上川隆也が出演するドラマ「ガードセンター24 広域警備指令室」(夜9:00-10:54日本テレビ系)が、9月16日(金)に放送される。
同作は警備会社のコントロールルームを舞台に、東京の“安心”と“安全”を守るため奮闘する人々の姿を描くアクションエンターテインメント作品。オリジナルのストーリーや、主演の中島健人が体を張ったアクションにも挑戦するスペシャルドラマだ。
主人公・篠宮守(中島)を優しく見守るセンター長・野々村省吾を演じる上川は、自身の役を「正しくリーダー」という言葉で表現。その言葉の真意、そして作品に対する思いを聞いた。
――作中はで多くの緊急事態が発生していますが、上川さん自身緊急事態に陥ったことはありますか?
僕の人生は波風のない日々が続くばかりで、そういった緊急事態に陥ることはほぼなかったと思いますね。それはそれで、とても幸せなことだと思っています(笑)。
――撮影で大変だったことはありますか?
今回のドラマは、他に類を見ない“密室アクションエンターテインメントドラマ”と銘打ってお届けします。ガードセンターという、警備をつかさどるための情報を一手に引き受ける、一つの閉じた空間の中で主な物語が進行していくこのドラマの中では、その情報が影の主役ともいえるような存在。
なので一般のドラマでの、場面や風景の変化によって物語が移ろっていく流れとは少し違います。それはある意味、役者をとても頼ってくれている作品だともいえます。
舞台が変わらないからこそ、(ガードセンターの)中で行われていることを「どう伝えるか」が演者の役目。それを担っている者として、責任の重さと同時にありがたく思っています。
だから、一つ一つの場面をどうお届けするかを、全員で工夫を凝らしながら作っています。このドラマの現場はより“創造ができる場”になっている。だからこそ一方では決して容易ではなく、作品としてもやりがいのあるものであったと思っています。
――印象に残っているシーンはありますか?
クライマックスシーンです。現場の警備員とガードセンターの監視員がコミュニケーションを取り、いかに安全を維持するために動いているのかが、このドラマの一つのテーマな訳ですが、突然に巻き起こった大きな事件に、チームが一丸となって対処する。そのクライマックスこそが、まさにこの物語の大きな見どころでしょうし、撮影にも時間を掛けました。
サスペンス性もふんだんに盛り込みつつ、中島(健人)くんと僕ら監視員の連携プレーなどと合わせて、多面的に楽しんでいただけるような展開になっています。
――監視員を題材にしていた作品は珍しいですが、役に対してどのような準備をしていましたか?
僕は、このドラマのお話をいただいて初めてガードセンターといわれるところがあるのを知りました。しかし、事を未然に防ぐのが警備の仕事なのだとしたら、そうした存在が世に知られてないことが正しい姿なんでしょう、きっと。
ただ、誤解を恐れずに申し上げるなら、今回はリアルに作っていくことが今回の本当の目的ではないと思うんです。やはりこれはドラマで、エンターテインメントですから、楽しんで見ていただくことも大事。そのために必要なアレンジは加えた上で、リアルな警備活動を「物語」としてより膨らませるのが自分の役割だと思っています。役作り? ウーン髪形くらいでしょうか(笑)。
――上川さん演じる野々村はセンターの“父”という感じもしますが、上川さん自身どのように捉えていますか?
年齢的には、もう父と呼ばれることが妥当かもしれません(笑)。彼(野々村)がガードセンターに配属される人材を抜てきしているのは確かですが、キャリアや性別など、ある意味「余計なもの」で判断をしながら人を見てはいないように思うんです。それぞれの適材適所を明確に、でもそこに高低差があることを良しとしていない人物。だから、父というよりは“正しくリーダー”なんだと思います。
――野々村という人物は、上川さんが描くリーダー像とかぶりますか?
このドラマの中での彼の立ち居振る舞いを見ていると、こんな人が集団の長として座っていてくれたら、それはありがたいだろうと思います。いざという時に一番言ってほしいせりふを言ってくれる、必要な行動を取って、メンバーを導いてくれる、そんな存在。
だから普段はどうであれ構わないんでしょう。いざ事が起こった時に、ちゃんと機能を果たしてくれる存在であるならば。だからこそ、あの部屋にいるメンバーは野々村に常に背中を向けて座っていられるんだと。ですからきっと、野々村とガードセンター職員は、とてもいい関係なんでしょう。
――ドラマのキーワードは“安心”と“安全”ですが、最近ホッとした瞬間は?
毎日家に帰るとホッとしています。愛犬が安心と安らぎをもたらしてくれますから。もしいなくなってしまったら…気が早いと言われることも重々承知しておりますが、いずれ来るであろう“ペットロス”を、今から心配しています(笑)。今の僕にとっては他に比べようのない、かけがいのない存在です。
――現場はどのような雰囲気ですか?
ケンコバさん(ケンドーコバヤシ)がいてくれることが、みんなにとっても非常にありがたいという瞬間が数多くあります。この物語が、密室の閉塞感にとらわれないのにはケンコバさんの存在がとても大きい。
だからといって、ただ面白おかしいだけではなく、しっかり空気を読む“役者勘”も備えた上で、アドリブも含め、遊びドコロを見極めて演じてくださっている。誰かがシリアスな演技をしてもその場が沈まないのは、ケンコバさんのおかげだと思います。
――初共演である中島健人さんの印象は?
共演者やスタッフに対して、きちんと目線・意識を配れる男です。誰も不快に感じさせない。その辺りの気配りや配慮の行き届き具合は驚くほどです。さらに人を失望させない。「中島君のここは残念だ」と思ったり、失望させる瞬間が全くない人間性は素晴らしいと思います。
――今回のドラマはセットにもこだわりが見られます。
ケンコバさんの言葉を借りるなら、「正気ですか!」。これは2時間のドラマのために建てるセットではないです(笑)。
今回はスペシャルドラマとしては珍しく、撮影前に顔合わせと(台本の)読み合わせも行われて、そこからもスタッフサイドのこの作品に懸ける意気込みを感じられたんですが、ガードセンターのセットに入ってより強くその思いを受け取りました。正直たまげました。「ここまでやるか?」と。
これはたぶん3シーズンくらいやるつもりで建てないと見合わない、そのぐらいのクオリティーのセットです(笑)
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