モナ・リザに謎のまなざし!?ルーブルを8Kで撮影

2016/11/09 18:15 配信

芸能一般

「モナ・リザ」の目にクローズアップすると、左右で表情が違うことが分かる

NHKは、11月14日(月)~20日(日)に放送される8Kスーパーハイビジョンの番組「NHK・ルーブル美術館8K共同制作 ルーブル 永遠の美」のマスコミ向け試写会を行った。

この番組は、フランス・ルーブル美術館との国際共同制作で、同美術館が所蔵する彫刻や絵画を撮影したもの。8Kは従来の映像よりも明暗の表現に秀でた「ハイダイナミックレンジ(HDR)」や広色域を再現する機能を搭載。そのため、よりリアルな映像を映し出すことができ、美術品の撮影を得意とする。4Kも含め、ルーブルに超高精細カメラが入るのは初。休館日や夜間を利用して撮影された。さらに、千住明が作曲した音楽は、22.2チャンネルで録音されている。

今回の試写会に先立ち、10月25日にルーブルの館内でも同美術館の職員、ジャーナリストらを招いた試写会を開催。ルーブルのジャン・リュック・マルチネズ館長から「彫刻の質感がこれほど表現できるのは素晴らしい。また、絵画においてもカメラが近付くと詳細なディテールが見え、『見たことがない絵』のように見えた」と絶賛されるなど、高い評価を得た。

番組では、リストアップされた約3000点の中から9作品を紹介。ルーブルを代表するレオナルド・ダ・ビンチの名画「モナ・リザ」の撮影では、左右の目の表情に違いがあることが浮かび上がった。右目が前方を強く凝視しているのに対し、左目はおだやかな慈愛に満ちたまなざしを向けている。

また、「サモトラケのニケ」「ミロのビーナス」など彫刻の撮影では、作品に落ちる影がリアルに再現されているため奥行きを感じるほか、大理石の質感がまるで作品を目の前にしているようにはっきりと分かる。

ヤン・ファン・エイクの絵画「宰相ロランの聖母」では、全長1mm程度で描かれた、背景に架かる橋上を行き交う人の姿まではっきりと見え、肉眼では見えない部分まで鮮明に映し出す8Kの威力を遺憾なく発揮している。

ほか、8Kは金色の再現に特に優れているが、黄金を惜しげもなく使ったフラ・アンジェリコの絵画「聖母戴冠」では、まばゆい金と青いラピスラズリの輝きが美しく映る。

8月1日よりBSでの試験放送が始まった8K放送はまだテレビが市販されていないが、全国のNHKで視聴できる。NHKは、現在の放送は残しつつ、8Kと4Kの放送を“モアサービス”に位置付け、実用放送を'18年12月1日からスタートしたい意向を示している。

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