シンガーソングライターの大黒摩季が、8月13日に行われた「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO」のRED STAR FIELDに登場し、約8000人の観客を熱狂させた。
この日のために集結したスペシャルバンドのメンバー、ドラム・青木和義(T-BOLAN)、ベース・徳永暁人(doa)、SAX・勝田一樹(DIMENSION)らが待ち受けるステージに登場し、まずは代表曲の一つである「熱くなれ」を熱唱。この時を心待ちにしていた超満員の大観衆から「お帰りなさい!」「待ってたよ~!」という大歓声で迎えられた。
大黒の復帰第一声は「ホーム、ただいま~!!」。「熱くなれ」をシャウトすると、大黒の思いと会場全体の復帰を心待ちにしていた思いが、ハッキリと交わり、初っ端からステージと客席は一体感で満ちていた。
続けて「DA・KA・RA」「チョット」「別れましょう私から消えましょうあなたから」「Halem Night」と、大黒は涙ぐみながらも大ヒットナンバーを全力でパフォーマンス。
デビューしてから24年間という中で培われたライブの勘とパフォーマンスは、まるで2、3日前までどこかでツアーをしていたかのようなパワフルで衰え知らずのステージを繰り広げ、6年間というブランクを全く感じさせなかった。
活動休止中は、病気と治療との戦いが続き「“大黒摩季”として復帰できるのか? という不安の日々の連続だった」と話す大黒。だが、むしろ90年代にヒット曲を連発していた時と何ら変わらないハイトーンボイスとパンチ力を放つステージの彼女の歌声に、RED STAR FIELDの観客も魅了されっ放し。
「もう一度歌えるかな?って、何度も思っていたから、きょうこの場に立てるのは奇跡です! なまら楽しい(笑)。『ただいま!』って、月並みですけど勇気出して良かったな~、って思いました」と明かす。
そして、彼女が講師として育ててきた札幌スクールオブミュージック&ダンス専門学校のダンサーたちが登場し、「永遠の夢に向かって」「あなただけ見つめてる」、ラテングルーブに盛り上がる「夏が来る」「いちばん近くにいてね」、さらに「Anything Goes」と息もつかせぬかのように、名曲をこれでもかと披露した。
復帰に当たって原点回帰を目指し、北海道を再出発のスタートに選び、そして地元を愛し、地元に愛される大黒。続いて、小樽市立菁園中学校の生徒たち18人が登場し、本人も「一生歌っていくと思うこの曲」と語る「ら・ら・ら」を合唱。彼女の思いに会場も応え、この時、ステージと会場がまさに一体化して大合唱が行われた。
'10年8月にアーティスト活動無期限休止を発表し、子宮疾患の治療・不妊治療を続け、これまで一般人として過ごして来た大黒。ラストに選んだのは新曲「Higher↑↑ Higher↑↑」(↑は正しくは右斜め上向き)。
6年間、世の中に対して感じてきた思いを込めた同曲は、音楽に妥協せず、人生に諦めず“より高いところ”を目指そうとする彼女を象徴するものに仕上がっており、そんな思いが通じたのか、ステージも会場もタオルを振り回し、熱狂のるつぼと化した。
最後に、10月16日(日)に、再び故郷・札幌で単独ライブを行うことが発表され、観客を大いに沸かせ、復活のステージは終了した。
大黒のこれからの活躍ぶりは、これまで支えてきたファンはもちろん、新たに彼女の魅力を知った人たちも、この先ずっと“見つめてる”ことだろう。
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