10月27日(木)、元セクシー女優の沖田杏梨が音楽プロジェクト「Milky Pop Generation」(通称“みるじぇね”)初のワンマンライブ『沖田杏梨1stワンマンLIVE「ANRI jump」』を開催する。開催を約2週間後に控えた10月上旬、沖田本人と、親交のある作家・クリムゾンと、“みるじぇね”プロデューサー・牛頭(ごず)めぐみのインタビューを行った。
※「Milky Pop Generation」とは、所属アーティストは全員セクシー女優で、「ソロ」「本人と作り上げるオリジナル楽曲」「生楽器」にこだわり、楽曲制作からイベントのプロデュース・運営を行い、本人の本当に“やりたい音楽”を形にし、彼女たちの“個性”や“魅力”を伝えるプロジェクト。
沖田は今年4月にセクシー女優を引退、最近では映画「SCOOP!」に出演、福山雅治に胸を触られていた場面が印象に残っている方もいるのでは。クリムゾンは成人向け漫画を主に執筆している同人作家で、同業界でトップレベルの人気を誇っており、過去に自身の漫画を沖田主演で実写化したりもしている。牛頭めぐみは“みるじぇね”のプロデューサーでデザイナーでもあり、みるじぇねライブではMCを務めている。
――最初に一言だけ、沖田さんが出演された映画「SCOOP!」について教えてください。
沖田:「モテキ」とか「バクマン。」を撮られた大根仁監督なので、さすがとしか言いようがないです。同じものを他の方が撮ったら暗くなるかもしれないと思うのですが、ずっと面白くて。衝撃的なラストが印象的で、何度見ても同じところで泣くんですが…そこは言えません(笑)。最高です!
――ありがとうございます! それでは改めてインタビューを始めます。沖田さんとクリムゾン先生との出会いは、作品の実写化の時ですか?
沖田:私はセクシー女優デビュー前から先生の作品のファンでした。
クリムゾン:私も実写化前から知っていました。実写化する際、メーカーの方から何名か候補をいただいて、その中で「沖田さんがいい!」とお願いしました。初めて実際にお会いしたときはやっぱり「美しい人だな~」って。
沖田:光栄です。先生は私の目指すスタイルをいつも完璧に描いているし、セクシーな描写がすごく入っていきやすくて好きなんです。
――沖田さんと牛頭さんの出会いはいつですか?
牛頭:4年前にレーベル“みるじぇね”がスタートして、その年、2012年の夏くらいに初めてお会いして、11月に沖田さんのCDを発売する運びになりました。
沖田:当時の私はシャイ気味で…「どこまで自己主張していいのか」「要望を言っていいのか」が分からなかったですし、ファーストライブでは「とにかく大きい声出さなきゃ」って、とにかくテンパり過ぎてました。
牛頭:当時私はデザイナーとしてCDのジャケット撮影で初めてお会いして、「すごく人当たりのいい人だな」って。でも確かに今とイメージは違いますね、少し一歩下がってるような感じはありました。実は最近、ワンマンライブに向けて、昔の写真やメイキング動画を見てたんですけど…。
沖田:Oh no~! (笑)
牛頭:昔と今では雰囲気が違って、どんどんキラキラしていっているような気がします。いろいろ挑戦されていて、ちゃんと一つ一つ活躍の場を広げてステップアップされているなと。レーベルとしても大切なアーティストでとっても感謝していますし、人間としても尊敬しています。
――クリムゾン先生はライブには以前から行かれてたんですか?
クリムゾン:はい、去年の夏の“みるじぇねそにっく!”が最初で、それから何度か行っていますね。毎回レベルアップされているなと感じますし、沖田さんはいつもテーマ性を打ち出して歌われるので聴いていて面白いなと思います。
沖田:ただ自分の楽曲を歌っていくのも、それはそれでいいんですけど、もう一つ楽しむ要素があった方が、聴きながら何かを感じてもらったり出来るかなって。
クリムゾン:確かに、イメージしやすいですね。
――ご本人を目の前にして難しいかもしれませんが(笑)、沖田さんの魅力ってどこにあるでしょうか?
牛頭:人間性も本当に尊敬してますが、良さ…良さ…なんだろ、言葉にするのは難しいな…。
沖田:な、ないということですね(笑)。
牛頭:違います!(笑) あ、歌の“声質”。最初からずば抜けて良かったです。さらに努力家で、ダンスも練習して習得されたんですよね。
沖田:そうなんですけど…本来私ダンスのセンスがなくてですね。振り付けされた動きは出来るのですが、自分で自由に踊るってなると、すごく個性的になるみたいで(笑)。あの、井森美幸さんの伝説的な、ホリプロタレントスカウトキャラバンのダンスみたいになっちゃうんです。
牛頭:ステージではあんなに堂々と踊っているのに意外です。
沖田:本番では、“やる気スイッチ”がパチッと入ってるんでしょうね。
牛頭:あとは…みるじぇねを運営している弊社はいわゆる音楽の制作会社なのですが、沖田さんはスキルや意識、ステージに立つ覚悟…など、他のアーティストと比べても遜色がないと思っています。一緒に音楽を楽しめている感じもとっても強いです。バンドにいつもプロミュージシャンをブッキングしてますが、特にアコースティックやジャズ編成ライブは「こんなにクオリティーの高い音楽ができるなんて正直思ってなかった! 本当に楽しかったし、感動した!」って言って皆さま帰られるんですよ。沖田さんは元々勘が良い方でしたが、最初から今やっていることができたかというと、そんなこともなくて、場数を踏んで確実にできることが増えています。スキル的な面も気持ち的な面も、たくさん考え、努力されているなと思っています。
クリムゾン:私が思う魅力は、まず英語の発音が素晴らしくて、声量もかなりあって、それと聞いてて安心感がある声質なんですよね。特にスローテンポの曲だと感動的なんですよね。確か4回前のライブでしたっけ? JUJUさんの「やさしさで溢れるように」は良かったです…。人を感動させる力を持ってる声質だと思うんですよね。
沖田:先生…すごい…うれしいです! ありがとうございます。
クリムゾン:セクシー女優さんの経験があって歌うというのが、歌手一筋の人には出せない、セクシーな魅力が加わってると思います。それと、美術的なセンスをお持ちなので、それが歌にもちょっと反映されている気がします、情景をイメージしながら表現力に乗せているような…。
一同:なるほど~。
――クリムゾン先生は沖田さんの全てを知っていらっしゃるんですね…。
沖田:先生は私より私を知ってるんですよ。先生の右に出るものはいません!(笑) 私のマネージャーも前に「たぶん先生は俺より知ってるぞ」って、だからマネージャーより詳しいと思います(笑)。作品の発売順もたぶん知ってくれています。
クリムゾン:全部じゃないですけど、7割くらい見ているかもしれません(笑)。
沖田:以前、好きな作品ランキングもくださって、「こういう視点で見てるんだ」ってすごくためになりました。私レビュー見るの好きなんです。
――沖田さん自身は自分の魅力についてはどう考えていますか?
沖田:確かに、英語がきちんとした発音で歌えるっていうのは最大の強みであると思います。あと、「意外と歌謡曲も合うのかしら」って最近思ったりしました。
――前回の“みるじぇね”ライブでの美空ひばり「愛燦燦」はステキでした。
クリムゾン:そう、ものすごく合ってました! 私の中では過去一番良かったかも…。
沖田:あれ、過去一番が (得意としている)英語の曲じゃない(泣)。
牛頭:お客さんからもすごく好評でしたよ。
沖田:ワンマンライブでも某歌謡曲を披露しますよ、おそらくほぼ100%みなさんご存じの曲です。ただ私、日本語の曲と英語の曲で、歌うときの発声方法が変わっちゃうんです。それが自分の中で課題で…。
クリムゾン:そうですよね、「け」の発音がちょっと…変…というか…(笑)。
沖田:え、日本語の「け」ですか?
クリムゾン:「け」とか「せ」とか、母音が「え」の音の発音がちょっと違和感があるかもしれないです。他に比べると、音が小さいというか、そこだけ安心感がなくなるような…。いつも「なんかちょっと変だな…」って思ったら、だいたい母音が「え」の音ですね。日本語と英語の違いなんでしょうか。
――クリムゾン先生の目のつけどころがすごいですね…。
沖田:先生、本当に天才なんで。でも確かに 母音の「え」って英語の「e」で、「key」(キー)とか 「keep」(キープ)だから…。
クリムゾン:あ、そうですね。「え」じゃなくて「い」の発音に近いから口が横に閉じてるのかも…。
沖田:本当だ! 気付いてませんでした…ありがとうございます! これがもう一つの課題ですね。
――日本語と英語の曲を歌えることで、逆に課題もあるものなんですね。
沖田:実は私いつも英語の曲の時はすごく安心して歌ってるんです。でも日本語の曲になると、不安が多いんです…。発音のこともありますけど、呼吸法がお腹から声を出すっていう感じじゃなくなるんですよね。喉で歌ってるわけじゃないんですけど、私が考える邦楽って、高音を出すときはなるべく喉を締めて出すっていう特徴があると思っていて。そこを洋楽っぽくやると、その歌の良い部分を壊しかねないんですよね、太すぎるというか…だから間違えて歌を壊さないように、練習を重ねて本番に臨んでいます。
――他の人の曲をカバーするって大変なことなんですね。
沖田:その曲の世界観を台無しにしないようにっていうことは一番気を付けています。世界観を壊して私っぽく歌っても、それはそれで形になるとは思うんですけど、そういう自分を主張するより、本来の形を壊したくない気持ちの方が強いです。例えば元の曲がファルセットで歌う部分は私もファルセットで歌います、地声で張るかファルセットで歌うかで、曲の厚みがだいぶ変わるんですよね。それで声質は自分を残すっていう。モノマネにはならないように。
クリムゾン:前回の美空ひばりさんの曲が、まさにそういう、モノマネでもオリジナルでもなく、ちょうどいいところを攻めてるなって思いました。
沖田:先生…ありがとうございます!
【インタビュー後編はhttp://news.walkerplus.com/article/90463/】
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)