そう見ていると台本に書かれていることが100%ではなくて、“皆さんがそれぞれの役を膨らませて、それを現場に持ってきて、みんなでより良い作品を”という一体感があると思います。

――役者さんによっていろいろあると思いますが、林さんの役との向き合い方はどういったやり方ですか?

まず自分でイメージしていたものを出してみて、それを監督に見てもらいます。基本的に表には出さないんですけど、現場の中では誰よりも強気でいることを心掛けるというか、何と言われようが“自分はまずこう思ったからこうやりました”というのをやってみて、客観的に見てくださってる人の意見もすごく必要だと思うので、何か言われたときはまた柔軟に考えるようにしています。

――最近は一癖ある役を演じられている印象があるのですが、そういう役との向き合い方になったのはその影響もあるのでしょうか?

あまり役によって意識が変わることはないです。その作品の設定が1週間しかないものであっても、どんなに特徴のない人間でも、その役には人生があって。それを考えないと、切り替えるという意味でも、役を演じるのが怖いくらいになってきて、時間が許す限りそういう思いでやっています。

――最後に、第5話の見どころをお願いします。

第1話から解決されていなかった“キャンディー殺人事件”についてどんどん明らかになってきます。予想はいろんな意味で覆したいと思っていて、波瑠さんと本当に細かく、ちょっとした感情の揺れもお互い逃さないで確かめ合うように、大事に“比奈子と保の関係性”を作ってきたので、その2人がこの中盤で起きる事件によってどうなってしまうのかというところを、しっかり見届けてもらいたいと思います。