スペシャルドラマ「愛を乞うひと」が今冬日本テレビ系で放送されることが決定。同ドラマの主演を、篠原涼子が一人二役で務めることが明らかになった。
「愛を乞うひと」は、下田治美の同名小説を原作に、「母娘の絆」をテーマにした“究極のヒューマンドラマ”。幼少時代に母親から凄惨(せいさん)な虐待を受け、愛に飢えていた一人の女性が、本当の自分を取り戻していく物語で、「愛すること」とは何かを問う。
'98年には原田美枝子主演で映画化され、日本アカデミー賞・最優秀作品賞など、同年の映画賞を総なめにした名作を、今回篠原涼子主演でドラマ化。篠原は主人公・照恵と、照恵が幼少時代に虐待を続けた母親・豊子の一人二役を演じる。
照恵は、高校生の娘・深草と二人暮らし。ある日照恵は、生き別れた弟・武則との再会をきっかけに、記憶の底に押し込めていた凄惨な幼少時代を思い出していく。
さらに、照恵は深草の後押しを受けて、亡くなった父親の遺骨を探しに父親の故郷・台湾へと渡る。そこで照恵は、今まで知らなかった母親の真実と向き合うこととなる…。ドラマは現代の照恵を軸に、幼少時代の回想シーンも並行して描いていく。
主人公の照恵は、母・豊子から虐待を受けていた過去を持ち、どこか控えめな女性。一方の豊子は、結婚・離婚を繰り返し、心がもろく、娘を虐げることで何とか自分を保っている。
篠原にとっても、一人二役はこれが初めての経験。特に豊子は、篠原がこれまで演じたことのない気性の激しい難役で、ハードなシーンも多い。物静かな照恵と攻撃的な豊子という両極端な二役を、篠原がどのように演じ分けるかも見どころになっている。
篠原は「映画版を拝見させていただいたときに衝撃を受けて、大変興味を持ちました。役者という仕事を続けていられるのであれば、いつか巡り合ってみたい作品でしたので、出演が決まったときはとてもうれしかったです。
今の世の中で意義のある作品だと思いますし、視聴者の皆さんの琴線に少しでも触れられるように、精いっぱいチャレンジしました」と、ドラマへの出演が決まった際の心境を告白。
照恵と豊子という二役を演じたことについては、「かなり難しいと思っていたんですが、それぞれの役が濃厚でしたので、大変やりがいがあり、充実した日々を過ごせました。
特に豊子は私の好きな役柄で、照恵のシーンのときは、『豊子にもう一度戻りたい』って思ってしまうぐらい…(笑)。全く真逆のキャラクターなのでストレスもたまらないというか…。
甘いものばかり食べていると、辛いものを食べたくなるときありますよね? そんな感覚です(笑)。なかなかできない経験だと思いますし、良い機会をくださり、良い時間を与えていただき、心から感謝しています」と振り返った。
最後に、「この作品に参加させていただきたかった理由の一つに、残念ながら虐待というものが社会問題になっていて、世の中の人たちに少しでもいいから何かを感じ取ってほしいという思いがありました。
1シーン1シーンを無我夢中で大切にかみしめながらやらせていただいたので、本当に一人でも多くの方に見ていただきたいです。監督も自信を持って世に送り出せる作品になったとおっしゃっていましたし、放送がとても楽しみです。こんなに楽しみなのは、今までなかなか無かったですね(笑)」とメッセージを送った。
“愛し方を知らない母”と“愛され方を知らない娘”を一人で演じた、篠原の熱演に注目の同ドラマ。その他のキャストなどは追って明かされるので、続報に期待しよう。
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