桜庭ななみ、主演映画で絶壁へ「楽しみました」

2016/09/08 06:30 配信

映画

映画「絶壁の上のトランペット」で主演を務めた桜庭ななみスタイリスト:Yoshino、ヘアメイク:サカノ マリエ

映画「絶壁の上のトランペット」が9月17日(土)から公開される。桜庭ななみが主演を務め、韓国の人気音楽グループ・TEEN TOPのL.Joeが映画初出演を果たした日韓合作の話題作。

石垣島の紺碧(こんぺき)の空と海を背景に、忘れられない愛の思い出をトランペットの音色に乗せて届ける、美しくも切ないファンタジー恋愛物語だ。

主人公アオイを演じた桜庭に、L.Joeら共演者の素顔や撮影時の裏側などを語ってもらった。

──まず、今回の役柄について教えてください。

何かに寂しさを持っている女の子です。そこである一人の男性ジオ(L.Joe)に出会って、その人も同じような寂しさを持ったところがあって、いろいろつながっていくんですけど、恋愛だったり、元カレとの再会だったりとか、いろいろな人と出会っていく中で、一人ではないということに気付いていきます。

──アオイはどんな女性ですか?

あまり感情を表に出さない子だなって思いました。はっきり言うことはなく、寂しさとかも雰囲気などで感じさせるので、あまり表現できないというか、表現しない女の子だなって思いました。

──桜庭さんとの共通点はありますか?

私も仕事以外の時は一人でいることが多くなって、あまり大きく笑ったり泣いたりすることはないですけど(笑)、そういう感情を表現しないという点では、共通しているかもしれませんね。自分自身もそうなんですけど、もっとうまく伝えられたらいいなとは思いますね。

──プライベートでは一人が多いんですか?

家族と離れて暮らしているということもありますが、あまり友達と会う時間を作らないというか、一人でいることが結構好きなんです。

──今回の作品は不思議なストーリーですね。

台本を読んだ感じでは、分かりやすくて、おとぎ話のような夢のようなストーリーだなって思いました。ジオがイルカとシンクロしているシーンがあるんですけど、そういう表現はすごく感動しました。

──それはハン・サンヒ監督ならではの演出ですか?

やっぱり分かりやすく演出されるところとか、純愛とかは監督らしいなって思いました。監督が以前に撮られた作品も見させていただいたんですけど、そういう部分でも、監督だからこういう作品が撮れたんだなって思いますね。

──監督はどんな方ですか?

とっても日本語が上手で、とても優しい方です。優しいんですけど、自分の作りたい物は強く持っているという感じですね。私は台本を読んで「これだな」ってイメージしてから現場に入るんです。私はそのイメージした感じで演じるつもりで行くんですけど、監督のプランももちろんあったので、現場で何度も話し合いをして、方向性を定めながら演じました。

──L.Joeさんは日本語を話せないのに、見事に演じられていました。

日本語のせりふがとてもお上手でした。台本をすごく読み込んできていて、NGもほとんどなかったですし、すごく努力されたんだなというのは共演していて分かりました。

なので、私もジオのイメージはすごくつかみやすかったですし、ジオがこういう表情をしてくれたからこのシーンが出来上がったんだなっていう場面も、完成した映像を見ながら思いました。L.Joeさんに助けられた部分がたくさんあります。

──他の共演者で印象に残っているのはどなたですか?

お母さん役の大塚寧々さんですね。すごく優しくて、先輩ですけど一緒にいて居心地がいいというか(笑)。すごくきれいな方なので“見習いたいお姉さん”という感じでした。

──マリを演じた7歳(当時)の翁長虹心(おなが・にこ)ちゃんとの共演シーンも多かったですね。

何でも表現するので分かりやすいんですよ。今、マリちゃんがどう思っているとか。マリちゃんは、撮影の最初のころは私とのシーンが多かったので、私のことを「一番好き」って言ってくれていたんです。だけど、だんだん久保田悠来さんが出てきたり、L.Joeさんが出てきたりしたので、だんだん私のランクが下がってくるんですよ。しかも、それもちゃんと私に伝えてくれるんです(笑)。

それが悔しくて、いつも二人と戦っていました。「一緒に写真を撮ろうよ!」とか、自分からアピールして。何とかマリちゃんの中でランクを上げようと努力してましたね(笑)。最後は結局3位でしたけど、すごくかわいかったです。

──石垣島でのロケはいかがでしたか?

何十年かに一度の大型台風が来て、2日以上停電になってしまったんです。本当にすごい台風で、部屋は浸水して、貴重な体験になりました。

一日だけは撮影したんですが、もう一日はさすがに危ないからって休みになりました。でも、その休みの日にみんなで集まって、中打ち上げみたいなことをやったのは楽しかったですね。

スタッフは韓国の方が多くて、キャストはほとんど日本人だったので、コミュニケーションを取るのが難しかったんですが、みんなが体で表現して伝えたり、韓国人スタッフと日本人スタッフが言葉が通じないのに仲良くなっていて。そういうのを見ているとチームワークができているんだなぁって思いました。

──今回は日韓合作映画で、現在は'18年公開予定の香港・中国合作映画「追捕 MANHUNT」(ジョン・ウー監督)の撮影中。海外作品への思いを聞かせてください。

アジアの作品が好きなんです。語学でも以前から韓国語と中国語の勉強をしていて、今後は中国とか韓国の作品にも機会があったら参加したいなって思っています。

──アジア作品に魅力を感じるのはどんなところでしょう?

近い国だから共感しやすい部分もあるし、違う文化もあったりするので、そういうところは見ていて面白いですね。それに、俳優の方に対して先入観なく見られるので、見ていて作品に入りやすいというのがあります。

──今回の作品の見どころの一つが石垣島のきれいな景色だと思いますが、絶壁に立つシーンは迫力があり圧巻でした。

実際に絶壁に立っているんです。先にL.Joeさんが撮影しているのを見ていたんですけど、落ちちゃうんじゃないかってハラハラしました。でも、いざ自分が立ってみると全然平気で、映像を見たら「命綱なしでよく行ったなぁ」って思いました。

──命綱なしだったんですか!?

ないです、ないです。高いところは平気な方なので、立っている時はきれいな景色を楽しんでいました。

──あの絶景は大きなスクリーンで見たら圧倒されそうですね。

そうですね。特にあのシーンはきれいだと思うので、ぜひ見ていただきたいです。

──最後にメッセージをお願いします。

ストーリーはファンタジーなんですけど実際にありそうな、何かすごく温かくなるような作品だと思います。でも、見ている方が誰かの幸せを願ったりとか、今いる自分の周りの人の優しさや温かさをあらためて感じてもらえる作品になっていると思うので、そういうところを感じてもらえたらいいなって思います。